第1章 矢板市の環境 第1章 矢板市の環境

第1章 矢板市の環境
私たちが暮らす矢板市の環境はどうなっているの?
1
矢板市の概況
矢板市の地形
(1)市のあらまし
本市は、栃木県の北東部に位置し、東
は大田原市とさくら市に接し、西は塩谷
町、南はさくら市、北は那須塩原市に接
しています。北部は八方ヶ原や県民の森
などを有する高原山の山麓が広がってお
り、日光国立公園の一角をなしています。
河川は水源を北部山岳地帯に発し、南流
して那珂川に注いでいます。また、各所
に鉱泉や湧水が湧出しています。
このように本市は三方を山地や丘陵地
に囲まれ、肥沃な土壌と豊かな水により
育まれた森林や田園の緑に恵まれ、内川
や宮川などの良好な水辺環境からなる自
然豊かな都市です。
本市の面積は 170.66k㎡で、東西約
11.6km、南北約 24.2kmのほぼ長方形
をなし、県面積の約 2.66%を占めていま
す。標高の最も高いところは、長井北方にそびえる剣ヶ峰付近の海抜 1,590m、最も低い
ところは、南端部の乙畑地内の海抜 160mです。
矢板市付近は、古くは「しほのや」と呼ばれ、奈良時代から平安時代初期にかけての大
和文化と山岳仏教の北限の地であったと考えられます。また、市内各所の高台からは先史
時代の遺跡・埋没品が数多く出土するほか、古墳群や集落跡の分布も極めて多く、かなり
古い時代からこの地方には人間が居住し、「ムラ」が存在していました。
平安時代後期には、現市街地南方の木幡、川崎反町、中地区を中心として「塩谷氏」が
興り、秀吉による改易までの約 400 年にわたり、塩谷荘 33 郷を制していました。江戸時代
になると佐倉藩など 3 藩の領地と 20 余の旗本知行所に細分化され、この分割統治が明治ま
で続いてきました。この間、現市街地を横断して開設された「日光北街道」の問屋、宿場
が中心となり、物資集積の地として発展の基礎を築きました。
この地域は明治 6(1873)年に栃木県の所管となり、明治 22(1889)年の市町村制実施によ
って「矢板村」
、
「泉村」
、
「片岡村」が設置されました。明治 28(1895)年矢板村は町制を施
行し矢板町となり、昭和 29(1954)年 12 月 31 日矢板町は旧野崎村大字沢・成田・豊田を編
入、翌 30(1955)年 1 月 1 日に矢板町、泉村、片岡村は合併して矢板町を設置、同年 4 月 1
日旧片岡村大字松島を氏家町に分合し、昭和 33(1958)年 11 月 1 日に矢板町は市制を施行
し、「矢板市」となり現在に至っています。
18
位置図
(2)交通
本市は、県都・宇都宮市から約 32km、
東京から約 140kmの距離に位置してい
ます。交通網について見てみると、首都
圏と東北地方を結ぶ東北自動車道、国道
4 号、JR東北新幹線、JR宇都宮線な
どの主要な国土連携軸上に位置しており、
都心へは鉄道利用で約 80 分、
高速道路利
用で約 90 分のアクセスが可能です。
(3)気象
気候は、夏は高温多湿、冬は低温乾燥
の典型的な太平洋岸気候といえます。
平成 13(2001)年~平成 24(2012)年に
おける年平均気温は 13.8℃、年平均最高
気温 20.1℃、年平均最低気温は 8.6℃と
なっています。
最近十数年間では平均気温はほぼ横ば
(矢板市都市計画マスタープラン)より
い状況ですが、わずかながら最高気温は
上昇、最低気温は低下が見られ、寒暖の
30.0
年平均気温の推移
(℃)
年平均最高気温
26.5
25.2
年平均気温
差が広がっています。
25.0
年平均最低気温
21.6
年降水量は約 700~2,000mmと変化
20.1
20.0
18.9
18.5
17.4
17.9
18.0
13.0
12.8
19.6
18.9
18.8
13.3
13.1
8.2
8.4
H23
H24
が 大 き く 、 平 成 13(2001) 年 ~ 平 成
15.0
24(2012)年の年降水量の平均は約 1,350
mmとなっています。また、年間日照時
14.5
13.8
10.0
14.5
9.9
間の平均は約 1,740 時間ですが、最近は
増加しており、平成 24(2012)年は 2,000
0.0
15.1
14.7
13.8
11.3
11.0
9.8
9.0
8.2
5.0
9.2
8.3
5.8
4.3
H13
時間を超えています。
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
年降水量の推移
(mm)
2,500
降水量(mm)
2,000
年間日照時間の推移
2,500
1,994.0
1,954.0
日照時間(h)
1,782.0
1,586.0
1,436.4 1,430.0
1,500
14.5
12.6
1,314.5
2,000
1,569.1
1,332.5
1,993.2 2,036.1
1,757.7
1,656.7
1,516.2
1,633.6
1,741.1
1,832.4 1,824.8 1,791.4
1,507.6
1,500
1,005.5
899.5
1,000
773.0
1,000
713.0
500
500
0
0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
(資料:宇都宮気象台塩谷地域気象観測所(日照時間)、矢板消防署(気温、湿度、降水量))
19
(4)人口・世帯数
人口は、平成 10(1998)年の 37,074 人をピークに減少してきており、平成 26(2014)年 10
月 1 日現在では 33,689 人と平成 10(1998)年から約 9%減少しています。
世帯数は増加してきており、平成 26(2014)年は 12,262 世帯と平成 10(1998)年の 11,609
世帯より 5.6%増加していますが、ここ数年は横ばい傾向が見られます。世帯当たりの人
数は 2.7 人で、平成 10(1998)年の 3.2 人に比べ、核家族化の進行や単身世帯が増加してい
ると考えられます。
人口・世帯数の推移(各年 10 月 1 日現在)
人口(人)
39,000
38,000
37,000
36,000
35,000
世帯数(世帯)
資料:H1~H24 まで、矢板市統計
H25、H26 年は栃木県毎月人口推計月報より
40,000
14,000
12,432
12,414
12,247
12,239
12,387
12,238
12,140
11,971
11,800
11,992
11,609
11,86011,878
11,403
11,208
10,985
11,736
10,753
11,637
10,44110,605
10,235
9,879 10,038
37,074
36,953
36,966
36,843
36,650
