数学検定 第277回準1級2次:数理技能検定 問題1 解 答 J1−2−1 1 log x +y(x +y ) > …①の表す領域を求める。 1< x 2 + y 2 かつ ② のとき 2 ①より 底に関する条件より 1 2 x2+y2 y >( x 2 + y 2 )= x + 2 2 2 2 x + y >0 かつ x + y ≠1 右辺は正より,両辺を2乗して整理すると 真数に関する条件より xy >0( 第1象限および第3象限 ) x + y >0 …② 2 2 が成り立つ。 以上より,求める領域は下の図の斜線部分で 底 x + y と1の大小関係により場合分けする。 ある。ただし,境界線を含まない。 2 2 0< x 2 + y 2 <1かつ ② のとき ①より y = −x y 1 1 2 x 2 +y 2 x + y <( x 2 + y 2 )= ②より左辺は正,よって両辺を2乗して 2 (x +y ) < x2+y2 これを整理して xy <0( 第2象限および第4象限 ) 問題2 O −1 x2+y2=1 1 x −1 5 45 27 ⑴ (答) b・c = ,c・d = ,b・d = 2 2 2 ⑤ の両辺と b の内積をとると,⑴の結果と ⑵ 条件より 5 27 AO・b =16ℓ+ m + n 2 2 ①より |b|=4,|c|=5,|d|=6 …① ②より,32ℓ+5m +27n =16 …⑥ が成り立つ。AOとBO=AO− b の大きさは 同様に,⑤の両辺と c の内積をとると 等しいので,|AO|=|AO − b| 5 45 AO・c = ℓ+25m + n 2 2 両辺を2乗して整理すると,①より 2 2 |AO| =|AO| −2AO・b +16 よって,AO・b =8 …② 同様に |AO|=|AO − c|より ③より,ℓ+10m +9n =5 …⑦ ⑤の両辺と d の内積をとると 27 45 AO・d = ℓ+ m +36n 2 2 |AO| =|AO| −2AO・c +25 ④より,3ℓ+5m +8n =4 …⑧ 25 よって,AO・c = …③ 2 ⑥×2− ⑦ より 2 2 |AO|=|AO − d|より 2 2 |AO| =|AO| −2AO・d +36 よって,AO・d =18 …④ b,c,d は1次独立 (4点A,B,C,Dが同 一平面上にない)より,実数ℓ,m,n が存在 して AO=ℓb + m c + n d …⑤ 7ℓ+5n =3 …⑨ ⑥ − ⑧より 29ℓ+19n =12 …⑩ 1 ⑨,⑩を解いてℓ= n = ,よって⑧より 4 1 m = ,これらを⑤に代入して 4 1 1 1 AO = b + c + d 4 4 4 1 1 1 (答)AO = b + c + d 4 4 4 が成り立つ。 H2701G11 J1−2−2 問題3 直線ℓに関する対称移動を f とおき,f を表す a b 行列を A = とおく。 c d ③ ,④ はすべての x,y について成り立つので ( a +1)tanθ− c =0 …⑤ b tanθ−d −1=0 …⑥ θ=0のとき,f は x 軸に関する対称移動で a −1+c tanθ=0 …⑦ 1 0 あるから,A = …① 0 −1 b +( d −1)tanθ=0 …⑧ θ≠0のとき,点P ( x ,y )の f による像を (1+ tan2θ)a + tan2θ−1=0 点Q(X ,Y )とすると 1− tan2θ a = = cos2θ− sin2θ= cos2θ 1+ tan2θ X a b x ax + by = = …② c d y cx + dy Y y +Y x +X 線分PQの中点 , はℓ上に 2 2 あるので x +X y +Y =( tanθ) ・ …③ 2 2 ⑤ × tanθ+ ⑦ より これと⑤より c = (1+ cos2θ) tanθ=2cosθsinθ=sin2θ ⑧×tanθ− ⑥ より (1+ tan2θ )d − tan2θ+1=0 1− tan2θ d = − = − cos2θ 1+ tan2θ 直線PQと直線ℓは垂直より これと⑧より,b= (1+ cos2θ) tanθ= sin2θ y −Y 1 = − …④ x −X tanθ よって,a =−d =cos2θ,b =c =sin2θ …⑨ 逆に a ,b ,c ,d を⑨で定めると,③ ,④ は ③,④に②を代入して整理すると つねに成り立つ。 y =0 { (a +1) tanθ−c } x + (btanθ−d −1) …③ x+ (a−1+c tanθ) {b+ (d −1) tanθ} y =0 よって,A = sin2θ cos2θ sin2θ − cos2θ これはθ=0のときも成り立つ。 …④ 点Xの描く軌跡は n 個の扇形の弧をつなげ た曲線であり,n 個はそれぞれ 2π ・中心A1 ,半径ℓ,中心角 n 2π 1 ・中心A2 ,半径 ℓ− ℓ, 中心角 n n k −1 2π L n = ℓ− ℓ n n k =1 n 2πℓ = 2 ( n − k +1) n k =1 n 2πℓ n( n +1) = × 2 n2 =πℓ 1+ 1 n (答)L n=πℓ 1+ … 問題4 2π ⑴ 正 n 角形の1つの外角の大きさは であ n ることに注意する。 