(仮称)神戸市空家空地対策の推進に関する条例(案)の概要 1 条例制定の趣旨 適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境 に深 刻な 影響 を及 ぼし てい るこ とに 対応 し、 空家 等対 策の 推進 に関 する 特別 措置 法 (以下「法」といいます。)が平成 26 年 11 月に公布されました。 本市においては、法に基づく「神戸市空家等対策計画」を平成 28 年2月に策定し、 このような空家等のさまざまな課題に対する神戸市の基本姿勢を示しました。その 中で、空家等対策を総合的に推進するためには、法及び既存の各法令に加え、それ らを補完し、行政の支援が必要な課題に対して幅広く対応するための仕組みが必要 であり、適正管理や空家・空地の活用などに関するより効果的・具体的な対応内容 及び特定空家等に類似した空家等への措置など、法により対応できない空家等への 措置及びそれらの行政手続を明確化した条例の制定が必要 とされています。 上記計画を受け、「空 家・空地の適切な管理 」、「管理 不適切な空 家・空地に対する 措 置 の 実 施 」、「 空 家 ・ 空 地 の 活 用 の 促 進 」 等 総 合 的 な 対 策 を 実 施 す る こ と に よ り 、 市民の生命、身体及び財産を保護し、市民の生活環境を保持するとともに、健全で 快適なまちづくりの総合的な推進を図ることを 目的とした条例を制定します。 2 条例の内容 (1)条例の対象 ア 法に定める空家等に類似した空家や空地を定義し、法に定める空家等を含め て条例の対象とし、 総合的な対策を図ります。 名 称 定 義 空家等に類似する建築物又はこれに附属する工作物及びその敷地 類似空家等 (立木その他の土地に定着する物を含む。)であって規則で定める もの 空 地 等 建築物の敷地でない宅地又はこれに類する土地 (立木その他の土 地に定着する物を含む。)であって規則で定 めるもの (参考:法第2条第1項) 「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使 用がなされていないこ とが常態であるもの及 びその敷地(立木その 他 の土地に 定着する物を含む。) をいう。 1 イ 類似空家等及び空地等のうち、地域住民に悪影響を与えるものについて、特 定類似空家等及び特定空地等と定義し、法に定める特定空家等を含めて、改善 の促進を図ります。 名 称 特 定 類似空家等 定 義 類似空家等、空地等で、次のような状態にあるもの。 ○放置すれば著しく保安上危険となるおそれのある状態 ○著しく衛生上有害となるおそれのある状態 特定空地等 ○著しく景観を損なっている状態 ○周辺の生活環境保全のため放置することが不適切な状態 (参考:法第2条第2項) 「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるお それのある状態又は著 しく衛生上有害となる おそれのある状態、適 切な管理が 行われていないことに より著しく景観を損な っている状態その他周 辺の生活環 境の保全を図るために 放置することが不適切 である状態にあると認 められる空 家等をいう。 (2)所有者等の義務、関係者の責務 ア 所有者等・市長・市民・事業者の基本的な責務を規定します。 関係者 所有者等 (所有者・管理者 ) 責 務 ・空家等、類似空家等又は空地等を適切に管理する義務 ・空家等、類似空家等 又は空地等の使用者に これらの適切な 管理を促す努力義務 ・空家等、類似空家等及び空地等対策の計画的な実施 市 長 ・市民、事業者、所有者等に対する意識の啓発 ・所有者等による適切な管理の促進のために必要な措置 ・市民、事業者、専門家、地域団体等との連携 市 民 ・空家等、類似空家等 及び空地等の市民生活への影響の理解 と市施策への協力 ・空家等、類似空家等 及び空地等の市民生活への影響の理解 事業者 と市施策への協力 ・自らの事業活動を通じた対策の実施 (3)調査等 条例の施行に当たり必要な調査の実施について規定します。 ア 職員又は市が委任した者による類似空家等又は空地等への立入調査とその 実施の手続 イ 職員による空家等、類似空家等及び空地等の所有者等にかかる事務情報の 照会 ウ 空家等、類似空家等、空地等の土地所有者、地域住民、地域団体への情報 2 提供等の協力要請。