2-3 演習 電子のスピンと磁性 問題 1 同種粒子 2 つの同じ種類の量子力学的粒子がある。粒子 1、2 の位置座標を ⃗r1 、⃗r2 とし て、以下の問に答えよ。 (1) 粒子の座標を入れ替える演算子をパリティ演算子 P̂ とする。P̂ の固有値が ±1 であることを 示せ。 (2) P̂ の固有値が +1 の場合が、ボーズ粒子、−1 の場合がフェルミ粒子となる。フェルミ粒子 がパウリ原理に従っていることを示せ。 問題 2 電子間相互作用 2 つの電子 (位置座標 ⃗r1 、⃗r2 、スピン座標 σ1 、σ2 ) が、それぞれ軌道 a、 b を占有している。スピン状態は α(σi )、β(σi ) で表されるものとして、以下の問に答えよ。 (1) 二つの電子のスピンがともに上向きの波動関数を φ↑↑ と書くことにしよう。これをスレー ター行列式で示せ。 (2) 電子同士のクーロン斥力ポテンシャルは 1/|⃗r1 − ⃗r2 | に比例する。 ⟨φ↑↑ | 1 |φ↑↑ ⟩ |⃗r1 − ⃗r2 | を計算し、次式で定義される K 、J ∫ 1 ϕb (⃗r2 )ϕa (⃗r1 ) |⃗r1 − ⃗r2 | ∫ 1 ϕb (⃗r2 )ϕa (⃗r1 ) = d3 rϕ∗b (⃗r1 )ϕ∗a (⃗r2 ) |⃗r1 − ⃗r2 | K = J d3 rϕ∗a (⃗r1 )ϕ∗b (⃗r2 ) (1) (2) を用いて表せ。K はクーロン積分、J は交換積分と呼ばれる。 (3) 他のスピン配置、φ↑↓ φ↓↑ 、φ↓↓ についても同様の計算を行い、4 つの波動関数を用いて 1/|⃗r1 − ⃗r2 | を行列表示せよ。 ⃗ 1 、S ⃗2 があり、 問題 3 スピンの合成 S = 1/2 の 2 つのスピン演算子 S ⃗1 · S ⃗2 S という相互作用 (ハイゼンベルグ型相互作用) を考える。以下の問に答えよ。 ⃗1 の x、y 、z 成分の間に成り立つ交換関係を示せ。 (1) スピン演算子 S ⃗1 · S ⃗2 を z 方向をスピンの量子化軸に取って、S z や上昇下降演算子を使って書き直せ。 (2) S i (3) 2 つのスピンは、| ↑↑⟩、| ↑↓⟩、| ↓↑⟩、| ↓↓⟩ の 4 つの状態で完全系をなす。これを用いて、 ⃗1 · S ⃗2 を行列表示せよ。 S (4) この行列を対角化し、固有値と対応する固有ベクトルを求めよ。 ⃗1 · S ⃗2 を用い (5) この行列と問題 2 で得られた行列はよく似ている。電子間のクーロン斥力を S て表わせ。
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