36,46636,437
36,371
36,21136,327
36,179
35,999
36,083
35,884
35,685
35,603
35,544
35,500
35,343
35,415
35,287
34,917
34,991
12,262
12,233
12,000
10,000
8,000
34,474
34,088
34,000
33,689
33,000
6,000
4,000
32,000
人口(人)
31,000
2,000
世帯数(世帯)
30,000
0
H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
(年)
年齢別人口(単位:人)
H26 年 10 月 1 日現在(年齢不詳は含まない)
(資料:栃木県毎月人口調査、年齢別人口調査結果より)
女性
男性
1,025
85歳以上
453
85歳以上
815
80~84
521
80~84
938
75~79
716
75~79
1,064
70~74
1,003
70~74
1,329
65~69
1,326
65~69
1,468
60~64
1,497
60~64
1,150
55~59
1,234
55~59
1,044
50~54
1,096
50~54
1,007
45~49
1,054
45~49
1,113
40~44
1,238
40~44
1,052
35~39
1,113
35~39
816
30~34
992
30~34
680
25~29
780
25~29
646
20~24
724
20~24
822
15~19
805
15~19
764
10~14
838
10~14
617
5~9
761
5~9
568
0~4歳
594
0~4歳
平成 26(2014)年 10 月 1 日現
在の栃木県毎月人口調査・年齢
別人口調査結果によると、男女
とも 60~64 歳代を頂点に人口
は減少しています。
また、65 歳以上の高齢者の割
合は 27.3%、15 歳未満は 12.3%
となっています。
今後、人口の減少と合わせて、
高齢化と少子化が一層進むと見
込まれます。
2,000
1,500
1,000
20
500
0
0
500
1,000
1,500
2,000
(5)産業
(事業所数及び従業者数)
事業所数及び従業者数は減少傾向にあ
事業所・従業者数の推移
事業所(所)
2,000
ります。平成 24(2012)年は、事業所数
16,476
1,429 所で、卸売・小売業が最も多く約
17,151
1,762
1,799
14,680
1,851
13,539
1,699
1,600
ス業、建設業、生活関連サービス業・娯
18,000
16,142
15,469
1,800
26%を占め、次いで宿泊業・飲食サービ
従業者数(人)
20,000
17,856
14,000
11,885
10,290
12,000
1,656
1,575
楽業、製造業の順で、それぞれ 10%前後
10,000
1,400
1,429
の割合となっています。従業者数は、製
4,000
1,189
従業者数(人)
30%を占め、次いで、卸売・小売業が約
2,000
1,068
1,000
S61
17%、医療・福祉業 13%、建設業と宿泊
業・飲食サービス業の順になっています。
H3
H8
H11
H13
H16
0
H18
H21
H24(年)
(資料:矢板市統計書 H24 年度版より)
(資料:S61、H3 は事業所統計調査、H8~H16 は事業所・企業統計調査
H21 は経済センサス基礎調査、H24 は経済センサス活動調査)
(工業〈製造業〉)
工業事業所数は平成 14(2002)年以降減少傾向で、工業従業者数は平成 20(2008)年をピー
クに減少しています。製造品出荷額は平成 17(2005)年に急減した後、増加傾向となってい
ましたが、平成 23(2011)年以降は東日本大震災や原子力発電所事故の影響などにより、再
び急激に減少しました。
事業所(製造業)・従業者数の推移
5,080
5,344
4,549
4,376 4,400
従業者数(人)
6,000
4,411 4,356
3,551
78
83
42,432
40,605 41,714
36,796
28,010
30,000
92
82
46,975
4,000
3,175
85
製造品出荷額の推移
製造品出荷額
(百万円)
50,000
40,000
3,652
100
24,760
20,178
75
71
70
50
67
20,000
62
2,000
12,253 12,135
10,000
事業所数(所)
従業者数(人)
0
0
0
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
(年)
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
(資料:「栃木県の工業」工業統計調査結果報告書等より)
H25
(年)
(商業〈卸売・小売業〉)
商店数及び年間商品販売額は減少傾向となっています。従業者数も平成 14(2002)年をピ
ークに減少し、平成 24(2012)年は平成 14(2002)年比約 36%減少しています。
商店数・従業者数の推移
事業所(所)
600
2,854
2,755
2,711
2,641
140,000
2,295
2,500
120,000
2,454
400
300
2,000
1,814
577
549
512
471
100,000
80,000
448
420
1,000
303
500
従業者数(人)
0
H9
H11
H14
H16
58,008
H19
56,887
49,020
48,653
37,627
40,000
20,000
0
0
H6
65,843
60,000
商店(卸売・小売)数
H3
113,886
1,500
525
200
100
年間販売額の推移
製造品出荷額
(百万円)
126,798
従業員数(人)
3,000
2,394
500
8,000
6,000
事業所数(所)
1,200
造業で約 4,000 人と最も多く、全体の約
事業所(所)
150
16,000
H3
H24(年)
H6
H9
H11
H14
H16
H19
H24(年)
(資料:矢板市統計書 H24 年版より)
21
(農業)
農家数及び農家人口、経営耕地面積は、一貫して減少してきていますが、専業農家数に
ついては増加傾向が見られます。
生産品目について見ると、平成 22(2010)年の販売農家における作物の類別収穫面積
2,094haのうち、稲が 1,617haと 8 割近くを占めています。次いで、麦類 279ha、豆
類 47ha、野菜類 42ha、雑穀 39ha、リンゴなど果樹栽培面積 32haとなっています。
