保健体育 (3B 加賀谷 武英 教諭)

保健体育科学習指導計画
学級
授
3年B組
業
者
共同研究者
Ⅰ
加賀谷武英
松本
奈緒
単元名と指導のポイント
「リズムダンス」
Ⅱ
37名
目
-動きやアイデアの交流を通したグループワーク-
標
(1)
リズムの特徴をとらえ,変化にまとまりを付けてリズムに乗って全身で踊ることができる。
(2)
互いの違いやよさを認め合う助言や励まし合いによって,自他を高めようと自主的に学習に
取り組むことができる。
(3)
仲間とともにかかわりあって踊ることで楽しさや喜びを味わう運動であることを理解すると
ともに,動きのポイントを見付け,交流の仕方を工夫できるようにする。
Ⅲ
生徒について
3年B組は,男子18名,女子19名の合計37名で,1・2年生で全員がダンス(現代的なリズム
のダンス)の学習を経験している。本単元の実施にあたりダンスの学習に対する事前調査をした
ところ,多くの生徒が「リズムに乗って体を動かすこと」「仲間と一緒に踊ること」「仲間から
動きのよさを認めてもらうこと」に楽しさを感じている。また,昨年度の学習では仲間とともに
作品を仕上げたことに達成の喜びを感じていた。一方で,「恥ずかしさからうまく動けないこ
と」「リズムに合わせた動きを考えること」「動きの構成の話合いが滞ること」に難しさを感じ
ていることも分かった。本単元では,動きづくりの学習においてグループ学習を行わせるが,よ
さを認め合いながら学習を進められるようメンバー構成や役割分担に配慮し,主体的な学びを高
めさせていきたい。
Ⅳ
単元について
現代的なリズムのダンスの学習内容としては,ロックやヒップホップなどのリズムに乗った動
きの習得とその過程で自己の課題に応じた練習の仕方を工夫すること,動きを組み合わせて構成
したものをリズムに乗って全身で踊ることが挙げられる。これらの指導をする中で,仲間ととも
に踊ることで楽しさや喜びを味わい,踊ることを通して他者とのコミュニケーションを豊かにし
ていくことをねらっている。本単元は,1・2年生での既習内容を踏まえ,リズムの特徴をとら
え動きを組み合わせて,できる動きの種類を増やしていくとともに,3年生の「変化とまとまり
を付けてリズムに乗って全身で自由に踊る」ことを強調する内容となる。また,個々のもつ課題
をグループの仲間と共有し,ともに練習することやよさを認め合うことで交流や発表への意欲を
高められる単元である。
Ⅴ
社会に参画する主体の育成を目指して
本単元における「協働的な学び」は,達成感を比較的得られやすい運動やリズムに乗った運
動を通して楽しさや心地よさを味わい,自他の違いやよさを感じ取りながら主体的に運動に取
り組むことで行われると捉えている。また,一人一人が自己の考えをもって運動に取り組むこ
とのできるように「やさしい動きの繰り返し」から「動きに変化のあるもの」へと徐々にステ
ップアップしていく過程を経験させながら,個やグループによる「活動→振り返り」を行い,
仲間との交流をより深められるようにしたい。そしてグループによる協働的な運動課題の解決
を図っていく上で個々の特長を生かした役割分担をしたり,お互いに意見を交わしたり励まし
合ったりする活動の中で,仲間と積極的に関わり合い,大きな達成感を味わわせることで,自
信をもって前向きに社会に参画する主体の育成につなげたい。
動きのポイントをとらえて踊ろうとしている段階を「問い」を練り上げていく場面と考え,
動きのよさを感じ取らせるためのビデオ映像を確認できるようにし,一人一人にめあてを意識
した活動をさせたい。基本となる動きのカードの活用やビデオから動きのよさを視覚的に感じ
取らせるようにする。また,ペアやグループ内で仲間と互いの動きを確かめ合える場面を意図
的に設定し,交流を意識した活動にしていきたい。
Ⅵ
全体計画(総時数5時間)
主
○
な
学
習
活
動
指
学習のねらいや進め方について知 ○
る。
○
導
の
手
立
て
学習のねらいや流れについて可視化できるよう
にする。
ダンスウォームアップをする。
○
踊ることを通して他とのコミュニケーションを
・一斉,ペア練習などを行う。
深めていく雰囲気作りをするために,体や心をほ
○
グループ作りをする。
ぐす運動をペアやグループで行う。
○
基本の動きを習得する。
○
・アップ,ダウンの動き
・歩く,ける,とぶなどの動き
○
発表会に向けての動きづくりを考えたグループ
○
基本の動きを身に付け,動きの種類を増やして
・1×8,2×8のまとまり
いくことができるようにするために動きのカード
・簡単なアレンジ
を活用する。
等
グループで簡単なダンスをつく
2
編成ができるように話し合いの場を設定する。
○
る。
練習などを行う際は,音響などの用具の準備や
片付けを分担し,役割に積極的に取り組めるよう
・動きを組み合わせて構成する。
にする。
○
○
時数
