第 3 回 多節点構造解析における支点条件処理

都市工学ユニット演習
構造工学
第 3 回 多節点構造解析における支点条件処理
支点条件の処理
支点条件の処理については,第1回で説明したように,
荷重項(左辺)の対応する行,剛性マトリックスの対応する行と列,変位項の対応する行を消去
すれよいのだが,拘束された行と列を取り除いて,全体剛性マトリックスのサイズを縮小(圧縮?)
する考え方を,節点数や部材数あるいは支点条件の種類が多い場合に持ち込めば,一つの節点の自
由度がまちまちになるなど,煩雑な処理を行う必要が出てくる.
このような場合には,全体マトリックスのサイズ(連立一次方程式の元数)を減じるのではなく,
拘束された節点自由度に対応する
・ 全体剛性マトリックスの対角要素を‘1’にする
・ 全体剛性マトリックスの非対角要素を‘0’にする
・ 荷重項を‘0’にする
ことで対処が可能となり,プログラムの構成が簡単になる.ただし,拘束節点および拘束自由度が
著しく多い場合など(演習問題 3 のような場合)は,拘束された行と列を取り除いたほうが,メモ
リの節約になる.
例えば,自由度番号=1,i,n のところで拘束を受けている場合は,以下のようになる.
荷重項
1
0
2
3
:
=
:
i
0
:
:
:
n
0
変位項
全体剛性マトリックス
1
2
3
…
i
…
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
…
…
…
n
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
3-1
0
0
0
都市工学ユニット演習
演習課題3.
構造工学
以下の条件により,変位法による多節点トラス構造解析 PG を作成せよ.
フローチャート中の変数名は,「たとえば・・」であり,各人で設定してよい.
宣言事項:暗黙の型宣言
ReDim 宣言(配列変数は全て宣言する)
剛性マトリックス、荷重項は配列のサイズを2倍にしておく
シートからデータの読み込み
適宜、ダイアログボックスなどを
用いても良い
入力:
総節点数 N(総自由度数 NN=2*N),総部材数 M
各部材の断面積 A、ヤング率 E
各節点の座標値 U(I),V(I) [I=1~N],節点荷重 X(I),Y(I)
各節点の支点条件 K(I)
[I=1~N]
[I=1~N]
⇒たとえば,K(I)=0 のとき自由節点, =1 で y 方向固定, =2 で x 方向固定, =3 でピン固定 など
各人でルールを決める.
部材両端の節点番号 P(I),Q(I)
[I=1~M]
部材寸法の計算: 部材長,方向余弦を計算する
剛性マトリックスの作成:(I=1~M の反復ループ中で処理する)
・ (式 1-4)の部材剛性マトリックスを計算して,全体剛性マトリックス ZG(II,JJ)[ II,JJ=1~NN]
に割り付ける.このとき、割り付けられる番地は、
IA = 2 * P(I) – 1、IB = 2 * P(I)、IC = 2 * Q(I) – 1、ID = 2 * Q(I)
の4つ。この4つからできる全ての組み合わせ(4×4=16 個)について、たとえば
ZG(IA, IA) = ZG(IA, IA) +????
のように、1部材ごとに数値を足しこんでいく。
荷重項 DD(II) [ II=1~NN]に、節点荷重 X(I),Y(I)
[I=1~N]を代入する
支点条件の処理
if 文で処理
ガウスの消去法による連立一次方程式の計算
計算が終了した時点で,DD(II) [ II=1~NN]は,節点変位項になっている.
部材の伸び,軸力,支点反力の計算
出力
3-2