論 文 審査 の 結 果 の 要 旨 学 位 申請 者 MENDOZA HERNANDEZ OMAR SAMUEL 本 論 文は 、 「 電 気 化 学 イ ン ピ ーダ ン ス 測 定 と 走 査 型 断熱 式 熱 量 測 定 に よ る リチ ウ ム イ オン 二 次 電池 の 電 気 化 学 お よ び 熱的 特 性 の 研 究」と 題 し、8 章 よ り 構成 さ れ てい る 。第 1 章「 緒 論」で は 、本 論文 の 対 象 で あ るリ チ ウ ム イ オ ン 二 次 電池 の 構 成 材 料 に つ い て記 述 し 、また 、 本 研 究に お い て 電 池 の 特 性 評価 に 用 い た 電 気 化 学 イン ピ ー ダ ン ス ス ペ ク トル と 走 査 型 断熱 式 熱 量計 (Accelerating Rate Calorimeter, ARC)の 概要 に つ い て 述 べた 後 、本 研究 の 目 的 を 記 述 して い る 。 第 2 章「 実 験 方 法」で は 、本 研 究 の 実 験 方法 に つ いて 記 述 し て お り 、リチ ウ ム イ オ ン 二 次 電 池の 主 要 な 評 価 手 法 と して 使 用 し た 電 気 化 学 測定 に つ い て 説 明 し 、 この 測 定 に よ って 得 ら れる 主 要 な 因 子 に つ い てま と め て い る 。 ま た 、本 研 究 に お いて ARC を用 い た熱 特 性 試 験 や熱 暴 走 試 験 に つ い て 説明 し て い る 。 第 3 章「 リ チ ウム イ オ ン 二 次電 池 の 劣 化 前 後 グ ラ フィ タ イ ズ ド カ ー ボ ン 反応 の 解 析 」で は 、 電気 化 学 イ ン ピ ー ダ ン スを 用 い て リ チ ウ ム イ オン 二 次 電 池 正 極 材 料 を劣 化 前 後 で 負極 材 料 に関 す る 電 極 反 応 の 解 析を 行 っ て い る 。 こ れ によ り 、 リ チ ウ ム イ オ ン二 次 電 池 に おけ る グ ラフ ィ タ イ ズ ド カ ー ボ ンの 劣 化 挙 動 を 詳 細 に 知る こ と が で き た 。 こ の結 果 は 、 非 破壊 劣 化 検査 が 可 能 で あ る こ と を示 す も の で あ る 。 第 4 章「 参 照 電 極 付き リ チ ウム イ オ ン 二 次 電 池 に よ る LiCoO 2 と LiMn 2 O 4 正 極 材 料 の反 応 速 度論 的 の 比 較 」 で は 、 電気 化 学 イ ン ピ ー ダ ン スス ペ ク ト ル を 用 い て リチ ウ ム イ オ ン二 次 電 池の 正 極 材 料 の 反 応 速 度論 的 の 解 析 を 行 っ て いる 。 こ れ に よ り 、LiCoO 2 と LiMn 2 O 4 の 結晶構造がインターカレーション反応に 影 響 す るこ と が 分 か っ た 。 第 5 章「 過 充 電 を 含 む 異 な る充 電 状 態 に お け る リ チウ ム イ オ ン 二 次 電 池 正極 材 料 の 熱暴 走 挙 動の 比 較 」 で は 、 ARC を 用 いて リ チ ウ ム イ オ ン二 次 電 池 LiCoO 2 と LiMn 2 O 4 正極 材 料 の 熱挙 動 の 解 析 と 熱 暴 走 試験 を 行 っ て い る 。 こ れに よ り 、LiCoO 2 正極 材 料 は LiMn 2 O 4 正 極 材料 よ り 熱 的 に 不 安 定 であ る こ と が 実 験 的 に 示さ れ た 。 第 6 章 「 18650 リ チ ウ ム イ オン 二 次 電 池 劣 化 前 後 の熱 暴 走 挙 動 」 で は 、ARC を 用 いて 18650 リ チ ウム イ オ ン 二 次 電池 劣 化 前 後 の 熱 挙 動 の解 析 を 行 っ て い る 。こ れ に よ り 、 劣化 し た 電池 は 低 充 電 状 態 で 熱 的に 不 安 定 に な る こ と が見 出 さ れ た 。 第 7 章「 大 型 と 小 型 ラ ミ ネ ート リ チ ウ ム イ オ ン 二 次電 池 の 熱 挙 動 」で は 、ARC を 用 いて 大 型 と小 型 ラ ミ ネ ー ト リ チ ウム イ オ ン 二 次 電 池 の 熱挙 動 の 解 析 を 行 っ て いる 。こ れ によ り、 大 型 電池 は 熱 暴 走 挙 動 を 見 せた 。 第 8 章 「 総 括 」 で は、 本 研 究で 得 ら れ た 知 見 を 総 括的 に ま と め て い る 。 以 上 より 、 本 論 文 は 、 リ チ ウム イ オ ン 二 次 電 池 単 セル の 有 用 な 評 価 手 法 を提 案 し て おり 工 学 上及 び 工 業 上 貢 献 す る とこ ろ が 大 き く 、 博 士 (工 学 ) の 学 位 論 文 と して 十 分 な 価 値を 有 す るも の と 認 め る 。 審 査 委員 主 査 梅田 実 印
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