作ったダンスをビデオ撮影して視聴することで
プレ発表会をする。
自分や仲間の動きのよさや改善点を見付けること
・兄弟グループでダンスを披露し
ができるようにする。
合い,動きや組み合わせ方につい ○
てよさを見付けたり,アドバイス
2
本時
グループの話合いは,互いに認め合う場となる 4/5
ようにアドバイスのテーマを明確にする。
し合ったりする。
○
○
グループで動きや組み合わせ方を
るように声をかけ,他のグループのアドバイスか
確認して踊る。
ら得たことを生かして今後の活動を行えるように
・ミニ発表会に向け練習をする。
助言する。
○
○
お互いの運動意欲を高めるための話し合いにな
ミニ発表会をし,学習のまとめを
発表を見合う時は,手拍子や励まし,称賛の言
葉かけができる雰囲気をつくり,お互いのグルー
する。
プの頑張りを認め合えるようにする。
○
単元全体の技能面と仲間との交流について振り
返り,連帯感を高めて気持ちよく活動してきたこ
とを生活につなげられるようにする。
1
Ⅶ
本時の計画
1
ねらい
○
2
リズムや音楽に合わせ,動きの連続の仕方や組み合わせを工夫して踊ることができる。
展
開
過程
問
学
1
習
活
動
場づくり,準備運動をする。
予想される生徒の姿
○
い
グループで音響機器などを準備した後,
ストレッチや動きの確認をする。
の
ダンスウォームアップをする
練
り
2
本時のめあてを確認する。
上
リズムや音楽に合わせて,動きの連
げ
続の仕方や組み合わせ方を工夫して踊
○
個人のめあて,本時の流れ,本時の活動
の予定を確認する。
ろう。
3
課
グループの課題解決に向かって活動
○
ダンスカードを見直したり自分たちのグ
する。
ループのビデオを見たりして前時を振り返
○
り,見付けたポイントをもとにグループの
動きのポイントに気付き,互いに
題
高め合う活動
課題としている。
追
・
ダンスカードの活用
「動きを大きくのびのびさせよう」
求
・
ビデオ映像の活用
「動きの順番を変えてみよう」
・
・
めあて一覧表の活用
「ペアの部分を取り入れよう」
問
「時間差を入れてみよう」
い
「スイングを入れよう」
直
「ストップでメリハリをつけよう」
し
○
改善した点を身に付け,定着させ
○
る活動
・
グループ間の交流
・
部分練習
・
通し練習
・
ビデオカメラの活用
グループの課題に応じて練習の仕方を工
夫して活動を進める。
○
互いの動きを見合いながら動きを修正し
たり,よさを認め合ったりする。
○
グループ同士で見合ったり,ビデオカメ
ラを活用したり,自分たちの踊りを見直し
ながら進める。
振
り
返
4
本時の授業を振り返り,次時の計画
○
を考える。
グループ内で,互いのよさを認め合いな
がら振り返りをする。
○
り
学習カードに本時の振り返りを記入す
る。
○
お互いの頑張りを評価し合い,活躍した
仲間を称賛する。
3
評価規準
○
リズムや音楽に合わせ,動きの連続の仕方や組み合わせを工夫して踊ろうとしている。
=評価
指
○
導
の
手
立
て
準備を行う際は,役割に積極的に取り組
=目指す生徒の姿
期待される生徒の姿
○
めるよう,音響などの用具の準備や片付け
分担された役割を果たし,本時の活動に適
切なストレッチなどの準備運動ができる。
の分担を決めておく。
○
本時の活動に適切な助言ができるよう,
個々のめあてを把握する。
○
前時の振り返りなどをもとに,個人のめあ
てを立て,解決のための練習方法をイメージ
している。
○
グループへの助言が適切にできるよう,
それぞれの課題や解決方法を把握する。
○
○
動きや組み合わせを考えることができる
動きのポイントに気付き,グループの課題
として取り上げ,カードやビデオなどを使い
ようにするために,めあて一覧表などを提
工夫して活動している。
示して視点を示す。
○
グループの仲間の動きのよさや改善点を
見つけることができるよう,ビデオ撮影し
たものをすぐに視聴することができるよう
仲間のよいアイディアや表現に声をか
にする。
○
けるなど,互いの個性や表現を認め合っ
グループの話合いは,互いに認め合う場
て交流したり,踊ったりしている。
となるようにアドバイスのテーマを明確に
する。
○
お互いの運動意欲を高めるための話合い
になるよう,称賛の言葉かけ,頑張りを認
リズムに合わせて動きの連続の仕方や
め合えるような雰囲気づくりを行う。
○
協働的な活動だからこそ得られることが
○
ダンスでの気付きと,自己の達成度を適切
あることに気付かせるために,アドバイス
に振り返り,次時の活動に生かそうとしてい
から得たことを生かして活動を進められた
る。
グループを紹介し,頑張りが目立った生徒
を称賛する。
○
組み合わせを工夫して踊っている。
今後の活動に見通しをもたせるため,発
表会について確認し,めあてのもち方に適
切な助言をする。