デジタル教科書実践活用ガイド「むかしばなしをよもう」PDF

国語
1 年上
おむすび ころりん
むかしばなしをよもう
第2次 ①
繰り返しを探して,楽しく音読しよう
場面の様子を想像しながらおじいさん,
おばあさん,
ねずみになって読んだり,
音読のしかたを工夫して読んだりする。
C
D
● 学習のねらい ●
◎ 語や文としてのまとまりや内容,文章のリズムに注意しながら声に出して読むことができる。
○ 場面の様子や登場人物について想像を広げながら読むことができる。
● 学習の流れ(全 5 時間)
第1次
(1 時間)
話のあらましを捉え,学習計画を立てる。
A●
B
① 先生の範読を聞き,話のあらましを捉え,音読発表会を開く見通しをもつ。●
▼
音読のしかたを工夫して,繰り返しの話のおもしろさを楽しむ。
第2次
(3 時間)
C●
D●
E
音読のしかたを工夫して読んだりする。●
② グループごとに音読の分担を決めて,
これまで学習した挿絵から読み取った表情やしぐさ,
くり返しの言葉などを振り返りながら,音読表現を工夫する。
第3次
(1 時間)
音読発表会を開く。
教科書タブ :
書き込みツール(直線)
,
ふせん
挿絵タブ :
挿絵カード
① 場面の様子を想像しながらおじいさん,
おばあさん,
ねずみになって読んだり,
E
なぜおじいさんはわざとおにぎりを落としたのかを考え,おじ
いさんの優しさに気づかせたい。その際には,挿絵を比較表示し
▼
C ),歌や「これはこれは」
たり(●
「きこえるきこえる」などのくり返
しの言葉に注目させるためにマーカーを引いたりして,視覚的な
F
①「おむすび ころりん なりきり音読発表会」を開く。●
D )。言葉をくり返すことで,ことやものを強調した
工夫を行う(●
りリズムを生んだりする働きがあることを,他の用例をあげなが
ら気づかせていくようにする。また,文章にふきだしを付け,登場
●「国語デジタル教科書」活用の具体例
第1次 ①
先生の範読を聞き,
話のあらましを捉え,
音読発表会を開く見通しをもつ。
A
E )。文章にふきだ
人物の気持ちを書き込む活動を取り入れた(●
しを付けることは,教科書の文をそのままふきだしに書き込まな
い工夫である。次時も同じようにして,お礼にごちそうをしたりこ
づちを送ったりするねずみの心遣いやこづちによって幸せに暮ら
挿絵タブ :
挿絵の並べ替え
すおじいさんとおばあさんの様子や気持ちを豊かに読ませたい。
児童の反応
おじいさん,
おむすびありがとう!
昔話特有の不思議で楽しい展開。挿絵を拡大提示して話し合っ
たり,詩的でリズミカルなくり返しの言葉に注目させて音読したりし
て,楽しく読み進めていくことができた。ふきだしには「おじいさん,
おむすびありがとう」
「大きなおむすび,みんなで食べました」など,
ねずみの目線に立った気持ちを書くことができていた。
挿絵タブ :
書き込みツール(ペン)
第3次 ①
B
「おむすび ころりん なりきり音読発表会」を開く。
音読発表会という目標を設定することで,聞き手にお話の楽し
F
さや様子が伝わるような音読の工夫をしていきたいという気持
ちをもたせることができる。また,挿絵から表情やしていることを
読み取る活動,繰り返しのおもしろさなどの学習がきっかけとな
り,ほかの昔話へと興味が広がるように,教室にはたくさんの昔
「おむすび ころりん」は,音読したり,歌ったり,踊ったり,体
話を用意しておいた。
を動かして楽しむうちに,くりかえしの物語の展開やそのリズム
のおもしろさに気づくことができる教材。本時では,
「先生の範読
児童の反応
を聞く」
「先生が読んだあとについて読む」
「歌のところだけ読む」
など,
さまざまな音読をしながら話のあらすじを捉えさせる。その
A)
際に,
挿絵の並べ替えを行い
(●
,
児童の理解度を確認していっ
た。挿絵の並べ替えは,低学年においてあらすじを捉える際に有
効に活用できる。これまでであれば,挿絵をコピーするなど手間
がかかったが,デジタル教科書を使うと準備の時間を短縮でき
た。また,挿絵を拡大提示して「おじいさんがしていること」に着
目させながら,
「だれ・いつ・どこ・どんなことが起きたか・最後
どうなったか」の場面内容の理解を促していった。
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実践事例 ● 1 年上「おむすび ころりん」
児童の反応
わざと落としているのかな?
何回もくり返し音読するうちに,
「おむすび ころりん」の歌が微
妙に変化していることに気づいていった。そこで,挿絵の並べ替え
をしたり,挿絵を拡大提示して気づいたことを出しあったりしたとこ
ろ,おじいさんの表情の変化やわざとおむすびを落としているので
B )。
はないかという意見が出て,
あらすじに迫ることができた(●
参考 挿絵を大きく表示し,
児童の音読に合わせて次へと送っていく
(●
F )。
国語デジタル教科書
を活用した感想
▶
すっかり覚えて,
すっとんとん♪
暗唱する児童も見られ,
楽しんで取り組んでいる様子が見られた。
「おむすび ころりん なりきり音読発表会」では,電子黒板に大
きく挿し絵を映し出し,その前で音読を披露した。表情や身振り手
振りを交えて,
自信をもって発表する様子が見られた。
今の児童は,民話や昔話にふれる機会が少ない。これらには,
お話に込められた人々の心や日本語の言葉の響きがあ
る。十分に触れさせたい教材である。挿絵や書き込みツールを活用することで,児童はそれを根拠に話をしたりくり返
しの歌や言葉に着目して他の本を読んだりするようになった。
実践事例 ● 1 年上「おむすび ころりん」
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