他の自治体や警察等への協力要請及び情報提供 エ 市長による相続財産管理人選任申立て及び不在者財産管理人選任申立て (4)措置の実施 特定空家等、特定類似空家等及び特定空地等について必要な措置等を規定し、 対策を行います。 ア 特定空家等 特定空家等に関する法に規定する措置の実効性 の確保等 のため、次の事項を 規定します。 事 項 意見陳述 改善の届出 説 明 法に定める勧告を行う前に、勧告の名あて人に対して、意見陳 述の機会を付与します。 法に定める勧告を受けた者が当該特定空家等の状況を改善した ときには速やかに市長に届け出なければなりません。 勧告を受けた者が正当な理由が無く勧告に従わない場合、氏名 、 公 表 住所、建物等の所在地 等を公表することができます。この場合、 意見陳述の機会等を付与します。 応急的危険 回避措置 緊急に危険を回避する必要がある場合、本市が必要最小限の危 険防止措置を行うことができます。また、これに要した費用は、 所有者等に負担を求めることができます。 ※ 特定 空 家 等 に 対 す る 「 助言 又 は 指 導 」、「 勧 告 」、「 命 令 」、「 行 政 代 執 行」 の 措 置は法に規定されています。 イ 特定類似空家等・特定空地等 特定類似空家等及び特定空地等の不適切な状態を改善させるため、次の事項 を規定します。 事 項 説 明 助言又は 所有者等に対して特定類似空家等及び特定空地等に関して必要 指導 な措置をとるべきことの助言又は指導を行うことができます。 助言又は指導を行ってもなお状態が改善されない場合、所有者 勧 告 等に対して猶予期限を付して、必要な措置をとることを勧告す ることができます。 所有者等が正当な理由が無く勧告に従わない 場合、氏名 、住所、 公 表 建物等の所在地等を公表することができます。この場合、意見 陳述の機会等を付与します。 所有者等が正当な理由が無く勧告に従わない場合、猶予期限を 命 令 付して勧告に係る措置をとることを命じることができます。こ の場合、意見陳述の機会等を付与します。また、命令した旨を 公示します。 3 正当な理由が無く、所有者等が「命令に係る 措置を履行しない」 行政代執行 「履行しても十分でない」又は「期限内に完了しない」場合に は、行政代執行法の定めに従い、本市がこれを履行することが できます。 応急的危険 回避措置 ウ 緊急に危険を回避する必要がある場合に、本市が必要最小限の 危険防止措置を行うことができます。また、これに要した費用 は、所有者等に負担を求めることができます。 土地所有者に対する助言 又は指導 市長は、土地所有者に対して、特定空家等、特定類似空家等及び特定空地等 (土地を除く 。)の所有者が 適切に管理することを要請するよう助言又は指導す ることができるよう規定します。 (5)適切な管理の促進 、技術的援助、活用の促進 市長は、法又は条例による助言又は指導に応じて、所有者等が空家等、類似 空家等、空地等の管理に必要な措置をとろうとする場合には、技術的援助又は 費用助成を行 うことができるよう規定します。 (6)その他 ア 立入調査妨害、命令違反、命令標識破損を行った場合には5万円以下の過料 に処すことを規定します。 イ 神戸市廃棄物の適正処理、再利用及び環境美化に関する条例に規定されてい る「空地の管理に関する条項」を削除します。なお、同条例に規定する空地の 管理に関する勧告又は命令のうち当条例に規定する特定空地等に対する勧告又 は命令と同一の措置を求めるものについては、当条例の施行前に行ったもので あっても、当条例の規定に基づいて行ったものとみなします。 ウ 神戸市建築物の安全性の確保等に関する条例に関し、当条例の規定との整合 を図るため、応急的危険回避措置の規定を改正し、立入調査妨害について5万 円以下の過料 に処す旨の規定を追加します。 3 スケジュール等 平成 28 年第1回定例市会(6月議会)に 上程し、議決された場合は公布の日から施 行する予定です。ただし、 2(4)に記載した内容は、一部を除いて平成 28 年 10 月から 施行する予定です。 4
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