しかしながら、収穫面積は全体として減少傾向となっています。
農家数の推移
0
500
H2
166
H7
157
270
H12
158
237
H17
169
H22
(年)
213
294
1,500
500
1,000
1,500
H2
901
専業農家戸数
第1種兼業農家戸数
732
第2種兼業農家戸数
2,500
3,000
256
2,650
H17
2,473
H22
(年)
2,430
田
3,500
271
2,747
H12
1,093
(ha)
2,000
2,844
H7
1,223
122
0
2,000
1,348
154
経営耕地面積の推移
(戸)
1,000
225
194
69
67
53
41
173 39
畑(樹園地除く)
樹園地
(資料:矢板市統計書 H24 年版、農林業センサスより)
(観光)
観光客入込数は、全体的に増加傾向を継続しています。平成 22(2010)年から入込客数集
計方法の変更により減少となっていますが、平成 23(2011)年の「道の駅やいた」のオープ
ンなどにより、
平成 23(2011)年、
平成 24(2012)年は大幅に増加しました。観光客宿泊数は、
平成 14(2002)年の約 3 万人をピークに減少し、平成 18(2006)年以降は横ばい状況です。平
成 23(2011)年は東日本大震災の影響を受け減少しましたが、平成 24(2012)年には回復して
います。
観光客入込数(人)
1,400,000
観光客宿泊数(人)
観光客入込数・宿泊数の推移
28,040
25,935
1,200,000
30,000
観光客入込数
観光客宿泊数
24,857
25,000
20,946
1,000,000
18,005
19,589
18,745
19,501
18,748
20,000
16,632
800,000
14,216
1,385,082 1,392,354
15,000
600,000
1,056,969
400,000
831,101
836,688
823,821
807,587
808,993
832,965
10,000
827,536
595,816
5,000
200,000
0
H15
H16
H17
0
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24 H25(年)
(資料: 栃木県観光交流課 観光客入込数・宿泊数推定調査より)
22
2
矢板市の環境と主な課題
1
自然環境
(1)概況
市域は、亜高山帯からなる高原山をはじめ、年平均気温 13℃前後の冷温帯(温帯)から
暖温帯(暖帯)への推移帯に属しているため、多様な生物相からなっています。北部には
山岳・森林地帯が広がり、その大部分をなす高原山の中腹には八方ヶ原や宮川渓谷の清流
などがあり、自然の宝庫となっています。
● 北部の高原山や八方ヶ原一帯は日光国立自然公園となっています。
(国立公園の面積約
25k㎡で、第 2 種・第 3 種特別地域と普通地域が広がっています。)
● 木幡神社境内林や寺山観音寺境内林は県の緑地環境保全地域に指定されています。
●
剣ヶ峰山頂付近や八方ヶ原には、亜高山帯針葉樹林(イラモミ群落やマイズルソウコメツガ群集)
、コケモモ-トウヒクラス域やブナクラス域の落葉広葉樹林の自然植生や
代償植生が生育するなど自然度の高い植生が広がっています。
● ブナ・ミズナラなどの天然林が広がる東高原、尚仁沢(塩谷町と一体となった地域)
は、自然環境保全地域に指定されています。
● 山麓地や丘陵地の大半はスギ・ヒノキ・サワラ植林地ですが、ヤブツバキクラス域代
償植生のクリ-コナラ群集やヤマツツジ-アカマツ群集が点在しています。
矢板市の植生
(環境省 1/25,000 植生図 H22・23 年度調査・作成より)
23
● 高原山には、水源の森・百選の「高原山水源の
森」が広がり、内川や箒川、荒川の水源地となっ
ています。
● 市域には、自然環境保全地域に指定されている
尚仁沢湧水(塩谷町と一体となった地域)をはじ
め、倉掛湧水など数多くの湧水が見られます。
● 市域の 6 割を占める森林の多くは民有林で、ス
ギ・ヒノキ・サワラの植林地からなります。民有
林の約 3 割が保安林で、その 9 割が水源かん養林
となっています。
● 市域には、ケヤキやスギ、イチョウ、カヤ、イ
ラモミジなどの巨樹・巨木林が数多く見られます。
巨樹・巨木林は、県や市の天然記念物に指定され
ているもののほか、
社寺林などが数多くあります。
昔から信仰の対象として、また故事伝承が伝えら
れるなど、地域の人々に親しまれています。
● 本市の特徴的な地形や地質、多様な自然環境を
反映し、
高原山の景観や噴出物などの地形・地質、
植物群落の単一群落や複合群落のほか、種子植物
やシダ植物、蘚苔類、昆虫類や鳥類、両生類、爬
虫類、魚類など、計 191 種が栃木県のレッドリス
トとなっています。
魚類の絶滅危惧種※Ⅰ類になっているミヤコタ
ナゴは、関東地方のきれいな湧水が流れる小川に
生息する日本特産の魚です。近年は矢板市と大田
原市、千葉県のごく一部に生息が確認されている
だけで、国の天然記念物となっています。
●
● 山田地区の箒川右岸の崖には、ワシタカ類のチ
ョウゲンボウ繁殖地があり、県の天然記念物に指
定されています。
● 泉地区をはじめ、市内にはホタルの生息地が各
地で見られ、市では平成 14(2002)年から「ほたる
の里づくり事業」を進め、12 ヵ所が指定されてい
ます。
● 市では水生生物を指標として水質を把握するた
め、箒川と内川で底生生物を中心とした生物調査
を行っています。両河川とも流況や河床の状態な
ど水生生物生息環境は安定しており、年間を通し
て良好な水質を維持しています。
24
(2)自然環境の現状について-市民意識など-
環境意識調査結果によると、市民、児童・生徒、事業者の 8 割以上が、山や森林などの
自然が豊かであると考えています。また、水田・畑・果樹園など農地の豊かさや生物の多
様さも豊かであると考えているなど、全般的に自然や自然とのふれあいが豊かであると考
えています。
-市民-
0%
20%
山や森林・雑木林などの自然の豊かさ
山や森林などの自然の豊かさ
40%
60%
39.9%
水田・畑・果樹園など農地の豊かさ
水田・畑・果樹園など農地の豊かさ
49.0%
25.7%
動植物、昆虫、野鳥など、生物の多様さ
動植物、昆虫、野鳥など生物の多様さ
57.4%
14.0%
河川や湖沼などの豊かさと水辺のふれあい
河川や湖沼などの豊かさと水辺のふれあい
9.1%
街路樹や公園など、街中の緑の豊かさ
街路樹や公園など街中の緑の豊かさ
8.2%
18.9%
51.6%
26.5%
45.4%
20%
山や森林・雑木林などの自然の豊かさ
山や山林などの自然の豊かさ
6.4% 7.9%
