明治新政府の指導者になろう

平成 27 年度 1 学期授業参観指導案
社会科学習指導案
指導者 日高高等学校附属中学校
1.指導日時
平成 27 年 5 月 12 日(火) 第 5 限目(13:10~14:00)
2.指導学年
3年A組(男子 19 名
3.場
所
日高高等学校附属中学校3年B組教室
4.単
元
明治新政府の指導者になろう
第5章
平林 大輔
女子 21 名)
開国と近代日本の歩み
第 2 節 明治維新(8 時間)
1
新政府の成立
1 時間
2
明治維新の三大改革
1 時間
3
世界とつながる日本と文明開化
1 時間
4
岩倉使節団と殖産興業
1 時間
5
近代的な国際関係
1 時間
6
自由民権運動の高まり
1 時間
7
立憲制国家の成立
1 時間
8
明治新政府の指導者になろう(本時)
1 時間
5.単元設定の理由
(生徒観)
3 年生となり最高学年としての自覚がでてきた。2 年間の経験を活かして真面目に学習に取り組める集
団である。社会科に対しての興味関心は個人差が大きいように感じられるが、授業には集中して取り組
める。班学習などにおいては、2 年間で学んだ学習スキルを活用し活発に取り組める。本単元では班での
学習を通して、生徒たちの課題を解決しようとする力(教えあい、考えあう力)をうまく活用できるか
を見てみたい。また、個人の発表力とともに班活動においていかに自分の意見を主張できるか、他者の
意見を尊重し、班員とともに班として1つの意見をまとめられるかに注目したい。
(教材観)
一般的に歴史分野の近代以降を苦手とする生徒が多い傾向にある。その理由として、国際関係が複雑
化することと、政治的な色合いが強まり、歴史用語も難解になるためである。しかし、近代の歴史の流
れを丁寧に読み解とくことができれば、現代社会に多くの事象がつながっていることがわかる。また、
国際関係も表面だけでなく背景やつながりまで視野を広げることができれば世界史につなげることがで
きる。指導する側も生徒の興味や関心を高める教材の工夫をしなければならない。
(指導観)
今回は 1 時間の中で、個人としての取り組みと班活動を取り入れている。まず、個人として学習課題
に取り組むのだが、既習した内容が理解できていないと課題を正しく考察することはできない。課題に
対して根拠を考え、自分の考えを述べる学習は普段からワークシートなどを利用しているが個々の差は
大きい。そのためワークシートは宿題としてじっくり取り組ませた。また、多くの教科で自分の意見を
述べる取り組みは実践されている。今回は短時間で相手にわかりやすく的確に自分の意見を述べること
が必要とされる。また、それだけでなく個々の意見を班でまとめ、班としての意見を集約する力も必要
である。これはチーム力であるが、個々の力が集まってのチームである。普段からの学習姿勢が試され
る場になるであろう。話し合いの状況に応じて教師がアドバイスをし、うまく意見を集約できるよう援
助をしたい。
(言語活動充実の視点)
社会科では自分の考えを根拠をもとに明確に相手に伝える能力を高めることに重点を置いている。主
な方策は班活動での話し合い、ワークシートを使用したときの個人発表などの学習である。今回は個人
の発表力とともに班活動において、いかに自分の意見を主張できるかを見たい。また他者の意見を尊重
し、班員とともに意見を集約して班としての意見を出せるかにも注目したい。
(ICT活用の視点)
本校では昨年からICT活用環境が整備され、デジタル教科書や映像資料を使った授業が充実してき
た。社会科は以前からパソコンを使用し、多くの資料を提示してきたが、デジタル教科書が導入された
ことにより、教科書の資料をより効果的に使用できるようになった。動画などの視覚的効果はもちろん
のこと、写真やグラフなど生徒の手元にある資料を大画面で詳しく説明できるようになり読解力の指導
にも効果的である。
6.単元の目標
(節全体)
・明治新政府の諸改革の特色を考えさせる。
・明治維新によって近代国家の基礎が整えられ、人々の生活が大きく変化したことを理解させる。
・立憲制国家が成立して日本の国際的地位が向上したことを理解させる。
(単元)
・新政府の諸政策の内容を理解するとともに、諸政策が日本の近代化の成立にどのような影響をもたら
したかを考察し、表現させる。
7.評価規準
ア
社会 的事象への関
イ
社 会的な思考・ 判
ウ
資料活用の技能
エ
社会的事象について
心・意欲・態度
断・表現
の知識・理解
・明治維新の経緯や改革
・新政府の諸改革の特色
・富国強兵・殖産興業政
・明治維新によって近代
の内容、人々の生活の変
を、多面的・多角的に考
