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巻頭言
Foreword
富士ゼロックス株式会社
執行役員
麻生
巻頭言
修司
Shuji Aso
我々を取り巻く経済環境を俯瞰すると、2016年の幕開け早々に
中国経済のスローダウンにより大きく振れた株価、地政学的なリス
クが拡大する中近東情勢、原油価格下落や米国金利上げによる資源
産出国・新興国経済の不振等、大きな変化が常態化してきています。
また事業環境では、第四次産業革命ともいわれるIoT(Internet of
Things)、人工知能、ビッグデータ、ロボティクス等の進化が急加
速的に進んでおり、これまでにない感覚として実感するのは、変化
の大きさとスピードです。このような変化の中で、特にIoTとの融
合による企業内外のコミュニケーションのさらなる効率化と、上流
のデータやコンテンツ等と連携を図り付加価値を上げることで、新
たなビジネスチャンスを創出することができるはずです。
政府が「地方創世元年」と位置づけた2015年から1年が経過し
ました。地方創世の流れは、アベノミクスの経済効果をより広い地
域に広げていこうとするローカル・アベノミクスで示された新成長
戦略に盛り込まれており、
「まち・ひと・しごと創生本部」が2015
年度から5カ年の政策目標や施策をまとめた、総合戦略に基づいて
取り組まれています。
富士ゼロックスでは、
「全社一体となって「地域創生」を推進しよ
う!!」というスローガンの下で、全国の31販社が築いてきた地域
の自治体や企業、経済団体などからの信頼と人脈、こうしたパイプ
を最大限に活かしながら、当社らしいコミュニケーションの変革を
提案しています。これまでに、各地の販社と研究・開発部門が一体
となり行ってきた事例の蓄積を通じて、
「地域創生を支援するコミュ
ニケーションプラットフォーム」が形になってきました。今後はこ
れをベースにして、ソリューション/サービスを全国で展開、加速
していきたいと考えています。また、地域創生支援活動では、先進
的なパートナー企業との連携が不可欠です。地域との長期的に良好
な関係を築くことができれば、地域創生だけでなく、そこから派生
するさまざまなソリューションなどにビジネスが広がっていくこと
が大いに期待できます。
今回のテクニカルレポートでは、新たなコミュニケーションで地
域を活性化するテーマを特集しました。地域の集合知を生み出す技
術アプローチ、大学との共同プロジェクト、地域供創プロセスの設
計と実践、地域と医療をつなげる活動、そして当社商品の活用事例
等を特集の中で紹介しています。ぜひ一読いただき、皆さんの活動
に役立てていただき、ご意見、ご要望を頂ければ幸いです。
富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016
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