【四半期レポート】日本株の投資環境と相場見通し

2015年10月
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四半期レポート
日本株の投資環境と相場見通し
フィデリティ投信株式会社
中国の景気減速懸念や米国での利上げの不透明感などにより足元で日本株相場は調整しています。
当資料では、日本株の最近の相場動向や、今後の投資環境、相場見通しなどについてご説明いたします。
【最近の日本株相場動向】
 日本株相場は、中国の景気減速懸念や世界的なデフレ懸念などから足元で調整しています。
 過去1年の相場を見ると、2014年4月からの消費増税の悪影響はありましたが、企業業績の拡大、雇用状況
の改善、海外からの旅行者増加なども含めた国内消費の拡大などから、2015年7月頃までおおむね堅調に
推移しました。8月に中国が人民元を切り下げたことや、中国本土株式相場の下落などの影響から、世界的に
リスク回避の動きが強まり、日本株相場も下落しました。しかし、日本企業の業績はこれまでのところ底堅く
推移しており、徐々に落ち着きを取り戻しています。
過去3年
日本株相場と米ドル円の推移
東証株価指数(左軸)
日経平均株価(左軸)
ラッセル野村中小型インデックス(左軸)
米ドル円(右軸)
260
240
(円)
130
140
過去1年
東証株価指数(左軸)
日経平均株価(左軸)
ラッセル野村中小型インデックス(左軸)
米ドル円(右軸)
(円)
(円)
130
130
220
200
120
120
180
100
160
110
140
120
110
100
100
80
12年9月
13年9月
14年9月
70
15年9月
90
14年9月
15年3月
100
15年9月
(ご参考:実数値)
12年9月末
14年9月末
15年9月末
過去3年
過去1年
968.8
1,812.0
1,964.6
103%
8%
東証株価指数(配当金込)
8,870.2
16,173.5
17,388.2
96%
8%
日経平均株価
316.8
598.8
674.7
113%
13%
ラッセル野村中小型
77.6
109.5
120.0
55%
10%
米ドル円
(注)Bloombergなどよりフィデリティ投信作成。過去3年は2012年9月末~2015年9月末、過去1年は2014年9月末~2015年9月末。株価は期間初を100とし
て指数化。東証株価指数とラッセル野村中小型インデックスは配当金込。米ドル円は実数値。
 業種別騰落率では、運賃値上げや羽田空港発着枠拡大の恩恵が期待される「空運業」、消費増税後の
悪影響が薄れ、訪日外国人の消費などの恩恵を受ける「小売業」、スマートフォン向けの事業拡大が期待
されるゲーム関連企業が含まれる「その他製品」などが上位となりました。
 一方、中国の景気減速などから受注の減少が懸念された「機械」、鋼材需給の緩和から業績悪化が懸念
された「鉄鋼」、原油価格下落により資源開発ニーズの減少が懸念された「鉱業」などが下位となりました。
180
東証業種別株価指数の上位、下位各3業種の推移
160
空運業 135.3
140
小売業 134.6
その他製品129.7
120
100
機械 84.6
80
鉄鋼 76.9
鉱業 69.8
60
14年9月
14年12月
15年3月
15年6月
(注)Bloombergよりフィデリティ投信作成。2014年9月末~2015年9月末。期間初を100として指数化。
1
上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
最終ページを必ずご確認ください。
15年9月
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日本株の投資環境と相場見通し
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【環太平洋パートナーシップ(TPP)やコーポレートガバナンスの強化で期待
される日本経済の活性化】
 TPP協定が交渉参加国の間で大筋合意に達しました。競争力のある日本企業は、海外市場へ進出しやすく
なるなど、これまで以上に事業を拡大できる機会が広がります。一方、外国企業の日本市場への参入も増え
ると見込まれることから、競争力の劣る企業や事業分野は戦略の見直しが必要になると見込まれます。
 事業構造の見直しの過程で、低収益事業からの撤退や合併・買収(M&A)などによる業界再編が進むと見込
まれ、結果的に自己資本利益率(ROE) * などの収益性向上につながっていくと期待されます。これらは、
中長期的に日本株投資の魅力を高めると考えられます。
*自己資本利益率(ROE)とは、利益を自己資本(資本金と内部留保などの合計)で割った比率。株主が企業に投資しているおカネを、企業が業務によっ
て何%の収益率で回しているか、を示す。投資に おける利回りに相当し、企業の収益力を表す指標。
 また、今年の6月にコーポレートガバナンス・コードが策定された後、2名以上の独立社外取締役を選任する
