日本版スチュワードシップ・コード:企業と投資家との建設的な対話を促す

<経済用語解説>
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日本版スチュワードシップ・コード
企業と投資家との建設的な対話を促す
スチュワード(steward)とは執事、財産管理人の意味を持つ英語であり、日本版スチュ
ワードシップ・コードとは、「責任ある機関投資家」諸原則を意味します。機関投資家は、
その顧客である投資家の中長期的な投資収益の拡大を図るために、投資先企業やその事業
環境に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」
(エンゲージメント)を行い、
企業価値の向上や持続的成長を促すことが求められます。2010 年に英国で制定されたスチ
ュワードシップ・コードを参考としており、日本ではアベノミクスの「第 3 の矢」(成長戦
略)における重要施策の一つとして 2014 年 2 月に金融庁によって制定されました。
企業の変革により「稼ぐ力」を取り戻すという政府の成長戦略の中で、株主の立場から
企業価値の向上、持続的成長を促す施策として位置づけられています。2014 年 11 月末まで
に 175 の機関投資家が受け入れを表明しました。
本コードには法的拘束力はありませんが、
受け入れを表明した機関投資家は各々の行動指針を HP などで表明しています。
本コードは受益者の投資収支の拡大を目的としており、機関投資家は単に株主として議
決権を行使するだけではなく、投資先企業との対話を通じて当該企業の問題点の改善や持
続的成長を促すことで企業価値を向上させ、中期的な投資収益の拡大を目指すことになり
ます。そのため、機関投資家にはこれまで以上に投資家としてのスキルの向上が求められ
ることになります。
このほかに、東京証券取引所は、上場企業に対して株主との対話を強化することを目的
として、
「コーポレートガバナンス・コード」
(企業統治指針)を策定し、2015 年 6 月より
適用される予定です。株主側、企業側の両方に規定を制定することにより、両者の内側か
らの改革による企業の持続的成長が期待されています。
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