32.5%
どちらかといえば豊かでない
0%
7.2%
3.1%
4.0% 7.2%
23.2%
50.1%
とても豊か
どちらかといえば豊か
-児童・生徒-
100%
3.9% 6.3%
1.0%
6.7%
8.6%
1.6%
57.5%
13.3%
里地里山の景観や自然とのふれあいの豊かさ
里地里山の景観や自然とのふれあい
80%
6.9% 7.0%
豊かでない
40%
60%
38.6%
80%
44.0%
無回答
100%
8.9% 4.5%
4.0%
街路樹や公園など、緑の豊かさ
街路樹や公園など、緑の豊かさ
31.7%
昆虫野鳥などの小動物や植物の種類の多さ
昆虫、野鳥などの小動物や植物の種類の多さ
河川や沼など、水辺とのふれあいの場
河川や沼など、水辺とのふれあいの場
24.6%
-事業者-
少しは豊か
23.3%
0%
20%
豊かでない
60%
80%
100%
1.3%
7.6%
10.1%
46.8%
31.6%
10.1%
わからない・無回答
60.8%
34.2%
河川・湖沼など、水資源や水辺とのふれあい
河川・湖沼など、水資源や水辺とのふれあい
11.9%
51.9%
26.6%
里地・里山の景観や自然とのふれあいの豊かさ
里地・里山の景観や自然とのふれあいの豊かさ
11.9%
8.4%
40.5%
40.5%
動・植物、昆虫、野鳥など、生物の多様さ
動植物、昆虫、野鳥など、生物の多様さ
8.5%
15.0%
18.5%
57.0%
水田・畑・果樹園など農地の豊かさ
水田・畑・果樹園など農地の豊かさ
どちらかといえば豊か
どちらかといえば豊か
40%
7.6% 6.1%
9.2%
18.5%
34.3%
山や森林の自然や林産資源の豊かさ
山や森林・雑木林の自然や林産資源の豊かさ
とても豊か
18.0%
39.8%
どちらかといえば豊かでない
街路樹や公園など、街中の緑の豊かさ
街路樹や公園など、街中の緑の豊かさ
15.0%
39.6%
18.4%
里山や自然とのふれあい 里山や自然とのふれあい
とても豊か
39.6%
43.0%
19.0%
57.0%
どちらかといえば豊かでない
どちらかといえば豊かでない
16.5%
29.1%
豊かでない
無回答
【注】市民、児童・生徒、事業者の環境意識調査では、対象により設問内容が少し異なっています。上図では調査実
施時での設問内容をそのまま用いています。なお、児童・生徒には家の周りの環境としてたずねています。
25
(3)主な課題-自然環境の保全・再生に向けて-
本市は、高原山とその山麓に広がる里地里山の豊かな緑と水、そこに生息・生育する多
様な生物などの自然環境に恵まれています。こうした豊かな自然環境から私たちはさまざ
まな恵みを受け継いできました。
しかし、
こうした森林や農地、
水辺などの維持管理に貢献してきた農林業従事者の減少、
森林の荒廃、農地の減少や耕作放棄地の増加などにより、里地里山おける多面的な環境保
全機能の維持管理が困難になってきています。
今後、私たちは、市域における自然環境と私たちの生活や産業との関わりなどを学び、
自然環境への理解を深め、自然との共生について考えていくことが大切です。そして、こ
の豊かな自然を維持・保全し、持続可能な社会の基盤(資源)として適切に活用し、より
良好な状態で将来世代に引き継いでいくことが求められています。
■ 高原山・八方ヶ原・県民の森などの豊かな自然環境や自然景観の保全と継承、清流や湧
水の保全など源流地域としての良好な水環境の確保
■ 野生動植物の生息・生育環境や生態系の保全など生物多様性の保全と再生
■ 水源かん養や二酸化炭素吸収、生物多様性保全など、森林の環境保全機能の向上と森林
資源の活用
■ 豊かな自然の恵みを活かした地産池消や循環型エネルギー利用の推進
■ 里山や水辺、農地の保全と再生など、豊かな里地里山とのふれあいの増進
■ 自然と共生した環境利用や自然災害からの安全の確保
26
2
生活環境
(1)概況
大気や水質などの生活環境は全般的に改善傾向にあり良好な状態となっています。反面、
福島第一原子力発電所事故による放射性物質による環境汚染や微小粒子状物質(PM2.5※)
、
有害化学物質などによる健康への影響など、新たな環境問題への関心が高くなってきてい
ます。また、道路沿いのごみの散乱、市街地での空き地・空き家問題など、快適な生活環
境の確保に向けた問題なども顕在化してきています。
(大気環境)
一般大気環境は光化学オキシダント※を除く項目で、自動車排出ガスは浮遊粒子状物
質※(短期的評価)を除く項目で、それぞれ環境基準※を達成(平成 24(2012)年度)して
います。
●
● 平成 21(2009)年に環境基準※が設定された微小粒子状物質(PM2.5※)については、
県及び市では、県内濃度の1日あたりの平均値が 70μg/m3 を超えると予想される場合
に、県防災メール提供システムや光化学スモッグ ※情報登録者へのメール配信などによ
り注意喚起情報を知らせることになっています。
● 有害大気汚染物質※については、市内に測定地点はありませんが、平成 24(2012)年度
では県内全ての地点で環境基準※を達成しています。
(水環境)
● 河川水質は内川に環境基
準※(A類型※)が設定され
ています。水質の代表指標
である生物化学的酸素要求
量(BOD※)では環境基準
※
を達成しているなど、水質
は全般的に改善されてきて
います。
● 生活河川や農業用水の水
質については、BOD ※ 濃
度が調査年や調査地点によ
って高い値を示すことがあ
るものの、生活排水対策な
どにより改善傾向となって
います。
那珂川水系・内川(環境基準※:A類型※)
環境基準地点(旭橋)における水質経年変化(BOD75%値、年平均値)
(単位:mg/ℓ)
環境基準A類型(2.0mg/ℓ以下)
2.0
(資料: 栃木県水質年表
栃木県環境白書より)
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
旭橋BOD75%値
旭橋年平均値
(環境基準地点)
田中橋BOD75%値
田中橋年平均値
(水質測定地点)
0.0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
生活排水処理人口普及率の推移
80%
66.8%
60%
40%
H24
年度
39.3%
34.7% 36.5%
51.8% 53.1%
47.1% 48.9% 49.6%
43.3% 45.4%
59.2%
63.5%
● 本市の生活排水処理の人
口普及率は平成 24(2012) 20%
(資料:矢板市統計書より)
年度で 66.8%となってい
0%
ます。地形や土地利用の制
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
年度
約もあり、公共下水道の普
