経営革新計画 申請者名・資本金・業種 実 施 体 制 申請者名

(別表1)
経営革新計画
申請者名・資本金・業種
申請者名:株式会社田村倉庫
資 本 金:1,000 万円
業
種:倉庫業
実 施 体 制
当社にプロジェクトチームを設置して実施する。
新事業活動の類型
経営革新の目標
計画の対象となる類型全てに丸印を付 経営革新計画のテーマ: 保税倉庫を活用した通販業者向け
ける。
輸出入・通関・保管・発送代行事業
1.新商品の開発又は生産
2.新役務の開発又は提供
3.商品の新たな生産又は販売の方式
の導入
4.役務の新たな提供の方式の導入そ
の他の新たな事業活動
近年、インターネットを活用する通販業者が急激に増えて
いる。通販業者が海外製の商品を販売するには輸入・通関・
保管・発送という煩雑かつ専門的な業務をこなさなければな
らない。また海外に国内製の商品を販売する場合も同様の業
務が必要になる。そこで、本経営革新では既存の倉庫を保税
倉庫として活用し、それら一連の業務を代行する付加価値の
高い新たな事業の確立と新規顧客の獲得を目指す。
経営革新の内容及び既存事業との相違点
▼既存事業との相違点
既存事業では製造業向けの保管業務のみを行なってきた。弱電関連部品や原料等を預かっており、
その保管料が売上の大部分を占めている。
既存事業の問題点は2つあり、顧客の多くが製造業であること、そして業務の付加価値の低さが挙
げられる。製造業の顧客が多いと景気によって生産調整が発生するため、倉庫の稼働率が安定しない。
また、単純な保管業務だけでは他社との差別化が難しく、結果として保管面積あたりの単価が下落し、
利益率が低い状態が続いている。
このような状況を打開するために、既存事業の保管業務のノウハウと倉庫を活用し、新しい業務を
行うことで事業の高付加価値化を目指す。
輸出入業務、通関業務、発送業務はいずれも新しく取り組む業務であり、また、通販業者という新
たな顧客の開拓も既存事業との大きな相違点となる。
さらに IT を活用することによって、それらの3つの業務と既存事業を統合し、情報の一元管理を
行うことで、業務の効率化、低コスト化、状況の可視化、そして顧客側の利便性の向上を図ることも
本経営革新の特徴となっている。
▼経営革新の内容
通販業者が要望した商品の輸出入・通関・保管・発送手続きまでをトータルに代行する事業を確立
することが本経営革新計画の内容である。本事業は以下の3つ業務から成る。
1.
輸出入業務
通販業者から指定された商品を輸出入するための手続きを行う。海外の販売先、または仕入先と
の契約から輸出入に必要な運送手配等の事務手続きまでを代行して行う。
2.
通関・保管業務
自社倉庫を保税倉庫として活用し、輸出入する商品を保管し通関手続きを行う。保税倉庫の活用
によって輸入申告を柔軟に行えるだけでなく、輸入前の商品の検品・仕分等も可能となり、臨機
応変な対応が可能になる。また、NACCS システムを導入することで通関手続きの効率化を図る。
加えて、保税倉庫内で商品の検品や在庫管理を IT システム化し、通販業者が商品の状況を当社
Web サイトにて確認できるようにすることで、利便性の向上と他の通関業者との差別化を図る。
3.
発送業務
通販業者から指定された国内の送り先に、輸入した商品を発送するための手続きを行う。商品の
梱包と、送り状の作成を行い、商品の配達自体は外部業者に委託する。発送依頼の受付、送り状
作成などの事務手続きを IT システム化することで業務の迅速化、低コスト化を図る。
(※業務内容の詳細や IT システムの構成、保税倉庫の詳細に関しては補足資料①~⑤を参照)
▼実施計画
上記の業務のうち、特に輸出入業務と通関業務は専門的な知識及びノウハウが必要である。
そこで、上記の業務を最初から全て行うのではなく、難易度が低い順から段階的に開始し、十分な
準備期間を確保する。具体的には、最も難易度が低い発送業務を最初に開始し、通関業務、輸入業務、
輸出業務と順を追って開始する。
(※詳細は補足資料「実施計画表」を参照)
この準備期間中に、リハーサルとして実際に物品の輸出入手続きや通関手続きを専門家の協力を仰
ぎながら行う。このリハーサルを繰り返していくことで、会社全体で新しい業務の知識・ノウハウを
蓄積していき、業務遂行能力を確実に身に付けていく。
▼市場動向
市場の状況に目を向けると、ネット通販業者全体の売上の伸び率は前年比+13.5%であり、首都圏
では通販業者向け倉庫の空室率が 2.3%と既に満室状態となっている(※1)。このような通販の活況は、
主にライフスタイルの変化及び少子高齢化によるものであると考えられ、この傾向は一過性のもので
はなく、今後も続くものと予想される。
東北地方においては、通販業者数が約 1,600 社、その売上高は輸出入を含め約 370 億円となって
おり、その業者数、売上高ともに年々増加している(※2)。また、取り扱われている商品としては食料
品・飲料、衣料品、家具、雑貨、電化製品などが多く、その大部分が弊社倉庫で保管が可能な商品と
なっている。
それゆえ、本事業は今後の成長分野の需要を取り込める事業であり、通販業者のインフラとなるこ
とで安定的な長期的成長が見込める有望な事業であると考える。
※1 2012 年 3 月の日本経済新聞社の調査結果より
※2 2009 年の経済産業省による「消費者向け電子商取引実態調査」より
▼販売戦略
顧客獲得のために、インターネット上のキーワード連動型の広告の掲載と、山形・東北近辺の通販
業者への営業を行う。
本事業でターゲットとする顧客は通販業者であり、その通販業者はインターネットを多用してい
る。そこで、インターネット上のキーワード連動型広告(※3)を利用し、効果的に本事業の宣伝を行う。
この手法はターゲットとする顧客にピンポイントで広告が打てる上、紙媒体などの広告に比べて非常
に安価である。
また、山形・東北近辺の通販業者に集中的に営業を行い、少しでも利用してもらうことで、実績を
積み、信頼を深めていく。その結果発生する通販業者同士の口コミ、または紹介によって新たな顧客
を呼び込み、営業範囲を徐々に広げていく。
※3 キーワード連動型広告とは Google や Yahoo などの検索サービス利用時に、その検索キーワードに応じて表示される広告。
例えば、「通販 輸入 通関」などのキーワードで検索が行われた場合に、当社の広告が表示されるようにする。