策、文明開化などを通し
国家の基礎が整えられ、
化に対して関心を高め、 察し、公正に判断して適
て、人々の生活が大きく
人々の生活が大きく変化
意欲的に追究している。 切に表現している。
変化したことを江戸時
したことを理解し、その
章全体の
・自由民権運動から憲法
代と比較してまとめて
知識を身に付けている。
評価規準
制定までの時期につい
いる。
・日本で議会政治が始ま
て多面的・多角的に考察
・自由民権運動、憲法の
るとともに、日本の国際
し、適切に表現してい
制定について、適切な資
的地位が向上したことを
る。
料から読み取ったりま
理解し、その知識を身に
とめたりしている。
付けている。
単 元 の
評 価 規
準
・新政府が行った諸改
・明治維新の諸改革の
革を様々な立場から
内容を理解し、その知
考察し、公正に判断し
識を身に付けている。
表現している。―①
―①
8.本時の指導
1)本時の単元
明治新政府の指導者になろう
2)本時の目標
・新政府の諸政策の内容を理解するとともに、諸政策が日本の近代化の成立にどのような影響をもたら
したかを自分なりに考察し、根拠をもとに説明させる
3)本時の展開
学習活動
確実な定着へのアプローチ
指導者の動き
Cの状況の生徒への手立て
導
・明治維新における新政 ・デジタル教科書、 ・教師の資料提示の前に
入
府の改革をおおまかに振 パワーポイントを 教科書を確認させる。
り返る。
A視点
B規準
使い資料を掲示。
7
・本時の学習のめあてを 【ICT】
分
聞く。
(課題)あなたは明治新政府の指導者です。安定し
た政権を築くために、①廃藩置県②学制③徴兵令④
・個人で宿題のワークシ ・机間指導でアド
ートに書いた結論と根拠 バイスなど支援を
を確認する。
評価規準
行う。
四民平等⑤地租改正⑥殖産興業の政策を考えまし
た。あなたなら、どの政策を優先して実行しますか。
1 つ選びなさい。
・他の政策の
展
・4 人班になり、個人の
・消極的な場合、根拠を メリット、デ
意見を班で発表しあう。
しっかりと声に出して メ リ ッ ト な エー①
発表するように指示す ど を 踏 ま え
開
る。
ながら、根拠
を表現でき
・それぞれの個人の意見 ・しっかりとした
る。
(個人)
36
をもとに話し合いをし、 根拠を考えさせる
分
グループとして政策を選 ため、個人の選択
・他の政策の
択する。ワークシートと した政策の根拠の
メリット、デ
ホワイトボードに結論と 対比などもするよ
メリットな
根拠をまとめる。
どを踏まえ
う指示する。
ながら、根拠
を表現でき
る。
(班)
イー①
ま
・班学習と発表について ・正解はないので、
と
の教師の講評を聞く。
根拠や発表の良い
め
点や課題について
5
のみ言及する。
分
4)本時の言語活動
(個人)課題に対する結論と根拠をわかりやすく説明する。
(班)個々の意見を集約し、班としての意見をまとめ発表する。
5)本時のICT活用
・デジタル教科書「新しい社会」歴史(東京書籍)
・パワーポイント(自作資料)
6)準備物
【教師】 電子黒板掲示用資料・ワークシート
【生徒】教科書・ノート・資料集
7)多く出ることが予想される生徒の根拠
①学制を選択した場合
根拠⇒教育は優秀な人材を育成するために必ず必要である。多くの優秀な人材が出てくれば、産業の発
達や科学の進歩により国の近代化を進めることにつながるため。
②徴兵令を選択した場合
根拠⇒江戸末期に欧米の軍事力により不平等条約を結ばされた。徴兵令により強い軍隊を作り、国防を
優先して日本の国益を守ることが必要であるから。
③地租改正を選択した場合
根拠⇒明治新政府にとって、当初の財政は苦しかった。地租改正によって現金収入が増え、国家予算の
大部分を補った。様々な政策を実施するには国家予算が何よりも大事だから。
④殖産興業を選択した場合
根拠⇒日本は江戸時代の鎖国により、欧米諸国に比べ産業革命が大幅に遅れた。まず、国力をつけるに
は産業の基盤をつくることである。それにより経済も安定し、欧米諸国に対抗できるようになるのでは
ないか。
*廃藩置県と四民平等は選択されることが少ないと予想する。明確な国力つけるための根拠が見いだし
にくいと予想する。
社会科歴史ワークシート
明治新政府の指導者になろう
(課題)あなたは明治新政府の指導者です。安定した政権を築くために、①廃藩置県②学制③徴兵令④
四民平等⑤地租改正⑥殖産興業の政策を考えました。あなたなら、どの政策を優先して実行しますか。1 つ
選び根拠を述べなさい。
《個人》
結論
根拠
根拠の参考とした資料
《班》
結論
根拠
根拠の参考とした資料
3年(
)組(
)番(
)