2015 年 大学入試センター試験 英語(筆記) ■ 第2問、第3問で 2014 年追試と同じ出題形式に変更、ただし難易度は例年並み。 問題形式:大問数、マーク数、配点は昨年と同じ。全体の傾向は変わらないものの、出題形 式には一部変化があった。従来、第2問 B で出題されていた対話文問題がなくなり、2014 年 追試で出題された語句整序タイプの応答文完成問題が第2問 C で出題された。それに伴い、 以前からの語句整序英作文が第2問 B となった。また、これまで第3問 A で出題されていた 下線語句の意味類推問題は、昨年までの第2問 C と同様の対話文中の適文選択問題に 変更された。昨年出題された不要文選択問題は今年も出題されている。第4問以降に大きな 変化はないものの、第5問からイラストの出題がなくなり、また、語句の意味類推問題が第5問、 第6問、問の一部で同意表現選択として出題された。なお、総語数は昨年よりも若干増えて いる。 難易度:出題形式の変化はあるものの、全体の難易度は昨年と同程度。多少平均点は変 動することはあり得るが 120 点前後と予想される。発音・アクセント、文法・語法・語彙、会話 文の知識に加え、パラグラフの文脈把握、英文内の情報処理、説明文の読解など、幅広い 英語力を測る出題となっている。試験時間に対して総語数が多いため、時間配分等に注意 する必要がある。 ■ 大問毎の分析 【第1問】 発音・アクセント(14 点) A の発音問題、B のアクセント問題ともに昨年と同じ出題パターン。発音問題は標準的な問 題で頻出のつづりと音の出題。アクセント問題も、つづりとアクセントのルールを含む語やいわ ゆるカタカナ語の出題であった。なお問3や問4は読解で頻出の語でもあり、日頃から音読す る習慣をつけておきたい。 【第2問】 文法・語法・イディオム、整序英作文、応答文完成(44 点) A の短文完成は昨年と同じで、問8〜10 は2つの空所を埋める形式。ただ細い語法の出題も あり昨年よりはやや難化と言えるだろう。 B と C は 2014 年追試と同じ形式となり、B に語句整 序英作文が出題され、C に応答文完成問題が出題された。B の語句整序英作文は3問とも 会話文中での出題になっており、難易度は昨年並み、標準レベルの出題。C の応答文は、 会話の内容から文意を推測し、それぞれ(A)(B)のうちで不適切なものを選ぶと容易に解答でき る。本試験としては新形式であったため受験生によっては時間がかかり過ぎてしまったかもしれ ない。 【第3問】 対話文完成、段落不要文選択、意見要約文選択(41 点) A は昨年までの語句意味類推の出題がなくなり、対話文完成の形式となった。昨年までの第 2問 B と同様に、空所の後に続く手がかりを見落とさないようにする。問1では my own jacket の話になっているところ、問2では Now I know と続くところから考える。B は昨年と同じく不要文 選択。各パラグラフ冒頭部分からそれぞれの Topic を把握して、そこから各文をチェックするよ うにする。語数・難易度ともに昨年並み。C の意見要約文はこれまでの各人の賛成・反対意 見ではなく「迷信」を説明させるものであり、やや抽象的なテーマであるが、選択肢は容易であ った。 【第4問】 図表付き読解文、広告文読み取り(35 点) A は昨年と同じく図表が二つの出題で、設問も昨年同様。テーマは SNS の危険性についてで あり、読みやすい内容であった。文章中での各パラグラフの役割を意識して効率よく設問に取 り組みたい。B の広告文読み取りも従来通りのパターンだが、設問文がやや長くなっていて処 理が面倒であった。ただ難易度はどちらも昨年並みである。 【第5問】 情報把握読解(30 点) 父親と担任教師との間のメールの出題。設問からイラスト問題がなくなり、問2に下線語句の 意味を問う問題が新たに出題されている。ただ前文の good grades と後に続く loves から解答 は容易であった。難易度は、全体として昨年に比べると易しい。 【第6問】 説明文読解、パラグラフ要旨選択(36 点) Citizen Science の有用性に関する読解文。A のパラグラフ指定付きの内容一致文完成では、 下線語の意味を問う問題が新たに出題された。語彙力を試すものではなく文脈上類推するも のであり、後に続く内容から容易に解答できる。B は、コロンのついた形で選択肢が用意され ていて、これまで以上にパラグラフの役割を意識させるものとなった。全体として難易度は標準 的。 C ○ (株)市進 2015
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