企業や自己株式の取得額が増えるなど、日本企業の経営に変化が見られます。今後もさらなる企業価値の
向上に向けた取り組みが期待されます。
TPPの主な合意内容
・貿易(モノとサービス)の関税撤廃
・外資規制の撤廃
・投資の自由化
・公的部門の調達の自由化
・原産地規則の統一
・知的財産権の保護など
日米欧のROE改善幅
(2012年12月末と2015年9月末の差)
日本のROEと株価の推移
15%
120
ROE(左軸)
110
4.1
100
株価(右軸)
10%
日本
90
80
70
5%
米国
‐0.3
60
50
0%
40
30
欧州 ‐1.1
20
-5%
88年12月
93年12月
98年12月
03年12月
08年12月
13年12月
‐2
(注)RIMESなどよりフィデリティ投信作成。期間:1988年12月末~2015年9月
末。ROEと株価はMSCI日本指数。株価は期間初を100として指数化。
60%
50%
2名以上の独立社外取締役を
選任する企業の割合
2
4
6
(ポイント)
(注)RIMESなどよりフィデリティ投信作成。ROE改善幅は、2012年12月末と
2015年9月末の差。MSCI各指数。
(億円)
10,000
48.4%
0
企業の自己株式取得額
8,216
8,000
40%
6,000
30%
4,119
21.5%
4,000
20%
3,325
2,624
2,000
10%
2,125 1,926
0
0%
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
(注)東京証券取引所よりフィデリティ投信作成。2015年は2015年7月14日まで
に提出されたコーポレートガバナンス報告書ベース。東証1部上場企業対象。
2
3,527
13年
14年
10‐12月期 1‐3月期
14年
4‐6月期
14年
14年
15年
7‐9月期 10‐12月期 1‐3月期
15年
4‐6月期
(注)Bloombergなどよりフィデリティ投信作成。自己株式取得額は会社発表
値。東証1部上場企業対象。
上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
最終ページを必ずご確認ください。
2015年10月
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日本株の投資環境と相場見通し
フィデリティ投信株式会社
【主要国・地域の企業業績と株価関連指標】
 日本企業の業績は、消費増税の悪影響が一巡したことや、原油安などから堅調に推移する見通しです。
予想株価収益率を、主要国・地域や過去の平均と比較すると、日本は割高な水準ではなく、7月以降の
株価下落を考慮すると上昇余地が十分にあると考えられます。
主要国・地域の企業業績伸び率
主要国・地域の予想株価収益率(PER)
(倍)
18
16
(15.7)
15.6
(14.1)
14
13.8
12
12.9
(12.5)
(12.0)
11.4
10
8
日本
(注)Bloombergよりフィデリティ投信作成。2015年~2016年の企業業績伸
び率。MSCI各国・地域のインデックスを使用。日本は円ベース、米国は米
ドルベース、欧州はユーロベース、アジア・パシフィック(除く日本)は米ドル
ベース。企業業績は予想1株当たり利益。
米国
欧州
アジア・
パシフィック
(除く日本)
(注)RIMESよりフィデリティ投信作成。MSCI各国・地域のインデックスを使用。
2015年9月末時点、12カ月先予想ベース。━とカッコ内の数値は過去10年間
の平均値(月次ベース)。 株価収益率(PER)とは、企業の利益と株価の関係
を表す指標。一般に、PERが低いほど利益に対して株価が割安と考えられる。
 今後の企業業績を見る上で、中国など、新興国の景気減速の影響を見極める必要がありますが、中長期
的により重要なことは、個別の企業の収益性改善に向けた取り組みです。日本企業の自己資本利益率
(ROE)は、安倍政権(第2次)発足時と比較して、景気回復に伴い大きく改善しています。成長のための
投資や合併・買収(M&A)、増配、自己株式取得などを戦略的に行う企業がより高い評価を受けると考えら
れます。
主要国・地域の自己資本利益率(ROE)
(%)16
主要国・地域の株価純資産倍率(PBR)
(倍)
3
(14.3)
(13.0)
12
13.7
11.3
8.4
10.0
8
2.6
(12.9)
(2.5)
2
1.7
(1.4)
(6.7)
1
4
0
(1.9)
(1.8)
1.4
1.2
0
日本
米国
欧州
アジア・
パシフィック
(除く日本)
日本
米国
欧州
アジア・
パシフィック
(除く日本)
(注)RIMESよりフィデリティ投信作成。MSCI各国・地域のインデックスを使用。 (注)RIMESよりフィデリティ投信作成。MSCI各国・地域のインデックスを使用。
