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長岡技術科学大学開放特許
整理番号
0190
ラップ剤砥粒の回収装置及び
回収方法
発明者 田辺 郁男 井山
利用分野
・
適用製品
徹郎
ラッピング加工で使用したラッピング剤及び研磨屑からの
砥粒回収
ライセンス情報
●特許登録番号 :第5320640号
●実施許諾 :可
●登録日
:H25年7月26日 (2013年) ●権利譲渡 :可
●権利満了日
:H40年11月24日 (2028年)
事業化情報
●実施実績 無
●許諾実績 無
・発明の目的
ラップ剤溶媒や研磨屑(ラップ屑)、及び種々の砥粒を含んだラッピング加工後のラップ剤
中から、再利用可能な物質や高価な砥粒(例えば、ダイヤモンド砥粒やアルミナ砥粒)を効
率的に回収し再利用することを目的とします。
・発明の概要
この装置は、使用済み(ラッピング加工後)のラップ剤中に混在する研磨屑と砥粒に対して
超音波振動装置によって、各物質の材質や寸法に対応した共振周波数を付与・加振する
ことによって、物理的な活性状態(共振状態)を作り出してそれぞれの物質を分別・回収し
ます。
具体的には、ラップ剤分離装置の傾斜板上に載置した加工済みのラップ剤の残留物(固
体成分)に所定の共振周波数で超音波加振すると、前記固体成分を構成する一物質のみ
が共振活性状態となって分離され、ラップ屑のみが傾斜板上から振り落とされます。
これにより、前記ラップ剤の残留物中の高価なラッピング砥粒を効率的に分別・回収できま
す。
・特徴・効果
本発明は、以下の作用・効果があります。
1)ラップ剤分離装置の傾斜板上の加工済みラップ剤の残留物に所定の超音波振動を
加振することで、このラップ剤中に残留の高価なラッピング砥粒を効率的かつ確実に
回収できます。
2)また、使用済みラップ剤中の各含有成分に合わせて複数の共振周波数を特定して
傾斜板を共振させるようにすれば、ラップ剤中に複数種類(寸法)の物質が含まれて
いたとしても容易に分別・回収できます。
3)さらに、実際の加工においてラップ屑や砥粒の材質、砥粒の寸法等が変更された
としても、超音波加振時に付与する共振周波数を数値解析シミュレーションにより適宜
特定できますので、多くのラップ剤に対応できます。
発明の概要・図面等
特
許
請
求
の
範
囲
ラップ屑と少なくとも一種類の砥粒を含んだラップ剤を回収するためのラッ
プ剤分離装置であって、 基台と、前記基台に一端が枢支された傾斜板と、
前記基台の背面に取り付けられた超音波振動子を有した超音波振動装
置とを備え、
前記基台の表面には弾性体シートが貼付され、 前記ラップ剤の固体成分
である前記ラップ屑と前記砥粒との混合物を前記弾性体シート上に載置し、
前記超音波振動装置を用いて前記傾斜板と前記混合物とを加振させ、 前
記加振時の周波数は、前記混合物を構成する一の物質の物性値及び寸
法から算出された共振周波数であることを特徴とするラップ剤分離装置。
[詳 細]
図に示すように、ラップ剤分離装置10は、基台11と、基台11に一端が枢支された傾斜板
12と、基台11の背面に取り付けられた超音波振動子15aを有した超音波振動装置15と
を備えています。また、基台11の表面には弾性体シート13がさらに貼付されており、ここ
にラップ剤7の固体成分であるラップ屑9と砥粒8との混合物16が一塊になって載置し(図
1)、この状態で超音波振動装置15によって傾斜板12と混合物16とを加振します。
このときの加振周波数は、混合物16を構成する特定の一物質の物性値及び寸法から算
出された共振周波数に基づき行います。
これにより、傾斜板12上の混合物16の塊からラップ屑9のみが振り落とされ(分離し)、
残留する混合物16の塊には回収すべき砥粒8(複数級の砥粒混合物例えばダイヤモンド
等)のみが残ります(図2)。
このようにして、使用済みラップ剤中の高価なラッピング砥粒を効率的かつ確実に回収しま
す。
図1 超音波加振前の砥粒の状態図
図2 超音波加振時の砥粒の状態図
【参考資料】
関連特許情報
特許第4982853号
特許第5084421号
特許第5220384号
特許第5317052号
特許第5445992号
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