日本株四半期レポート 販売用資料 日本株相場の投資環境と相場見通し 2016年1月 フィデリティ投信株式会社 2015年の日本株相場は、堅調な企業業績の伸びを背景に概ね堅調に推移し、暦年では東証株価指数では4年連続 の上昇となりました。当レポートでは、過去1年の振り返りや、足元の相場下落、今後の見通しなどについてご説明い たします。 主なポイント 2015年の日本株相場動向 過去3年で日本経済はどう変わったか? 高まる株式投資の魅力 今後の日本株相場見通し 【2015年の日本株相場動向】 2015年の日本株相場は、企業業績の拡大や、コーポレートガバナンスに前向きな動きが広がったこと等から概ね 堅調に推移しました。8月には、中国が人民元の対米ドルレートを切り下げたことから大きく調整する局面がありま したが、米国を中心とした先進国の堅調な景気等を受けて反転しました。年末には米国が約9年半ぶりに利上げ に踏み切りましたが、不透明感が払拭され相場は上昇しました。 日本株相場と米ドル円の推移 130 東証株価指数(配当金込)(左軸) ラッセル野村中小型インデックス(左軸) (円) 130 日経平均株価(左軸) 米ドル円(右軸) 120 125 110 120 100 90 80 14年12月 中国が人民元の 対米ドルレート 切り下げ 8月11日 コーポレートガバ ナンス・コード施行 6月1日 米国が約9年半 ぶりに利上げ 12月17日 115 110 15年3月 15年6月 15年9月 15年12月 (注)Bloomberg、RIMESなどよりフィデリティ投信作成。2014年12月末~2016年1月20日。期間初を100として指数化。米ドル円は実数値。 (ご 参考:実数値) 東証株価指数(配当金込) 日経平均株価 ラッセル野村中小型 米ドル円 14年12月末(A) 1,925.5 17,450.8 641.7 120.6 15年12月末(B) 2,157.8 19,033.7 738.7 120.6 (B)/(A) 12.1% 9.1% 15.1% 0.0% 海外での収益拡大期待が高まった水産・農林業や、新薬開発の進展が見込まれる医薬品、訪日外国人需要の 恩恵を受ける小売業などが相対的に大きく上昇しました。 一方、原油価格の下落や中国の景気減速、中国での過剰生産体制などから、鉱業、海運業、鉄鋼などが大きく下 落しました。 東証業種別株価指数の上位、下位各3業種の推移 160 140 水産・農林業140.8 医薬品 132.6 120 小売業 128.8 100 鉱業 94.7 80 60 14年12月 海運業 83.2 鉄鋼 80.8 15年3月 15年6月 15年9月 15年12月 (注)Bloombergよりフィデリティ投信作成。2014年12月末~2015年12月末。期間初を100として指数化。 1 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 日本株四半期レポート 販売用資料 日本株相場の投資環境と相場見通し 2016年1月 フィデリティ投信株式会社 【過去3年間で日本経済はどう変わったか?】 第2次安倍政権発足前後からの市場データ、 経済関連指標等の変化 右上グラフに見られるように、第2次安倍政権 発足前後からの約3年間で、経済環境は概ね 改善傾向となりました。 90% 企業収益の改善などを背景に、株価は大きく 83.1% 80% 上昇しました。また、コーポレートガバナンス・ コードなどが策定され、企業の配当も大きく伸 びています。 70% 60% 一方、賃金や物価については、今後の上昇が 59.1% 50% 期待されます。 左下グラフに見られるように、経済団体連合 40% 会のアンケートでは、2015年1-6月に回答企 業の6割以上で昇給とベースアップを共に実 施、3割以上の企業で昇給を実施しています。 30% 39.1% 27.3% 20% 10% また、右下グラフに見られるように、最近では、 4.2% 5.9% 0.8% 0% 企業が設備投資を国内で増やしていることが 伺えます。 経常利益 物価 賃金 GDP 株価 配当 米ドル円 (注)Bloomberg、RIMES、会社四季報、厚生労働省、内閣府、総務省などよりフィデリ ティ投信作成。各項目の比較データは、経常利益は3月期決算企業の2012年度と2015 年度予想(データ取得可能な銘柄ベース)、物価は消費者物価指数総合の2012年12 月と2015年11月、賃金は現金給与総額の賃金指数の2012年7-9月期と2015年7-9月 期、GDPは名目GDPの2012年7-9月期と2015年7-9月期、株価は日経平均株価の 2012年12月末と2015年12月末、配当は東証1部企業の2012年と2014年(データ取得可 能な銘柄ベース)、米ドル円は2012年12月末と2015年12月末。 消費や設備投資の拡大によって、景気の持続 的な拡大に繋がっていくかが注目されます。 上昇が期待される賃金 国内回帰が見られる設備投資 昇給・ベースアップ共に実施(左軸) 昇給実施、ベースアップなし(左軸) 昇給、ベースアップ共になし(左軸) 月例賃金の引き下げ(左軸) 30% 国内 海外 20% 賃金引上げ率(右軸) 2.4% 100% 10.7% 2.5% 10% 80% 0% 64.8% 2.0% 60% -10% 35.2% 40% 1.5% -21.5% -30% 20% 0% 0% 0% 2011 2012 2013 2014 (注)経済団体連合会よりフィデリティ投信作成。