2015年9月末時点。━とカッコ内の数値は過去10年間の平均値(月次ベース)。 2015年9月末。━とカッコ内の数値は過去10年間の平均値(月次ベース)。株
価純資産倍率(PBR)とは、企業の純資産と株価の関係を表す指標。例えば、
PBRが1倍を下回ると、1株当たり純資産が株価を上回り、継続的に事業を行
うより、解散した方が株主の利益になることから、PBR1倍が理論的な株価の
下限と考えられる。
3
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日本株の投資環境と相場見通し
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【主要投資部門別売買動向】
 2015年2~5月の間に約3.7兆円という大幅な買い越しとなった海外投資家は、8~9月には一転して約3.7
兆円の大幅な売り越しとなりました。中国の景気減速懸念などから世界的にリスク回避の流れが強まりま
した。一方、年金資金と見られる信託銀行は7~9月期に1兆円を上回る買い越しとなりました。また事業
法人も、同期間に1兆円を上回る買い越しとなりました。中期経営計画などで自社株買いを公表する企業
もあり、株主還元強化の動きの一環として注目されます。
主要投資部門別売買動向
個人(左軸)
(億円)
海外投資家(左軸)
事業法人(左軸)
信託銀行(左軸)
投資信託(左軸)
東証株価指数(右軸)
(ポイント)
1,800
30,000
1,700
20,000
1,600
10,000
1,500
1,400
0
1,300
‐10,000
1,200
‐20,000
1,100
‐30,000
1,000
14年10月
15年1月
15年4月
15年7月
(注)東京証券取引所、RIMESよりフィデリティ投信作成。二市場一・二部等の売買代金。2014年10月~2015年9月。東証株価指数は月末値。
【今後の日本株相場見通し】
 中国景気の減速リスクとそれが世界経済に及ぼす影響は大きな懸念材料として残りますが、世界の景気
が腰折れてしまう様な厳しい状況は避けられると見ています。米国経済が支えとなって、緩やかながらも
拡大基調は維持されると考えています。
 日本の株式市場における固有のプラス材料は、企業統治改革を背景として収益力の向上や資本効率の
改善を目指す、個別企業の動きです。企業の競争力向上と株式市場の活性化に向けた一連の施策は、
アベノミクスの中でも出色の成果を挙げていると評価できます。自己資本利益率(ROE)や1株当たり利益
(EPS)などの数値が、今後数年間掛けて具体的にどれだけ改善していくのかが注目されます。
 海外景気の減速を受け、日本の企業業績も全体として若干の下方修正は必要となりそうです。しかし、
現状の日本株相場は、かなりの悲観シナリオまでを織り込んでいると考えられ、実際のファンダメンタルズ
と比較して既に割安な水準にあると判断されます。
4
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ご投資された金額を下回ることもあります。又、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、
取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては目論見書や
契約締結前交付書面を良くご覧下さい。
●ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。
・申込時に直接ご負担いただく費用:申込手数料 上限 4.32%(消費税等相当額抜き4.0%)
・換金時に直接ご負担いただく費用:信託財産留保金 上限 1%
・投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用:信託報酬 上限 年率2.0844%(消費税等相当額抜き1.93%)
・その他費用:上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等で
ご確認ください。
ご注意)上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率に
つきましては、フィデリティ投信が運用するすべての公募投資信託のうち、徴収する夫々の費用における最高の料率を
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信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前に良く目論見書や契約締結前交付書面をご覧下さい。
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加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
5
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