及率は約 30%となっていますが、単独処理浄化槽やし尿汲取りから公共下水道や合併処
理浄化槽への更新が進んできています。
27
(土壌・地下水汚染)
● 地下水の汚染として硝酸性窒素や亜硝酸性窒素による汚染は見つかっていますが、平
成 24(2012)年度の調査では環境基準※を超えた地点はありません。
● 土壌汚染については、土壌汚染対策法に基づく区域指定はありません。
(騒音・振動、悪臭)
● 公害苦情処理件数は年度によって苦情内容や件数は異なり、特定の傾向は認められま
せん。平成 20(2008)年度~平成 25(2013)年度の平均苦情件数は 3.8 件ですが、平成
25(2013)年度は水質、騒音に関する件数が増加するなど 4 件となっています。
(化学物質)
● 私たちは、食品、自動車、洗剤、化粧品、医薬品などさまざまなところで、たくさん
の化学物質を利用して生活しています。化学物質は、その生産、使用及び廃棄の仕方に
よっては人の健康や生態系に影響を及ぼすおそれがあります。こうした環境リスク ※を
低減させていくため、国により事業所を対象に化学物質排出把握管理促進法(PRTR
法※)による化学物質の排出や移動の把握を行っています。
(放射性物質による環境汚染対策など)
●
平成 23(2011)年の福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質による環
境汚染については、身近な生活環境の場を中心に除染対策が進められ、空間放射線量 ※
も改善されてきています。また、生活空間の空間放射線量調査や給食、水道水、農畜産
物の放射性物質含有量の検査と結果の公開など、市民生活の安心・安全の確保に努めて
います。しかしながら、除染に伴い発生した廃棄物の処理や、各施設で一時保管してい
る指定廃棄物※の処理などが今後の課題として残されています。
● 市民環境意識調査結果でも放射性物質による汚染問題について、
「住宅や身近な生活空
間での放射線量の監視と除染」を除く各項目とも、満足より不満が高くなっています。
また、自由記載意見でも指定廃棄物処分場建設や健康診断など安心の確保などに対する
意見が多く寄せられています。
放射性物質による汚染問題について-市民-
0%
住宅や身近な生活空間での放射線量の監視と除染
住宅や身近な生活空間での放射線量の監視と除染
田畑など農地の放射線量の監視と除染
田畑など農地の放射線量の監視と除染
20%
4.2%
40%
42.4%
80%
33.7%
36.6%
100%
11.8%
39.4%
10.7%
8.0%
10.5%
2.8%
山林や河川・湖沼などの放射線量の監視と除染
山林や河川・湖沼などの放射線量の監視と除染
32.7%
2.4%
矢板市による子供たちや市民の健康管理の徹底 2.1%
矢板市による子供たちや市民の健康管理の徹底
31.7%
41.3%
19.5%
1.0%
国による除染への予算配分と除染対策
15.4%
国による除染への予算配分と除染対策
0.6%
国による放射性物質により汚染された廃棄物の
国による放射性物質により汚染された廃棄物の処分… 10.1%
処分場の決定方法
0.9%
どちらかといえば豊か
どちらかといえば満足
28
12.3%
40.1%
除染により集められた放射性物質の保管方法
除染により集められた放射性物質の保管方法
とても豊か
とても満足
60%
15.5%
44.3%
23.8%
41.2%
29.2%
31.5%
52.6%
どちらかといえば豊かでない 豊かでない
どちらかといえば不満
大いに不満
11.3%
10.5%
11.5%
11.3%
7.2%
無回答
無回答
(2)生活環境の現状などについて-市民意識など-
環境意識調査結果によると、生活環境に関する満足度では、市民、児童・生徒、事業者
とも、空気のきれいさや騒音・振動の少なさに対する満足度は高くなっています。
しかし、まちの清潔さ(ごみの散乱や不法投棄など)に対する満足度は、市民、児童・
生徒、事業者とも 50%以下と低くなっています。
0%
-市民-
20%
空気(大気)のきれいさ 空気(大気)のきれいさ
悪臭のすくなさ
60.7%
13.1%
55.0%
6.3%
55.2%
歴史や文化とのふれあい歴史や文化とのふれあい
54.2%
2.5%
まちの清潔さ(ごみの散乱や不法投棄など)
まちの清潔さ(ごみの散乱や不法投棄など)
80%
100%
11.5%
7.1%
1.7%
13.7%
7.2%
3.1%
21.1%
7.2%
3.7%
28.7%
7.7%
2.1%
32.5%
8.0%
2.9%
41.9%
9.4% 6.8%
60.6%
15.3%
騒音・振動の少なさ
河川・湖沼の水質のきれいさ
河川・湖沼の水質のきれいさ
60%
19.1%
悪臭の少なさ
騒音・振動の少なさ
40%
39.7%
2.2%
とても満足
どちらかといえば満足
-児童・生徒-
どちらかといえば不満
0%
市の田園風景や景色
市の田園風景やけしき
空気(大気)のきれいさ
空気(大気)のきれいさ
20%
100%
11.1%
14.7%
市の清潔さ(ごみの散乱、不法投棄がない)
市の清潔さ(ごみの散乱、不法投棄がない)
6.9%
空気(大気)のきれいさ
17.7%
41.4%
20%
空気(大気)のきれいさ
大いに不満
6.3%
まちの清潔さ(ごみの散乱、不法投棄など)
まちの清潔さ(ごみの散乱や不法投棄など)
6.3%
63.3%
68.4%
51.9%
40.5%
街並みや里地の景観 5.1%
どちらかといえば満足
どちらかといえば満足
80%
100%
63.3%
13.9%
歴史や文化とのふれあい歴史や文化とのふれあい
6.4%
わからない・無回答
69.6%
21.5%
河川・湖沼の水質のきれいさ
河川・湖沼の水質のきれいさ
10.0%
10.3%
60%
31.6%
17.2%
7.9%
33.7%
40%
16.5%
悪臭の少なさ
4.8%
26.1%
37.7%
どちらかといえば不満
8.4%
1.6%
9.5% 4.7%
22.4%
45.1%
0%
騒音・振動の少なさ
14.0%
35.6%
11.9%
放射能による環境汚染への除染の進みぐあい
とても満足
どちらかといえば満足
-事業者-
43.3%
27.9%
河川や沼の水のきれいさ河川や沼の水のきれいさ
とても満足
とても満足
44.9%
32.7%
15.1%
街並みや里地の景観
無回答
80%
3.7%
市の歴史や文化財が多い市の歴史や文化財が多い
悪臭の少なさ
60%
33.3%
交通や工事などの騒音(うるさい音)がない
交通や工事などの騒音(うるさい音)がない
騒音・振動の少なさ
大いに不満
40%
40.5%
どちらかといえば不満である
どちらかといえば不満である
31.6%
41.8%
36.7%
大いに不満である
