麻布大学附属高等学校 自然科学部 ゲロゲロゲロッピ 徒然なる蛙の生涯 背景と目的 材料と方法 ・部活で行ったラットの透明骨格標本 の作製実験を通じて、主に骨格の構造、 硬骨と軟骨の接合の仕方、オタマジャ クシからカエルへの変態を理解する。 ・オタマジャクシおよびカエルの皮膚に適度な堅さを与えて剥皮しやすくし、98%アルコールを用いて一次固定。 固1週間後にそれらを剥皮し、内臓を除去後、 98%アルコールに1週間浸し、二次固定を行った。 ・それらをA液(0.3%アルシアンブルー/70%アルコール)と、B液(0.1%アリザリン・レッド/95%アルコール)と酢酸を 各々1 容とし、17 容の70%アルコールと混合し調整した染色液に1週間浸けた。 ・カエルの成長過程の理解する。 ・2種類の染色液がそれぞれ何に反応 するのかを知る。 ・染色液に浸漬後、1%KOH水溶液中で2日から3日間浸透・弁色をして化骨部が赤紫色、軟骨部が青色に染め 分けられた後、20%、50%、80%グリセリン水溶液に 1 日毎に親和させた。 ・完成した標本はチモールを少量添加した 100%グリセリンに保存した。 ・この実験は麻布大学獣医学部解剖 学第二研究室山本雅子教授に御協力 いただき、行われたものである。 ・完成した標本を撮影し、軟骨と硬骨の変化を観察した。 飼育 モリアオガエルを使用 6月15日孵化 7月15日 足が生える 3日程度で成体に なる 7月22日 手が生える 骨格標本 オタマジャクシ 足の生えた オタマジャクシ 成体のカエル 結果と考察 ◙飼育 足が生えるまでの期間が、生えてから成体になるまでに期間と比べて、極端に長い。 おそらく飼育環境に問題があったためであると考えられる。孵化数週間後、飼育環境を変えた結果、生育スピードが高まった。 ◙骨格標本 オタマジャクシの期間は、全体的に軟骨の割合が多く、頭蓋骨は軟骨であることがわかる。 足が生えた状態のものは、KOH水溶液に浸ける期間が長すぎたため、筋肉が溶け骨同士が分裂してしまった。 硬骨の割合が多くなっているのがわかる。軟骨は関節部に集中してきている。 成体になるとほとんどが硬骨になり、軟骨は前足の肩の関節、頭蓋骨の一部のみになっている。 軟骨を青く染めるアルシアンブルーは、軟骨内のヒアルロン酸、硬骨を赤く染めるアリザリンレッドは硬骨に含まれる カルシウムに反応して発色することが分かった。 ◙考察 軟骨は成長の過程で硬骨へ変化する。 軟骨の主成分ヒアルロン酸にカルシウムが付着し、硬くなる。これはカエル以外の生物でも同様だと考えられる。
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