「iPS 細胞を用いた悪性高熱症・関連疾患の 発症機構の解明と診断法

「iPS 細胞を用いた悪性高熱症・関連疾患の
発症機構の解明と診断法・治療法の開発」
針馬 日出美
悪性高熱症は、全身麻酔の時に使う薬剤などによって引き起こされる麻酔合併症のひとつです。発症頻
度は少ないですが、この病気は遺伝性です。悪性高熱症の原因とされる「リアノジン受容体」の最近の遺
伝子検索から、2000 人に1人はこの遺伝子に変異があって、悪性高熱症を発症する可能性があるという
報告もあります。悪性高熱症は発症すると迅速な診断と治療が行われなければ命にかかわることもあり
ます。全身麻酔を行う前に、悪性高熱症を発症する可能性がある体質なのかどうかが分かればいいので
すが、なかなか難しいというのが現状です。というのも、
「リアノジン受容体」の遺伝子はとても大きく
て変異している箇所の報告も多く、また、悪性高熱症と診断された患者さんの 40%にはこの遺伝子の変
異が見つかっていないので、この遺伝子に変異がなくても、悪性高熱症ではないと確実には言えないか
らです。そのため、現在の確定診断は筋生検となっていますが、筋生検は、比較的侵襲が大きいため、生
検を行うにしても手術に対する全身麻酔時に一緒に行うことが多く、また、悪性高熱症はこどもにも多
く発症するので、筋生検にかわる、非侵襲的かつ簡便な新規診断法の開発が望まれています。
本研究では、悪性高熱症を発症したことのある患
者さんやそのご家族から、同意をいただいたうえ
で、血液もしくは皮膚のご提供をいただき、iPS 細
胞をつくります。作成した iPS 細胞から、悪性高熱
症の主病変とされる筋肉の細胞をつくりだし、いろ
いろな解析を行うことで、新規診断法の開発と悪性
高熱症の発症メカニズムの解明を目指しています。
なお、本研究は、慶應義塾大学医学部生理学教室、
慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター、慶應義塾
大学医学部皮膚科学教室、広島大学歯薬保健学研究
院統合健康科学部門麻酔蘇生学など多数機関との
共同研究として行っています。
悪性高熱症患者さんやそのご家族の方で、本研究
にご興味をお持ちいただけた場合は、詳細をご説明
いたしますので、下記までご連絡のほどよろしくお
願いいたします。
慶應義塾大学麻酔学教室
連絡先電話番号 03-5363-3107
実施責任者
針馬 日出美