基礎流体解析(松井教官) 学期末試験問題 平成 27 年 7 月 問 1 二次元ポテンシャル流れで,原点に循環 Γ がある流れを考える。この流れの周方向速度 vθ を求めなさい。求め る過程も簡潔に示すこと。 問 2 無限遠方で速度が (0, V ) である一様な流れの中に,長さ 2a の平板が位置 (-a,0) と位置 (a,0) の間に置かれてい る。このときの二次元ポテンシャル流れの複素ポテンシャルを求め,流線の概略を示せ。ただし V は正の実数値で,一 定値とする。 問 3 密度 ρ、粘度 µ の流体が速度 U で流れている中に、流れと平行に平板を置いた。この平板壁面における境界層 流れについて、以下の問に答えよ。ただし x 軸を主流方向とし、平板は y = 0 の位置に、x = 0 から x = L までを占め ているとする。流れは定常かつ非圧縮流れであるとし、この境界層は層流境界層で、運動量厚さは無次元の定数 a を用 √ µx いて θ(x) = a ρU の式で表わされるとする。また平板の z 軸方向の幅を b とする。解答は結果のみではなく、途中経 過も簡潔に示すこと。 1) 平板の片面に作用する抗力 D を求めよ。 2) y =δ において、境界層の性質から u および ∂u が満たすべき関係式をそれぞれ示せ。ただし 1 %程度の誤差は無視 ∂y してよいものとする。 3) この境界層流れの速度分布が u(y) = U {f y + gy 3 } の形で表わせるとき、係数 f, g を δ の式で示せ。 4) 上の 3) の条件のときの壁面せん断応力 τ0 を、ニュートンの粘性法則から求め、δ の式として表わせ。 5) 上の 3) の条件のときの境界層厚さ δ(x) を a, ρ, µ, U, x 等で求めよ。 問 4 以下の知識を利用して,壁法則層における速度分布が u 1 = ln y + C v∗ κ の形になることを示せ。ただし y は壁面からの距離,u は境界層のなかでの壁面に平行な速度成分,v ∗ は摩擦速度である。 ・一般に乱流の中の速度せん断力は,モデル式 τ = ρL2 | du du | dy dy で与えられる。ただし L は混合距離とよばれる変数。 ・壁面付近では L = κy の関係が成り立つ。ただし κ は定数。 ・壁法則層の中では τ は壁面でのせん断応力 τ0 に等しい。 (以上)
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