2011年~2015年。 2 -20% 2015 1.0% (年) -40% 12年 10-12月 13年 10-12月 14年 10-12月 (注)財務省、経済産業省よりフィデリティ投信作成。2012年10-12月~2015 年7-9月。前年同期比増減率。 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 日本株四半期レポート 販売用資料 日本株相場の投資環境と相場見通し 2016年1月 フィデリティ投信株式会社 【高まる株式投資の魅力】 国債の利回りが歴史的低水準の中、予想配当利回りと10年国債利回りの差は、過去20年で最大の水準に拡大 しています。割安感の強まった株式への資金流入が期待されます。 利回り比較【株式と国債】 (%) (%) 予想配当利回り-国債利回り(右軸) 予想配当利回り(左軸) 国債利回り(左軸) 4.0 3.5 3.0 2.0 3.0 予想配当利回りと 国債の利回りの差は 過去20年で最大の水準 1.0 2.5 0.0 2.0 1.5 「株式が割安な状態」 -1.0 1.0 -2.0 0.5 -3.0 0.0 96年1月 00年1月 04年1月 08年1月 国債の利回りは過去 最低水準 12年1月 (注)Bloombergよりフィデリティ投信作成。1996年1月末~2015年12月末。予想配当利回りはMSCI日本インデックス、国債利回りは10年国債利回り。 【中長期成長期待】 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)によって、2030年の日本経済は2014年に比べて、GDPで+2.7%(約13兆円)、 輸出は+23.2%伸びると見込まれています。 TPPの経済効果【2014年と2030年の比較】 GDPの伸び (%) 輸出の伸び 35 30 25 23.2 20 15 10 5 (注)日本経済新聞社よりフィデリティ投信作成。上記比較は世界銀行による試算。 3 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 チリ ペルー メキシコ カナダ 米国 ニュージーランド オーストラリア ブルネイ ベトナム マレーシア シンガポール 日本 0 2.7 日本株四半期レポート 販売用資料 日本株相場の投資環境と相場見通し 2016年1月 フィデリティ投信株式会社 【主要国・地域の企業業績と株価関連指標】 石油元売企業や海外に資源権益を保有する商社、鉄鉱石などの荷動き鈍化で運賃市況低迷の影響を受ける海運 など、一部の業種では悪材料を織り込んで業績見通しを引き下げる企業が見られます。しかしその他の業種では 2016年度も米国を中心とした緩やかな景気回復の影響や原油安などから堅調な企業業績の伸びが見込まれてい ます。 主要国・地域の企業業績伸び率 主要国・地域の予想株価収益率(PER) (倍) 18 16.6 16 15.0 (15.6) 14.1 (14.1) 14 12.3 (12.0) 12 (12.5) 10 8 日本 (注)Bloombergよりフィデリティ投信作成。2015年~2016年の企業業績伸 び率。MSCI各国・地域のインデックスを使用。日本は円ベース、米国は米 ドルベース、欧州はユーロベース、アジア・パシフィック(除く日本)は米ドル ベース。Bloombergによる集計。企業業績は予想1株当たり利益。 米国 欧州 アジア・ パシフィック (除く日本) (注)RIMESよりフィデリティ投信作成。MSCI各国・地域のインデックスを使用。 2015年12月末時点、12カ月先予想ベース。━とカッコ内の数値は過去10年間 の平均値(月次ベース)。 株価収益率(PER)とは、企業の利益と株価の関係 を表す指標。一般に、PERが低いほど利益に対して株価が割安と考えられる。 日本企業の自己資本利益率(ROE)は、安倍政権(第2次)発足時と比較して、景気回復に伴い大きく改善し、過去 10年の平均水準を大きく上回っています。成長のための投資や合併・買収(M&A)、増配、自己株式取得などを戦 略的に行う企業がより高い評価を受けると考えられます。 主要国・地域の自己資本利益率(ROE) (%) 主要国・地域の株価純資産倍率(PBR) (倍) 16 2.8 3 (14.2) (12.9) 12 11.2 8.5 (2.5) (12.8) 13.5 2 9.8 8 1.8 (1.4) (6.7) 1 (1.9) (1.8) 1.5 1.4 4 0 0 日本 日本 米国 欧州 アジア・ パシフィック (除く日本) 欧州 アジア・ パシフィック (除く日本) (注)RIMESよりフィデリティ投信作成。MSCI各国・地域のインデックスを使用。 2015年12月末。━とカッコ内の数値は過去10年間の平均値(月次ベース)。 株価純資産倍率(PBR)とは、企業の純資産と株価の関係を表す指標。例え ば、PBRが1倍を下回ると、1株当たり純資産が株価を上回り、継続的に事業 を行うより、解散した方が株主の利益になることから、PBR1倍が理論的な株 価の下限と考えられる。 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 (注)RIMESよりフィデリティ投信作成。MSCI各国・地域のインデックスを使用。 2015年12月末時点。━とカッコ内の数値は過去10年間の平均値(月次ベー ス)。 