海と湖の水産物のリスク • 松田裕之 • 111105AOC • 120119GP 主な論点 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. ヨウ素131 セシウム134/137 ストロンチウムなど(Puも言及するか?) 海洋汚染の実態 ICRP3原則を支持する 日本農学会技術勧告のあとがきを支持する 福島近海での漁業再開の可能性 内水面での漁業と釣りについて 汚染土壌の海洋投棄について 1.ヨウ素131(半減期が8日) • 5月末には無視できるレベルに低下 • 海藻に蓄積するが今年は大丈夫だろう 2.セシウム134/137 • 野菜からはほとんど出なくなった(生産、出荷制限) • 関東の湖沼では夏以後に濃度が上がっている。暫定基準を 上回るものもあるが、平均値は低く、福島、茨城、千葉ならび に関東内水面の標本の単純平均による平均摂取線量は年 0.1mSvである。より遠方の水産物のそれは極めてわずか • セシウムは筋肉に蓄積するので生物濃縮がせいぜい100倍 程度であること、魚の体内に残留しにくいこと(生物的半減期 が約30日)から、浮魚ならびに遠方の海産物については極 めてわずかである。 • 福島県内の沿岸の底魚、北関東の内水面の淡水魚につい ては今後も時々暫定基準値を超える魚がでてくるだろう。暫 定基準値を超えたものを流通させないようにすれば、魚から の内部被曝は極めて低い水準に抑えることができるだろう。 福島茨城千葉 水産物 遠方 6 3.ストロンチウムなど • ストロンチウムは物理的半減期が長く、骨に 蓄積するので生物濃縮するが、マグロなど上 位捕食者の骨を食べない限り(そんな日本人 はほとんどいないと思うが)、心配ない。 4.海洋汚染の実態 • 3月末から1号炉の排水溝から大量の汚染水が 漏出したが、4月6日に塞ぐことができた。 • 日本海洋学会震災対応WGによると、今までの 海洋への漏出量は約3-4PBqと推定される。10月 の原発施設近くの海水中濃度は10Bq/L と2桁下 がり、主な漏出源を封じ込めた。 • 放射性物質は沿岸底に蓄積し、河川を通じて流 入し続けており、事故直後に比べて濃度が低下 したものの、溜まった放射性物質による水産物 の汚染が生じている。 日本学術会議会長談話と ICRP3原則を支持する • 公正化、最適化、線量限度適用の3原則に 沿った基準を設けるべきである。 1. 正当化=被曝は「害よりも便益が大となる」 場合に許容される 2. 最適化=経済的社会的要因を考えて、被曝 する線量と人数を合理的に達成できる限り 低く保つ 3. 線量限度適用=放射線作業や防災活動な ど、個人の被曝総線量の適切な限度を守る 日本農学会技術勧告の以下の3つの 指摘を支持する 1. 「村に一切の放射能がない状態への復元」という実 現不可能な除染を望む声を生み、結果的に除染が 一向にすすまない状況を生んでいる場合さえある。 2. 放射性物質による汚染がほぼ正確に理解され、出 荷、流通段階での検査等で安全性が確認された現 在、依然として過度に事故地周辺の農産物を避け るのは公正な市場を損ねることになりかねない。 3. 残念ながら、ときに、他地域の地方自治体と住民ま でが「風評加害者」となり、放射能汚染は、差別のよ うな日本人の心の汚染にまで広がっているという指 摘さえある。 福島近海、湖沼に関する注意 • 主要な汚染は過去の漏出と大気からの降下で あり、現在の浮魚類については、東日本全域は もとより、福島近海でもほぼ問題ない • 原発周辺の沿岸、東日本の河口域および湖沼 の底にはなお高濃度のセシウムが残留しており、 底魚については注意が必要。(線量地図及び注 意すべき水産物一覧、今後の回復までの時間 の見通し) • 暫定基準値以上のものを出荷しない。自家消費 については摂取量または被曝線量の自己管理 を行う 内水面での漁業と釣りについて • (線量地図及び注意すべき水産物一覧、今後 の回復までの時間の見通し) • 釣りは禁止されているか?誰も行かないの か? 禁止すべきか? 食べるべきではない か? 汚染土壌の海洋投棄について • そもそも年1mSv以上の土壌の除染というの は非現実的であり、最適化原則に反する。 • 濃度にもよるが、汚染土壌の海洋投棄はロン ドン条約に違反する可能性が高く、国際的批 判を浴びるだろう。 • おもな核種がセシウムであることから100年 程度壊れない容器が必要。 参考になるサイト • 日本学術会議会長談話 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d11.pdf • 日本農学会テクニカルリコメンデーション http://www.ajass.jp/image/recomfinal.pdf • 吉田勝彦博士「水産物の放射能汚染をどうみるか」 http://www.academy.nougaku.jp/annual%20report/16go_jp.htm http://www.nougaku.jp/symposium/2011/yosida.pdf 14 湖沼、河川、内湾の底土Cs濃度 • ##データがあるか 新基準値に関する意見 • 暫定基準値を守っていても、食品からの内部被曝線 量は年1mSvという平常時の基準値より1桁から2桁低 く、十分に安全である。 • 緊急時としての政策を行うべきである。 • 過度な安全基準は復興の妨げとなり、被災地により 多くの犠牲を強いる。これは多大な経済負担となり、 最適化原則に反する。 • 低いリスクを受け入れることで被災者を支援すること は社会の利益となる。その機会を奪うことは高省化原 則に反する。 • 暫定基準値を順守することが線量限度適用原則の精 神である。 現在の内部被曝線量は十分低い • 事故後1か月は暫定基準値を1桁以上上回る 農水産物が検出されたが、その後の放射能 流出はわずかであり、生産・出荷が制限され、 食品の安全性はおおむね確保されている。 • 暫定基準値を守っていても、食品からの内部 被曝線量は年1mSvという平常時の基準値よ り1桁から2桁低く、十分に安全である。 緊急時としての政策を • 震災による犠牲者が約2万人に対し、放射線被 ばくによる犠牲者はいないか、大幅に少ない。 • 現在は、なお●万人の人が避難生活を送り、農 業漁業と関連産業の復興のめどがついていな い緊急時であり、平常時と同じ安全と安心は保 障できない。食品基準だけ平常時と同じ基準を 適用することは、社会の混乱を助長するもので ある。 • 委員会の議事には、現在が緊急時であるという 認識がうかがわれない。 過度な安全基準は復興の妨げとなる • 作物が暫定基準値と新基準値案を上回るだ ろう農地はそれぞれ###であり、農業活動 が大幅に制限される。 • その結果、被災地により多くの犠牲と生業の を強いる。これは多大な経済負担となり、最 適化原則に反する。 「食べて被災者を支援する」 選択の自由 • 低いリスクを受け入れることで被災者を支援 することは社会の利益となる。その機会を奪 うことは公正化原則に反する。 • 暫定基準値を守る(さらなる基準緩和は政治 的に得策とは言えない)。暫定基準値を超え た食品は流通させない=線量限度適用原則 • 低濃度汚染の食品については情報を示し、 消費者の選択の自由に委ねる。
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