大いに不満である
3.8% 1.3%
10.1%
2.5%
11.4%
3.8%
13.9%
1.3%
10.1%
10.1%
17.7%
無回答
無回答
【注】市民、児童・生徒、事業者の環境意識調査では、対象により設問内容が少し異なっています。上図では調査実
施時での設問内容をそのまま用いています。なお、児童・生徒は、家のまわりの環境としてたずねています。
29
(3)主な課題-生活環境の保全に向けて-
市民の健康と安全・安心を確保していく上で、大気や水質など環境汚染の監視と改善、
放射性物質による環境汚染への対応、ごみの散乱防止など安心して暮らせる安全で快適な
まちづくりを進めていく必要があります。
■ 良好な大気環境の保全、微小粒子状物質(PM2.5※)など新たな大気環境問題への対応
■ 源流地域としての河川や水辺の良好な水質の保全、土壌汚染や地下水汚染の防止
■ 放射性物質による環境汚染からの安全・安心の確保
■ ごみの散乱防止や空き地・空き家対策など、居住環境の美化や快適さの確保と創造
■ 地域の歴史や文化、文化財の保護・保全、歴史的・文化的環境とのふれあいの向上
■ 環境や人にもやさしい交通体系の整備
30
3
廃棄物
(1)概況
市内のごみの発生量は減少傾向にあり、市民 1 人 1 日当たりのごみの排出量も全国平均
や県平均を下回っています。市内から排出されるごみは、塩谷広域行政組合により関係市
町と一緒に処理を行い、最終処分を民間に委託しています。
● ごみの総発生量は減少傾向にあり、平成 25(2013)年度は平成 13(2001)年度比 5.7%減
少となっています。特に事業系ごみの発生量は一貫して減少してきています。
● 市民 1 人 1 日当たりのごみの排出量は平成 17(2005)年度の 871g/人・日をピークに
減少しており、平成 22(2010)年度は 814g/人・日と平成 17(2005)年度比 6.4%減少しま
したが、平成 23(2011)年度以降は再び増加しています。また、全国平均や栃木県平均に
比べ排出量は少ないものの、塩谷広域行政組合の中では最も多くなっています。
● ごみの収集量は、東日本大震災の影響が考えられる平成 23(2011)年度を除くと、可燃
ごみ、不燃物、粗大ごみ、資源物とも減少傾向が見られます。特に資源物の収集量は減
少しています。
● ごみ処理は、塩谷広域環境衛生センターで可燃ごみの焼却処理、不燃ごみ及び粗大ご
みの破砕処理を行っています。焼却残渣と選別・破砕残渣は民間の最終処分場で埋立処
分(一部の焼却灰は溶融処理)
、資源物は民間事業者で資源化しています。
● 平成 2(1990)年に建設された塩谷広域環境衛生センターや粗大ごみ処理施設が稼働後
20 年以上経ち、老朽化が進み処理能力が低下したこと、持続可能な社会をめざした新た
な循環型社会の構築を図っていく必要があることなどから、新たな処理施設の整備が進
められています。
(t/年)
12,000
10,000
ごみ発生量と 1 人 1 日当たりの総排出量の推移
11,376
11,254
864
11,000
10,854
10,647
10,641
10,621
862
854
852
844
837
824
8,000
(g/人・日)
900
11,063
800
814
6,000
4,000
700
ごみ発生量
2,000
1人1日当たり総排出量
0
600
H18
H19
H20
2,154
2,042
1,772
1,759
261
232
306
221
325
234
8,000
H22
H23
H24
H25
年度
ごみの収集状況等
t/年
12,000
10,000
H21
1,716
1,715
275
218
240
276
243
241
1,561
1,672
240
209
250
198
資源物
6,000
粗 大
4,000
8,663
8,685
8,735
8,602
8,448
8,831
8,501
8,631
不燃物
可燃物
2,000
0
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25 年度
(資料: 一般廃棄物処理基本計画、矢板市統計書及び事務資料より)
31
(2)ごみの減量化などについて-市民意識など-
環境意識調査結果によると、市民、児童・生徒、事業者とも、ごみの減量化と適正処理
について、
「ごみの分別やリサイクルへの取組、資源の再利用」と「ごみの減量化(ごみの
発生抑制、生ごみの堆肥化など)
」とも満足度は 60%以上と、全般的に高い傾向が見られ
ます。
-市民-
0%
20%
ごみの分別やリサイクルへの取組、資源の再利用
ごみの分別やリサイクルへの取組、資源の再利用
7.3%
ごみの減量化(ごみの発生抑制、生ごみの堆肥化など)
ごみの減量化(発生抑制、生ごみの堆肥化など)
3.7%
80%
23.5%
57.8%
28.1%
どちらかといえば不満
20%
40%
ごみの分別やリサイクル、資源の再利用
ごみの分別やリサイクル、資源の再利用
35.7%
大いに不満 80%
60%
41.5%
100%
6.3%
2.3%
8.5%
2.0%
無回答100%
8.7%
12.1%
1.9%
レジ袋や生ごみを減らしごみの発生を少なくする
レジ袋や生ごみを減らしごみの発生を少なくする
21.9%
ごみの分別やリサイクルへの取組、資源再利用
ごみの分別やリサイクル、資源の再利用
とても満足
どちらかといえば満足
50.1%
12.6%
12.7%
2.7%
放射能により汚染された廃棄物の処分
放射能により汚染された廃棄物の処分 11.4%
0%
-事業者-
産業廃棄物の処理
60%
60.6%
とても満足
どちらかといえば満足
0%
-児童・生徒-
ごみの減量化(発生抑制、生ごみの堆肥化など)
ごみの減量化(ごみの発生抑制、生ごみの堆肥化など)
40%
20.8%
20%
17.4%
12.9%
40%
10.1%どちらかといえば不満64.6%
6.3%
60.8%
産業廃棄物の処理 7.6%
57.0%
60%
大いに不満
とても満足
どちらかといえば満足
どちらかといえば不満である
とても満足
どちらかといえば満足
どちらかといえば不満
37.5%
80%
100%
22.8%
わからない・無回答
24.1%
24.1%
大いに不満である
大いに不満
2.5%
5.1%
3.8%
5.1% 6.3%
無回答
無回答
【注】市民、児童・生徒、事業者の環境意識調査では、対象により設問内容が少し異なっています。上図では調査実
施時での設問内容をそのまま用いています。
(3)主な課題
私たちの便利な社会生活は、さまざまな資源を大量に消費し、廃棄するという社会のし
くみにより形成されてきました。しかし、生活が豊かで便利になることに伴い廃棄物の量