n −1 2π ・中心An ,半径ℓ− ℓ,中心角 n n の扇形である。 半径 r ,中心角θの扇形の弧の長さは rθで あるから,求める軌跡の長さL n は 1 n ⑵ ⑴の結果より L n =πℓlim 1+ nlim n →∞ →∞ 1 n =πℓ (1+0) =πℓ L n =πℓ (答)lim n →∞ H2701G11 J1−2−3 問題5 まず総ゲーム数について考える。同じ人との ① A が (0,1,3) ,B が (0,1,5) とすると 対戦は 1 回以下だから総ゲーム数は3以下であ C の引き分け数は偶数でなくてはならず, る。 また C が負けのみになることはない。よって 総ゲーム数が0または1の場合,0ポイント C は (1,0,4)または(0,2,4)となる。 の人が少なくとも1人はいることになるが,A, 前者の場合,A対Bは3対3,B対Cは2対 B,C は3人ともポイントを獲得しているので, 4となる。 総ゲーム数は2以上である。 後者の場合,CはA,B両方と引き分ける また仮定より,ゲームを1回行うごとに,ゲー ことになるが,AとBの獲得点数の和(8ポ ムをした2人の合計ポイントは少なくとも12 イント) が C の獲得点数より大きいので不適。 ポイント増加する。3人の合計ポイントは 8+10+14=32( ポイント) だから,3ゲームは行っていないことがわかる。 よって,総ゲーム数は2である。 以下,各人の成績を ・勝ったゲームの数 α ・引き分けたゲームの数 β ・獲得した点数の合計 γ の3つの数の組(α,β,γ)で表すことにする。 ポイントから考えられる A,B,C の成績は A: (0,1,3)または(0,0,8) ② A が (0,1,3) ,B が (0, 0, 10) とすると Aの引き分けの相手は C 。 よって C は (0, 1, 9)となる。 このとき,B は負けのみであるが,B に対 する勝者がいないことになり不適。 ③ A が (0,0,8) ,B が (0,1,5) とすると B の 引き分けの相手は C 。よって C は (0 , 1 , 9)となる。 このとき,Aは負けのみであるが,Aに対 する勝者がいないことになり不適。 B: (0,1,5)または(0,0,10) ④ Aが (0,0,8) ,B が (0, 0, 10) とすると C: (1,0,4)または(0,2,4) または A,B はどちらも負けのみであり,C が2勝 (0,1,9)または(0,0,14) することになるので不適。 この中から条件を満たす成績の組み合わせを 以上より,対戦の組み合わせと結果は 探す。 A対Bが3対3,B対Cが2対4 (答)A対Bが3対3,B対Cが2対4 問題6 △OANの面積は m 1 ×m ×1× sinθ= sinθ …① 2 2 △OAP,△OPNの面積はそれぞれ 1 θ m θ ×1×m × sin = sin …② 2 2 2 2 1 θ θ m2 × m ×m × sin = sin …③ 2 2 2 2 θ m 両辺を sin (≠0)で割って 2 2 sinθ 1+ m = θ sin 2 θ θ sinθ=2sin cos を用いて整理すると 2 2 θ m =2cos −1 2 ②と③の和が①に等しいので θ (答)m =2cos −1 2 θ m2 θ m m sin + sin = sinθ 2 2 2 2 2 H2701G11 J1−2−4 問題7 log e x f (x ) = ( x >0)とおく。 x a b = b a …① y を満たす整数の組(a ,b ) (0< a <b )があれば, 両辺の自然対数をとることにより 1 e y =(x f ) b loge a = a loge b loge a loge b = a b すなわち O f )= f(b ) …② (a f )の が成り立つ。このことに注意して,y = (x グラフの概形を考える。 f(x )= 1 2 e 3 4 5 6 x よって,② を満たす整数 a ,b(0<a < b )が あれば 1− loge x x2 a < e < b より,f(x )=0となる x( >0)の値を求めると つまり,a ≦2 かつ 3≦ b が必要である。 x = e f )>0より, f(1)=0かつ x >1において (x よって,f(x )の増減表は次のようになる。 まず a =2がわかる。次に x f(x ) f´ f ) (x 0 … e … + 0 − 極大 また, x >1において,f(x )>0 および f )= − ∞, xlim (x f )=0 xlim (x →∞ →+0 loge2 2 loge4 2loge2 loge2 f f(4) = = = = (2) 2 4 4 f(2)= とグラフより f f ) f(3)> (4) > (n (n は5以上の整数) f がわかるので,(2) =f( b ) を満たす整数 b(≧3) は b =4だけである。 f ) より,y =(x のグラフの概形は次のようになる。 以上より①を満たす整数の組は (a,b) = (2,4) だけであることが示された。 H2701G11
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