解答例

数学序論演習問題
2015 年 11 月 26 日 (水)
1
数列 {(−1)n } は発散することを示せ.
解答例
(略解)背理法. α ∈ R に収束するとする. このとき ∃N ∈ N, ∀n(n ≥ N ) : |α − (−1)n | < 1 が成り立
つ. よって, α < 0 かつ α > 0 となり矛盾.
2
1. 数列 {an } が正(または負)の無限大に発散するとき, この数列は発散することを示せ.
2. 数列 {an } が正の無限大に発散するとき {an } は(集合として)下に有界であり, 上には有界でない.
3. lim an = −∞ ⇔ lim (−an ) = +∞.
n→∞
n→∞
解答例
(略解)
1. 対偶を示す. {an } が α ∈ R に収束するとする. このとき ∃N1 ∈ N, ∀n(n ≥ N1 ) : an < α + 1
(∃N2 ∈ N, ∀n(n ≥ N2 ) : an > α − 1 )が成り立つので正(負)の無限大に発散しない.
2. ∃N ∈ N, ∀n(n ≥ N ) : an > 0.
L := min{a1 , . . . , aN −1 , 0} とおけば, ∀n ∈ N : an ≥ L.
上に有界でないのは(ほとんど)あきらか.
3. ⇒ のみ示す.
任意の K ∈ R に対し, 仮定より, ∃N ∈ N, ∀n(n ≥ N ) : an < −K が成り立つ.
よって, ∃N ∈ N, ∀n(n ≥ N ) : −an > K が成り立つ.
3
収束列は有界であることを示せ.
解答例
(略解)α に収束するとする. このとき ∃N ∈ N, ∀n(n ≥ N ) : α − 1 < an < α + 1.
L := min{a1 , . . . , aN −1 , α − 1}, M := max{a1 , . . . , aN −1 , α + 1} とおけば, ∀n ∈ N : L ≤ an ≤ M .
4
狭義単調増加数列 {an }(すなわち, ∀n ∈ N : an < an+1 )が α ∈ R に収束するとする. このとき, 任意
の n ∈ N に対し, an < α であることを示せ.
解答例
(超略解)an < an+1 ≤ α.