が増大し、その処理や処分に膨大なコストがかかってきています。私たちが社会生活を営
んでいく上で、毎日発生する廃棄物をどのように活用し、減らしていくかが大きな課題と
なっています。
廃棄物は自区内処理を原則としており、将来に渡る廃棄物処理施設の維持管理や最終処
分場の確保などにさまざまな課題が残されています。そのため、廃棄物の減量化とリサイ
クルの推進など、循環型社会の構築が重要な課題となっています。
■ ごみ減量化の一層の推進
■ 3Rの推進、リサイクルに比べ取組が遅れているリデュース・リユースの強化
■ 適正な廃棄物処理の推進
■ 災害時廃棄物処理対策の推進など、安全が確保される社会の構築
32
4
エネルギー・地球温暖化など
(1)概況
今日のゲリラ豪雨や竜巻など異常気象の発生をはじめ、地域の平均気温の上昇などは、
地球温暖化に伴う気候変動が大きな要因の1つであるといわれており、地球温暖化対策は
地球規模での取組が喫緊の課題となっています。地球温暖化は、産業革命以降における私
たち人類の活発な産業活動に伴う石油などの化石燃料の燃焼により大量に排出される二酸
化炭素などの温室効果ガス※の大気中の濃度が高まり、熱の吸収が増えた結果、地球の気
温が上昇していることを言います。
● 市内からの二酸化炭素(CO2)の
総排出量(参考値)は、京都議定書
基準年の平成 2(1990)年度排出量と
比べ、平成 22(2010)年度は 12.6%増
加しています。なお、東日本大震災
以降、
平成 23(2011)年度は 2%減少、
平成 24(2012)年度は約 25%減少と
なっています。
(1,000t-CO2)
500
市域からの温室効果ガス※排出量の推移
3
400
3
67
300
5
82
41
48
44
6
80
81
53
34
28
3
80
38
40
41
廃棄物部門
3
80
45
5
55
運輸部門
80
44
業務部門
200
58
263
264
300
254
273
46
家庭部門
108
産業部門
204
100
●
平成 24(2012)年度の部門別排出
0
H2
H19
H20
H21
H22
H23
H24
量割合は、産業分野が 36%と前年度
(1990)
(2007)
(2008)
(2009)
(2010)
(2011)
(2012)
までの 50~60%から大きく減少し
(資料:環境省 地球温暖化対策実行計画地方公共団体(区域施策
編)策定支援サイトより)
ています。次いで、運輸部門が約
27%、業務部門約 20%、家庭部門 16%となっています。
● 産業部門全体の 8 割以上が製造業からの排出ですが、排出量は大きく減少しています。
● 運輸部門は全体の約 6 割が自家用車やバスなど旅客自動車からの排出で、貨物自動車
からの排出量は 4 割弱となっています。
● 電気も火力発電所などの化石燃料の燃焼により作られていますので、電気を使用する
ことも二酸化炭素の排出量の増加につながっています。
● エネルギー利用状況については、県全体で見ると、電力需要量や都市ガス販売量は近
年横ばい傾向が見られるものの、経済・社会情勢と連動し大きく変化しています。
● ガソリンなど石油製品(燃料油)販
売量は重油や灯油を中心に平成
17(2005)年度以降減少しており、平成
23(2011)年度は平成 17(2005)年度比
27%減少となっています。
● 市内の自動車登録台数は、乗用車を
中心に減少傾向にありますが、軽自動
車の保有台数は増加しています。
● 再生可能エネルギーとして太陽光発
電の導入が進められています。矢板南
産業団地にメガソーラーパークがあり、
現在年間約 700 万kWhの発電が行わ
れています。
栃木県内の石油製品(燃料油)販売量
(単位:kl(キロリットル))
4,000,000
重油
3,500,000
軽油
3,000,000
灯油
884,240
875,395
670,923
2,500,000
2,000,000
1,500,000
730,742
733,620
570,267
528,124
718,489
478,464
488,977
711,907
416,660
ガソリン
400,694
298,552
265,178
687,386
629,504
648,019
385,335
342,789
323,639
296,613
1,087,658
229,761
639,278
1,000,000
500,000
1,221,687
1,226,673
1,232,076
1,235,845
1,151,396
1,148,792
1,159,020
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
0
H23 (年)
(資料:栃木県統計年鑑(H24 年度版)、石油連盟より)
33
(2)省エネやエネルギーの有効利用について-市民意識など-
環境意識調査結果によると、市民、児童・生徒、事業者とも地球温暖化問題への関心が
高く、再生可能エネルギーを利活用することへの関心も高い傾向が見られます。省エネル
ギーやエネルギーの有効利用に対する満足度では、地産地消の取組(地場農産物などの活
用)が 60%前後と高い反面、バス・鉄道など公共交通の利便性と再生可能エネルギーの利
活用に対する満足度は 30~40%前後と低くなっています。一方で、事業者からの回答では
物流の利便性に対する満足度が高くなっています。
-市民-
0%
地産地消の取組(地場農産物などの活用)
地産地消の取組(地場農産物等の活用)
20%
6.5%
60%
80%
54.5%
100%
27.0%
9.1%
2.8%
バス・鉄道など公共交通の利便性
バス・鉄道など公共交通の利便性
再生可能エネルギーの利活用
再生可能エネルギーの利活用
40%
31.2%
40.3%
18.3%
6.9%
3.3%
31.8%
46.5%
9.3%
11.3%
1.2%
-児童・生徒-
とても満足
どちらかといえば満足
0%
どちらかといえば不満
20%
40%
地産地消(地域の農作物を地域で活用)
地産地消の取組(地域の農作物を地域で活用)
39.1%
バス・電車など、交通の便利さ
バス・鉄道など、交通の便利さ
37.0%
16.3%
とても満足
どちらかといえば満足
0%
-事業者-
物流の利便性が良い
35.3%
どちらかといえば不満
20%
40%
物流の利便性が良い 6.3%
地産地消の取組(地場農産物等の活用)
地産地消の取組(地場農産物などの活用)
バス・鉄道など公共交通の利便性
バス・鉄道など公共交通の利便性
近くに関連事業所が立地
近くに関連事業所が立地
再生可能エネルギーの利活用
再生可能エネルギーの利活用
38.8%
27.2%
太陽光、風力、水力など自然エネルギー利用
太陽光、風、水力など自然エネルギー利用