4 米国 日本株四半期レポート 販売用資料 日本株相場の投資環境と相場見通し 2016年1月 フィデリティ投信株式会社 【主要投資部門別売買動向】 2015年8-9月に約3.7兆円を売り越した海外投資家は、その後の買戻しもあり、通年では約2,500億円の小幅 な売り越しとなりました。株価上昇局面で売りが目立った個人は通年では約5兆円の売り越しとなりました。一方、 自社株買いなどが活発な事業法人は約2.9兆円の買い越し、年金資金が多いと見られる信託銀行は約2兆円の 買い越しとなりました。 個人(左軸) (兆円) 海外投資家(左軸) 事業法人(左軸) 信託銀行(左軸) 投資信託(左軸) 東証株価指数(右軸) (ポイント) 3 1,800 1,700 2 1,600 1 1,500 0 1,400 1,300 -1 1,200 -2 1,100 -3 1,000 15年1月 15年4月 15年7月 15年10月 (注)東京証券取引所、RIMESよりフィデリティ投信作成。二市場一・二部等の売買代金。2015年1月~2015年12月。東証株価指数は月末値。 【今後の日本株相場見通し】 堅調な米国景気と企業統治改革の推進による収益力向上とが、日本の企業業績並びに株式市場を支えるとい う基本的な構図に変化はないと見ています。世界の金融市場の中でも、日本株は相対的に良好な位置付けに あると考えられます。 米国では、穏かなペースでの金利引上げが想定される中、多くの日本企業にとって重要な最終需要先である米 国の景気が堅調に推移するのであれば、日本の企業業績も安定的な増勢が可能になると考えられます。 中国景気については、減速は避けられないとして、失速状態にまで陥るリスクがどれだけあるのかが焦点となり ます。過剰能力に苦しむ資源・重工業関連や不動産系では投資の減退が不可避である一方、消費・サービス需 要や省力化投資などは着実な増加が想定されます。 アベノミクスによる最大の成果は、企業統治改革を背景に収益力の向上や資本効率の改善を目指す、個別企 業ごとの経営変化と言えます。持続的に見込まれるこのような流れに加え、消費や設備投資の点火によって景 気の自律的な拡大サイクルが回り始めるか否かが、第2ステージへと入ったアベノミクスにおいては注目されま す。 株価バリュエーションは割安であり、安定的な増勢を続ける企業業績に支えられた株価の伸長が見込まれます。 但し、外部環境に不透明な要因が多いだけに、相場の変動は大きくなる可能性が高いと思われます。 5 上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 最終ページを必ずご確認ください。 日本株四半期レポート 販売用資料 日本株相場の投資環境と相場見通し 2016年1月 フィデリティ投信株式会社 ご注意点 ● 当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負う ものではありません。 ● 当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。 また、いずれも将来の傾向、数値、運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。 ● 当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は 企業の株式等の売買を推奨するものではありません。 ● 当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での 使用・複製は固くお断りします。 ● 投資信託のお申し込みに関しては、下記の点をご理解いただき、投資の判断はお客様自身の責任においてなさいます ようお願い申し上げます。なお、当社は投資信託の販売について投資家の方の契約の相手方とはなりません。 ● 投資信託は、預金または保険契約でないため、預金保険および保険契約者保護機構の保護の対象にはなりません。 ● 販売会社が登録金融機関の場合、証券会社と異なり、投資者保護基金に加入しておりません。 ● 投資信託は、金融機関の預貯金と異なり、元本および利息の保証はありません。 ● 投資信託は、国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、当該 資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。従ってお客様の ご投資された金額を下回ることもあります。又、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、 取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては目論見書や 契約締結前交付書面を良くご覧下さい。 ●ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。 ・申込時に直接ご負担いただく費用:申込手数料 上限 4.32%(消費税等相当額抜き4.0%) ・換金時に直接ご負担いただく費用:信託財産留保金 上限 1% ・投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用:信託報酬 上限 年率2.0844%(消費税等相当額抜き1.93%) 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