社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト 事業概要

社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト
(旧名称・通称:
グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト)
事業概要
平成27年2月4日
NEDO ロボット・機械システム部
背景
センサネットワークを利用したアプリケーション
センサネットワーク技術に
より、人やモノの状況、その
周辺環境等を認識し、利用者
の状況に即した様々なサービ
スを提供が可能となる。
しかしながら、現在、環境
計測、農業、エネルギー、医
療等の分野でユビキタスシス
テム、センサネットワークが
導入され始めているが、予期
されたほどの普及は見られて
いない。
出典:総務省「ユビキタスセンサーネットワークの実現に向けて」最終報告
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センサ市場の現状
• 世界のセンサ需要額は、2011年に約1兆8,000億円と推計されており、
2020年には約5兆9,000億円規模になると予想されている。
• 日系企業のセンサの出荷額は、 2011年に約8,800億円と推計されて
いる。
日系企業の世界出荷額(億円)
世界需要額推計(億円)
(億円)
(億円)
70000
5兆8,661億円
60000
8000
50000
20000
7,901億円
8,585億円
8,839億円
2010
2011
6000
40000
30000
10000
4000
1兆8,290億円
2000
10000
0
0
2011
2020
(年)
2009
出典:「JEITAセンサ・グローバル状況調査」のデータをもとにNEDOで作成
3
(年)
センサネットワークソリューションの現状
• センサネットワーク技術により、人やモノの状況、その周辺環境等を認識し、利用
者の状況に即した様々なサービスを提供可能となる。
• センサーネットワークソリューションの国内関連市場は、2010年に1兆2389億
円になると予測されていたが、2010年に数百億円(推定)となっており、期待さ
れたほどセンサネットワークは普及していない。
アプリケーション別の将来予測
出典:総務省「ユビキタスセンサーネットワークの実
現に向けて」最終報告(2004年)
センサネットビジネス主要27社・団体へのインタビューから「当該売上
規模」(出典:ESP総研「2010年センサネットビジネス白書」)
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課題
社会にセンサネットワークが普及しない理由として、
 センサの大きさ、設置面積等による設置箇所や設置個数の制約
 電源や通信を有線で配線すると、設置工事で大きな負担が必要
 電池を内蔵して無線にする場合、現状のセンサや送信技術では電力消費
が多く、電池交換等のメンテナンスが必要
が指摘されており、これらを解決することがセンサネットワークの普及に
必要。
目的
センサネットワークに使用されるセンサデバイスの共通的な課題であ
る、無線通信機能、自立電源機能及び超低消費電力機能の搭載を実現す
る革新的センサの開発を行い、センサネットワークの導入による、環境
計測やエネルギー消費量等の把握(見える化)及びエネルギー消費量の
制御(最適化)により、低炭素社会の実現に寄与する。
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研究開発目標
○アウトプット目標
平成26年度末において、無線通信機能、自立電源機能及び超低消
費電力機能を有する革新的センサを開発する。開発するセンサは、事
業終了後3年以内の実用化を目指した、安価な小型センサとする。ま
た、開発した革新的センサを用いたネットワークシステムを構築し、
実証する。
○アウトカム目標
これらの取り組みにより開発した革新的センサを用いた統合的エネ
ルギー制御システムが構築され、エネルギー消費量の見える化・制御
を行うことにより、10%以上の省エネ効果が見込まれる。また、こ
うしたユビキタスセンサネットワークの普及により1.2兆円の市場
創出が期待できる。
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プロジェクトマネジメント方針
○ 本プロジェクトは、これまでの多くのMEMS分野への投資の
OUTCOMEを目指して、単なる研究開発ではなく、既存技術
を総合して開発を行い、実用化のための実証を含んだプロジェ
クトである。
○ 研究ではなく、実用化へ向けて連携をとり、社会へのインパク
トを重視。
○ そのための取り組みとして、実証モデル別のワーキンググルー
プを設けるなど各研究グループ間の相互連携を有機的に推進。
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プロジェクトの基本的な構想
(1)グリーンセンサネットワークとは?
メンテナンスフリーの無線センサ端末で、消費電力等の見え
る化、エネルギーマネージメント
(2)センシングするとどうして無駄がわかるか?
過剰な空調、加熱と冷房のバランス、機器の問題点
(3)実際の効果は?
オフィス、店舗、工場での実証
(4)特長は?
絆創膏サイズ(2cmx5cm)、取り付け簡単、レイアウトフリー
(5)普及のネック、開発の方向は?