大いに不満 80%
60%
14.8%
大いに不満
60%
58.2%
8.9%
6.1%
13.8%
2.1%
18.5%
9.5%
7.7%
5.6%
28.0%
わからない・無回答
80%
100%
29.1%
50.6%
39.2%
無回答100%
32.9%
38.0%
6.3%
6.3%
1.3%
19.0%
3.8%
36.7%
44.3%
7.6%
10.1%
1.3%
29.1%
53.2%
11.4% 2.5%
3.8%
とても満足どちらかといえば満足
どちらかといえば満足
どちらかといえば不満
とても満足
どちらかといえば不満である
大いに不満
大いに不満である
無回答
無回答
【注】市民、児童・生徒、事業者の環境意識調査では、対象により設問内容が少し異なっています。上図では調査実
施時での設問内容をそのまま用いています。
(3)主な課題-環境負荷の少ないまちづくりに向けて-
今日のさまざまな環境問題は、地球温暖化とも密接に関わっています。そのため、地域
の環境問題や地球温暖化問題に対する理解を深め、省資源・省エネルギーや化石燃料に頼
らない再生可能エネルギーの活用など、みんなで環境負荷の少ないまちづくりを進め、市
域から排出される温室効果ガス※の削減など、地域から地球温暖化問題に貢献していく必
要があります。
■ 環境教育や環境学習による地球温暖化問題に対する理解の増進
■ 省資源・省エネルギー対策や行動の促進、エネルギーの有効利用
■ 自立・分散型エネルギー源として、化石燃料に頼らない太陽光発電などの再生可能エネ
ルギーの利用促進と普及(創エネ※)
■ 環境負荷の少ない低炭素型都市づくりの推進
■
国・県の地球温暖化対策と連携した市域からの温室効果ガス※排出量の削減に向けた総
合的な取組の推進
34
5
環境保全活動
(1)概況
地球環境問題をはじめとする様々な環境問題を解決し、持続可能な社会を基盤とした個
性あるまちづくりを進めていくためには、行政のみならず、市民、事業者との相互理解と
協働による取組が不可欠になっています。
市では、市民との協働により、豊かで自立した地域社会の実現をめざしていくための基
本的な考え方(自治体運営のルール)を示した「矢板市まちづくり基本条例」を平成
23(2011)年 3 月に制定し、時代の変化に対応した個性あるまちづくりを進めていくことに
しました。また、平成 24(2012)年 7 月には、すべての市民が将来に夢と希望を持ち、住ん
で良かったと思えるまちを実現するために「矢板市市民協働推進指針」を策定し、市民が
主役の地方自治の確立に向けて、市民と行政との「協働のまちづくり」を進めていくこと
にしました。
さらに、環境に関わる社会情勢の変化や課題に市民・事業者・市が一体となって取組を
進めていくために、平成 25(2013)年 6 月に「矢板市環境基本条例」を制定し、自然と共生
した環境負荷の少ない持続可能なまちづくりを進めていくこととしました。
(2)環境保全活動への参加や協力について-市民意識など-
環境意識調査結果では、市民の環境保全活動への協力や参加として、地産池消や子ども
会などの資源回収に加え、身近な生活空間での清掃・美化活動に取り組んでいます。一方
で、環境教育や環境学習、環境イベントなどへの参加や協力は少なくなっています。事業
者の回答では、市からの依頼や業務に関連する環境保全活動に協力したいとの考えが多く
見られます。
市や地域、市民団体による環境保全活動への協力について
-市民-
0%
20%
地元の農産物の活用など、地産地消への協力
地元の農産物の活用など、地産池消への協力
17.0%
自治会や子ども会が行う資源回収への参加や協力
自治会や子ども会が行う資源回収への参加や協力
下草刈りや間伐、植樹など里山の再生活動への参加
下草刈りや間伐、植樹など里山の再生活動への参加
29.5%
10.4%
2.4%
3.4%
31.9%
46.0%
15.6%
3.9%
44.1%
12.9%
5.0%
56.8%
100%
12.3%
2.6%
18.9%
24.3%
23.4%
5.1%
80%
22.6%
33.6%
18.7%
自然観察会や体験学習、環境イベントへの参加や協力
自然観察会や体験学習、環境イベントへの参加や協力
60%
45.6%
20.8%
身近な水辺や公園、道路の清掃、美化活動への参加
身近な水辺や公園、道路などの清掃、美化活動への参加
地域や学校の環境教育や環境学習への参加や協力
地域や学校の環境教育や環境学習への参加や協力
40%
6.1%
16.4%
21.6%
24.9%
21.1%
3.1%
いつも取り組んでいる
いつも取り組んでいる
どちらかといえば取り組んでいない
どちらかといえば取り組んでいない
あてはまらない・無回答
あてはまらない・無回答
-事業者-
市や行政から依頼があれば協力したい
市や行政から依頼があれば協力したい
業務に関連する活動なら進んで協力したい
業務に関連する活動なら進んで協力したい
商店街や自治会から依頼があれば協力したい
商店街や自治会から依頼があれば協力したい
業務に関わらず積極的に協力したい
業務に関わらず積極的に協力したい
従業員個人の活動への参加は支援したい
従業員個人の活動への参加は支援したい
関連事業所や団体が参加すれば協力したい
関連事業所や団体が参加すれば協力したい
多数の従業員の意向であれば協力したい
多数の従業員の意向であれば協力したい
参加や協力するつもりはない
参加や協力するつもりはない
0%
20%
40%
60%
51.9%
40.5%
25.3%
24.1%
20.3%
17.7%
12.7%
0.0%
35
どちらかといえば取り組んでいる
どちらかといえば取り組んでいる
取り組むつもりはない
取りくむつもりはない
80%
100%
(3)主な課題
今日の複雑化・広域化した環境問題に対応し、環境負荷の少ない持続可能な社会を構築
していく上で、市民・事業者の環境保全活動をはじめ、市民・市民団体・事業者・市が相
互に理解を深め、協働により環境の保全と創造に取り組んでいくことが必要になっていま
す。
そのため、環境について学び・知る環境教育や環境保全活動への参加を通して、環境問
題や環境情報を共有し、それぞれが環境に対する意識を高めていくことが大切です。そし
て、幅広い人々や地域との環境に関わる交流を深めながら、環境の保全と創造に携わる市
民・市民団体・事業者・市のネットワークを創りあげていくことが求められています。
■ 環境に関する情報や課題の共有化、環境教育や環境保全活動に関わるきっかけづくりと
参加意欲の向上
■ 環境教育や環境保全活動を進める環境リーダーなどの人材づくり
■ 環境教育・環境学習の推進
■ 市民・事業者による主体的な環境保全活動(行動)の促進
■ 市民・市民団体・事業者・市(行政)との交流と連携のための組織づくり
36