アニュアルレポート2015「ユナイテッドアローズグループの財務・資本政策」

ユナイテッドアローズグループの財務・資本政策
「持続的な業績向上」および「資本政策の充実」とそれらに伴う「資本効率の向上」を図ることで
全てのステークホルダーの皆様の価値向上を目指します。
当社では、お客様価値、従業員価値、取引先様価値、社会価
に、単年度においても連結ROE20% 以上を目指すことで資本効
値、株主様価値の 5 つの価値を等しく高めることを経営理念体
率の維持・向上を図ります。機動的な財務・資本政策を遂行す
系の1つである「社会との約束」に掲げています。
ることにより営業活動を支えるとともに、資本効率の向上を目指す
この実現に向け、第一に持続的な成長・業績の向上を目指し
ことで全てのステークホルダーの皆様の価値向上を目指します。
ます。業績の向上によって得られたキャッシュについては、中長
取締役 専務執行役員
期的な成長に向けた投資に活用すると同時に、配当の充実や自
管理本部担当 兼 IR 室担当
己株式取得によって資本政策の充実を図ります。これらの施策
小泉 正己
によって、長期ビジョンで掲げた売上・利益目標を目指すととも
連結ROE20% 以上の目標について
当 社では、長 期ビジョンにおいて、売 上・ 利 益 に 加え連 結
場合、中長期的には手元キャッシュが拡大していくことが見込まれ
ROE20% 以上の目標を掲げており、ROE 目標については単年度
ます。これらを元に機動的な自己株式取得を実施することにより、
においてもクリアすることを目指します。当社は衣料品専門店とし
連結ROE20% 以上の維持は可能と考えます。当社の ROE は、過
て、新規出店および既存店へ積極的な投資を行うほか、中長期成
去の実績を見ても低迷期を除き概ね20% 超で推移しており、今後
長を見据えた IT 投資等を行うことで、持続的な成長を目指してい
においても成長と還元のバランスを勘案した場合、適切な設定と
ます。加えて配当性向 30% を目処に安定的な配当を行うことで、
とらえています。なお、環境や戦略の大幅な変化があった場合に
利益還元の充実を図っています。継続的な設備投資や配当を
は、ステークホルダーの皆様の長期的な価値向上を踏まえた上
行った上でも、長期ビジョンに沿った順調な成長が実現した
で、設定を変更する可能性があります。
自己株式取得の実施
2015 年 3 月期につきましては、円安や消費増税への打ち手が
0 . 3 倍と十分安全な範囲であり、かつ当社のキャッシュ・フロー
遅れたことで減益決算となり、
「持続的な業績の向上」が適わ
状況から数年での返済が可能と考えます。取得した自己株式
ない 期となりました。これにより2015 年 3 月期 の ROE 水 準 が
につきましては、企業価値そしてステークホルダーの皆様の価
18 % 程度になることが見込まれましたので、本来数年後の実
値が向上するような業務資本提携、M&A 等に活用することを
施を予定していた自己株式取得の時期を繰り上げ、2015 年 2
念頭に置きつつ、一定期間そのような使途がないと判断した
月∼ 4 月にかけ、約 60 億円分、163 万株(発行済株式総数の
場合には消却を検討します。また、適宜株式分割を実施するこ
4 . 3 % )の自己株式取得を実施しました 。この結果、連結 ROE
とにより、自己株式取得に伴う流動性の低下を抑制します。
は 20.2%となりました。自己株式取得に当たっては、すべて銀行
*1
*1
2015年 3月末までの取得株数は 1,259,100株、取得価額は約 46億円となります。
借 入を元に実 施しましたが、2015 年 3 月末の D / E レシオは
売上高・経常利益の推移
億円
160
1,500
120
1,000
80
500
40
売上高(左軸)
(3月期)
配当性向
1株当たり配当金(円)
ROE
*
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
10.3%
10.9%
11.8%
27.6%
82.8%
84.2%
29.9%
22.7%
23.0%
26.9%
39.1%
8.0
10.0
10.0
25.0
25.0
28.0
29.0
36.0
53.0
67.0
78.0
20.2%
28.0%
21.8%
18.8%
5.6%
6.1%
18.7%
29.2%
32.7%
27.8%
20.2%
2005年 3月期までは単体のみのため単体実績、以降は連結となります。1株当たり配当金は株式分割を勘案した金額となっています。
20
経常利益(右軸)