センサ端末を安く、設備工事費無し、電池交換無し(端末の
省電力化、環境発電)
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グリーンセンサネットワークのアプリとセンシング対象
オフィス
店舗
工場
ファブ
クリーンルーム
実証
アプリ
内容
在席状態、環境 環境情報、電力
情報をもとに、照 使用情報をもと
明や空調を制御 に、空調や各種
機器を制御
電流・磁界センサ
想定され
ガス濃度センサ
るMEMS
赤外線アレーセンサ
センサ
その他
装置稼動状態、作業者、気温、湿
度、異物、差圧などの情報をもとに、
照明、空調、工程負荷を制御
電流・磁界センサ
塵埃量センサ
ガス濃度センサ
その他
環境・設備の状態をセンシング・制御し、快適と省エネを両立
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プロジェクト期間、実施体制、センサネットモジュールのイメージ
■プロジェクト名:社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト
(旧名:グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト)
■研究期間:平成23~26年度(4年間)
<実施体制>
NEDO
共同研究(NEDO負担率2/3)
指示・協議
プロジェクトリーダー
前田 龍太郎(産総研)
技術研究組合NMEMS技術研究機構
<組合員企業・機関>
株式会社アルバック 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ オムロン株式会社 オリンパス株式会社 住江
織物株式会社 セイコーインスツル株式会社 株式会社セブン-イレブン・ジャパン ダイキン工業株式
会社 大日本印刷株式会社 高砂熱学工業株式会社 株式会社デンソー 東京電力株式会社 東光電
気株式会社日清紡ホールティングス株式会社 株式会社日立製作所 横河電機株式会社 ローム株
式会社 独立行政法人産業技術総合研究所 一般財団法人マイクロマシンセンター 国立大学法人
東京工業大学(50音順・組織順)
研究開発項目①
グリーンMEMSセンサの
開発
店舗、製造現場及びオ
フィスなどをグリーン化する
ために必要な、既存センサ
に比較し低消費電力機能
を有した小型のMEMSセ
ンサ(グリーンMEMSセン
サ)(検出部)の開発
研究開発項目②
無線通信機能及び自立電源機
能を搭載したグリーンセンサ端
末の開発
グリーンMEMSセンサの自
立分散配置を可能とする電源
機能、通信機能及び信号処理
機能を搭載した端末(グリーン
センサ端末)の開発及び高感
度受信システムの開発
再委託
東京大学
信州大学
センサネット
モジュール
(目標:千円程度)
従来型センサ
(数万~十数万円
+施工コスト)
研究開発項目③
グリーンセンサネット
ワークシステムの構築
と実証実験
グリーンセンサ端末及
び高感度受信機を用い
たネットワークシステム
の構築及び実証実験
センサネットモジュール
高集積MEMSセンサ
高機能センサ
共通プラットフォーム
3ミリ角
専用LSI
信号処理IC
フレキシブルアンテナ
無線チップ
ナノファイバー発電シート等
蓄電・発電デバイス
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プロジェクト全体像
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プロジェクト 全体計画
1年目
2011(H23)FY
①グリーン
MEMSセンサ
2年目
2012(H24)FY
3年目
2013(H25)FY
4年目
2014(H26)FY
要素技術開発
・センサ試作
センサ試作
・モジュール化
動作実証・最適化
要素技術開発
基本発電デバイス
試作・評価
モジュール化
動作実証・最適化
要素プロセス開発
テストデバイス
試作・評価
設計
②自立電源
②グリーンセ
ンサ端末
③グリーンセ
ンサネットワー
クシステム
実験システム構築
データ収集
・分析,詳細仕様抽出
端末・
受信システム試作
実証端末
・システム試作
動作実証・最適化
実証実験
・システム最適化
実証用グリーンセンサ端末
試作(2013FY末)
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応用展開
自立・無線型センサ端末によるセンサネット
ワークシステムは、省エネ分野に加え、同じく我
が国の喫緊の社会的課題である、社会インフラや
健康医療、農業分野等にも応用展開が期待される。
インフラ管理での活用イメージ
インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム
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開発プロジェクト(平成26~30年)
本プロジェクトにおける
今後の成果発表会等のスケジュール
①NEDOフォーラム
日時:2月12日(木)、13日(金)
場所:東京国際フォーラム
内容: 赤外線センサを用いたデモ、パネル展示等
②成果報告会
日時:2月26日(木) 10:00~17:00
場所:国立科学博物館
内容:全テーマ成果報告、パネル・サンプル展示
(意見交換会 17:30~19:30)
多数のご参加をお待ちしております
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