2Ja・6 割り箸木炭の特性評価-除湿、 消臭、 浄水効果 〇牧野かおり

第53 回 大 会 〕
2Ja- 6
住 居
割り箸木炭の特性評価一除湿、消臭、浄水効果
○牧野かおり 大村道雄 (イ言州大学)
目 的】 近 年 、 健 康、 環 境 の 観 点 か ら 木 炭 の効 能・ 用 途 が 見 直 さ れ、 環 境 浄 化 、 室 内 環 境 調 整 、 健
康グ ッ ズ 等 様 々 な 利 用 法 が 広 ま っ て い る 。 特 に 備 長 炭 に 代 表 さ れ る 白 炭 や 竹 炭が 注 目 さ れ、 高 値
で 売 買さ れ て い る 。 日 本 食 文 化 の 象 徴 的 な 存 在 と し て 日 々 大 量 に 使 用 さ れて い る 割 り 箸 は 燃 え る
ゴ ミ と し て 焼 却 処 理さ れ てい る 。 割り 箸を 炭 に す れ ば 、 ゴ ミ と し て 焼 却 に 要 する 熱 エ ネ ル ギ ー を
木 炭 の エ ネ ル ギ ー に 変 換 し 、 多 様 な 用 途 に 利 用 し た 上 、 最 後 は 土 に 戻 す こ と で 、 完 全 自 然 還元 の
リ サ イ ク ル が 可 能 で あ る 。 割 り 箸 木 炭 の効 能 を 白 炭 及 び 黒 炭 と 比 較 評 価 し 、 そ の 実 用 性 を 探 り 、
安 価 で エ コ サ イ ク ル に も つな が る 割り 箸 木 炭 造り を 広 め る た め の 根 拠 を 得る こ と を 目 的 と する 。
方 法 】 割 り 箸 木 炭 の 簡 易 製 造 法 を 確 認 し 、 除 湿 、消 臭 、 浄 水 効 果 を コン ト ロ ー ル 、 白 炭 、 黒 炭 と
比 較 し 、 割 り 箸 木 炭 の 特 性 を 評 価 する 。 比 較評 価 は 木 炭 の 種 類 に ご と に 使 用量 の 違 い と 除 湿 、 消
臭、 浄 水効 果 の 実 験 結 果 か ら 行 っ た 。
結 果 】 除 湿 効 果 が 高い の は 白 炭 、 割り 箸 炭 、 や や劣 っ て 黒 炭 の 順 で 、 白 炭 と 割り 箸 炭 の 差 は 少 な
い 。 使 用 量 を 増 加さ せる と 、 効 果 は い っ そ う 高 まり 白 炭 と 割 り 箸 炭 の 差 は 殆 ど 見 ら れ な く な る 。
消 臭 効 果 は 、50 分 後 の 測 定 値 比 較 に よ る と 白 炭 、 割り 箸 炭 は 同 程 度 で 初 期 濃 度 の1/8 、 黒 炭 が
や や 劣 る 程 度 の1/7 ま で 低 下さ せ た 。 3 者 の 差 は 殆 どな い 。 浄 水 効 果 で は 、 白 炭 及 び 割 り 箸 炭 が
水 道 水 と 河 川 水 に対 し てpH を 中 性 か ら 弱 ア ル カ リ に 変え 、残 留 塩 素 を 減 少 さ せ 、 洗 濯 排 水 に 対 し
て は ア ン モ ニ ア を 減 少さ せ た 。 CODや 電気 伝導 度 に 関 し ては。、 明 確な 結 果 は 得 ら れ な か っ た 。
割り 箸 炭 の 諸 効 果 は 白 炭 並 みで あ り 、 実 用性 が 十 分あ るこ と が 確 認さ れ た 。
2Ja-7
災観 生直後の被災者個々人に対応した情紘 達システム
○ 伊 村 則 子* 石 川 孝重** ( *武 蔵 野 女大 短 大*
の賤
*日本 女 大)
目 的 阪 神 ・ 淡 路 大 震災 で は , 混 乱 状 況 下 で 身近 な 通 信 手 段や 情報 収 集 手 段 は 機 能し
な く な り , と り わけ 災 害 弱 者 のニ ー ズ や 被災 者 個 々人 の情 報 ニ ー ズ へ の対 応 が 困 難 で あ っ
た。 従 来 か ら の 避 難 所 を 中 心 とす る 情 報 伝 達 に 加え て , 何 ら か のサ ポ ー ト 機 関 ・ 拠 点 が 被
災 者 個 々 人 に対し て 必 要 にな る 。 そ こ で ,平 時 か ら有 機 的 に つな がり 個 別 的 に 情 報 を や り
と りし て い る 既 存 シ ス テ ム とし て , 郵 便 局 の 郵 便 配達 シ ス テ ム に注 目 し , こ れ を 災 害 時 に
応 用 す る こ と を 考 え , シ ス テ ムの 構 想 と そ の実 現 性 につ い て 検 討し た 。
方 法 郵 政 省 及 び 被災 地 の郵 政 関 係 の 役職 者 に対 す るヒヤリン グ調査 と と も に , 報 告 書 等
の文 献 調 査 か ら , 大 震災 時 の状 況 を 明 ら か にし , 本提 案 の 有 用 性と 実 現 性 を 検 証し た 。
結 果 本 震 災 時 の 郵 政 関係 の 事 例 を「 防災 拠点 とし て の 郵 便局」「 配 達 業 務 か ら みた 状
況( 郵便 物 ・ 救 援 物 資 の 流 れ, 職 員 確 保 , 応援 職員 制 度 の 導 入, 業 務 負 担 の 軽 減)」「 郵 便 職
員 の区 域 や 住 民 の 把 握 状況」「 配達 原 簿 の 状 況」「平 時 か ら の 配達 員 と 地 域 と の 関 わ り 方」「 被
災 者 の情 報ニー ズと 配達 員 か ら の伝 達」「 安 否 確認 と し て の 情 報 活用」 によ り 分 析し , 自 然 発
生 的 に配 達 員 と 被災 者 が 情 報や も の のや り とり を 行 い , さ ら に既 に平 時 か ら 行 わ れ て い る
施 策( 配 達 員 が 状 況 に応 じ て 市 民 一 人 一 人 に対 応 す る「 ひ ま わ りサービス」「 声 か けサー ビス」) も あ
る こ と が わ か っ た 。 こ のよ う にエンドニースに 焦点 を あ て て 検 証し た 結果 , 郵 便 配 達システム を 利
用 し た 市 民 個 々 人 か ら国 全 体 ま で を 包括 し た災 害 時 の 本 情 報 伝達システム は 有 用 性 と 実 現 性 が
高 く , 特 に 被 災 者個 々 に有 益 で あ る こ と が わか っ た 。 ま た 本 提案 の実 施 に あ たっ て , 配達
原 簿 の 扱 い な ど 関 係 機 関と の調 整 や 制 度化 な ど 実 現 の た め の 課題 につ い て も 明 ら か にし た 。
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