バイオ肥料を用いた各種野菜類の 生産コスト・環境負荷低減栽培技術 の

バイオ肥料を用いた各種野菜類の
生産コスト・環境負荷低減栽培技術
の開発
背景
野菜栽培には、大量の化学肥料が使用さ
れておりその使用量の削減は、各野菜の生
産コストの低下や環境負荷の低減に直結
し、生産・販売競争力の増加に結びつく。
現在開発しているバイオ肥料技術
水稲用バイオ肥料利用技術(開発が最終段階の資材)
製剤
バチルス属エンド
ファイト窒素固定菌 無接種 接種
(特許取得)
バイオ肥料製剤
(特許取得)
菌液
無処理
1kg 製剤/ 20kg 育苗培養土
現在、作物の発根促進と養分吸収力の増大を促進するバチルス属細菌を用いた水稲用
バイオ肥料を農食事業において開発中である。バチルス属細菌芽胞を用いた製剤をイ
ネの苗箱に施用することで、イネ苗の発根を促進し、本田に移植後も接種効果が持続
し、慣行施肥条件下では水稲の茎数の増加による2割~3割前後の増収、或いは3割減
肥栽培で慣行施肥と同等の収量確保が可能な技術であることが農家圃場等を用いた試
験で分かってきた。
Brassica rapa
1 春まき山東菜
2 晩生大阪しろ菜
3 晩生ま菜
4 広島菜
5 な花(寒咲花菜)
6 雪白体菜
7 二貫目体菜
8 長岡菜
9 四月しろ菜
10 信夫冬菜
11 正月菜(もち菜)
12 新潟とう菜(三月菜)
13 仙台雪菜
14 くき立ち菜
15 熊本京菜
16 大崎菜
17 みやこべか菜
18 照彩小松菜
19 小松菜味彩
20 晩生あぶら菜
21 信州雪菜(善光寺冬菜)
22 静岡京菜
23 ふくたち菜
24 ちぢみ雪菜
25 チンゲンサイ 緑陽
26 チンゲンサイ 好菜
27 ビタミン菜
28 タアサイ
29 あじの菜心 珍菜
30 アスパラ菜
31 紅菜苔
32 細葉 千筋京水菜
33 太茎 千筋京水菜
34 壬生菜
35 野沢菜
36 源助かぶ菜(飯田かぶ)
37 早生油菜
57 小松菜 カホク
58 小松菜 日光
59 小松菜 きよすみ
H24年度より、福島県二本松市の農家圃場で、バイオ肥料の
原体微生物懸濁液を各種漬け菜類の播種時に直接施用し、圃場
に移植後の生育量を測定した
Brassica juncea
38 三池たか菜
39 丸葉 紫たか菜
40 広茎 かつお菜
41 山形せいさい
42 こぶ高菜
43 山塩菜
44 黄からし菜
45 たか菜(葉からし菜)
46 しまな(沖縄からし菜)
47 サラダからしな
Brassica napus
48 早春つぼみ菜
49 川流れ菜
50 ちぢみかぶれ菜
51 のらぼう菜
52 五月菜
53 かき菜
80
漬け菜の系統による接種効果(無接種との生育量比較%)
60
40
20
0
-20
-40
-60
26
17 20チ
18
み 晩ン
16 照
や 生ゲ
大彩
こ あン
崎小
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菜松
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菜
菜 菜好
菜
39
14 51 30
丸
52 く の ア
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13 早 42
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43
35 二
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21
45
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冬
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系列1 -4 -2 -2 -2 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -7 -6 -6 -5 -5 -5 -5 -3 -1 0 1. 6. 8. 10 12 12 13 13 14 15 16 17 17 17 17 18 19 19 19 19 23 24 25 26 27 26 28 30 33 35 37 38 43 46 64 64
バイオ肥料の施用は各種漬け菜類の生育を促進することが分かってきた。また、観
察結果等であるが、ハウス栽培キュウリに対しても生育促進効果が観察された。
そこで、H28年度より
①露地及びハウス栽培の漬け菜類やトマトへのバイオ
肥料製剤利用技術の開発、
②接種効果を発現する最適な施肥技術の開発と環境負
荷低減の検証、
③バイオ肥料と各品種間応答性の検証、
④増収減肥効果の作用機構解明
等の研究を行い、本資材の野菜栽培への適応拡大技術
を開発する。
期待される効果
①発根促進により吸肥力が増すため、減肥栽培に
よる資材コストの3割前後の節約と環境負荷の低減
効果、
②漬け菜類は地上部の生育促進効果があり作期の
短縮効果、
③トマト類は生育促進効果による果実生産量の増
加等が期待される。
また、本バイオ肥料はバチルス属細菌を用いてお
り一部耐病性が増加することが期待され、農薬の
使用低減が図れる。