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10月
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運用レポート
米国バンクローン
米国ローン市場レビュー
10月のS&P/LSTAパフォーミング・ローン・インデ
ックスは-0.06%のリターンとなり、月間リターン
図表1
S&P/LSTA パフォーミング・ローン・インデックス
トータル・リターン トータル・リターン
がマイナスを記録したのはこれで3カ月連続とな
った。前回、同インデックスの月間リターンが3カ
月連続でマイナスとなったのは、2008年10月か
2015年10月
(当月)1
(年初来)1
-0.06%
2.13%
スプレッド
利回り
(3年コールを想定)1 (3年コールを想定)1
LIBOR + 615 bps
6.48%
出所:1S&P/LSTAパフォーミング・ローン・インデックス 2015年10月31日現在
ら12月にかけてであった。また、ローンの平均価格は0.44
海外の中央銀行による金融緩和策など、プラス要因が幾
ドル下落して95.14ドルとなったがこれは2012年7月以来の
つかあったにもかかわらず、バンクローン市場は前月比で
低水準となった。平均スプレッド(3年コールを想定)は6カ
実質的に横ばいに終わった。10月のバンクローンのパフォ
月連続で拡大し、LIBOR+615ベーシス・ポイント(bp)で月
ーマンスは、その他のリスク資産のパフォーマンスと際立
を終えた。スプレッドは年初来で54bp拡大した。利回りも
った対照をなしている。グローバル・ハイ・イールド債のリ
また6.47%に上昇し、現在は年初の水準を0.61%上回って
ターンは3.12%と、過去3年で最も高い月間リターンを記
いる。時価総額が大きく流動性の高いローンで構成される
録し、米国投資適格社債のリターンは0.47%となった。米
S&P/LSTAローン100インデックスの10月のリターンは0.01%
国債と高い相関性を持つ米国MBS市場でさえも、リターン
となり、パフォーマンスはバンクローン市場全般を上回っ
は0.07%と僅かにプラスとなった。これに対して、バンクロ
た。同インデックスは年初来ではバンクローン市場全般を
ーン市場はテクニカル要因の逆風を受けており、それが相
大幅に下回っており、リターンはS&P/LSTAパフォーミング・
対的なアンダーパフォームの主因となっている。ミューチュ
ローン・インデックスの2.13%に対し、-0.51%に留まってい
アル・ファンドからの資金流出は月を通じて持続し、リッパ
る。格付け別のパフォーマンスはまちまちとなり、CCC格(
ーによれば流出額は12億ドルとなった。バンクローン・ファ
リターンは0.17%)はBB格(同0.05%)を、BB格はシングルB
ンドからの資金流出はこれで15週間連続となった。10月の
格(同-0.13%)をアウトパフォームした。他の資産クラスと
新規ローン発行額は201億ドルと比較的少額に留まり、借
比べると、バンクローンは投資適格社債(リターンは0.47%
り換えとリプライシングを考慮した後のネットベースでは
)、ハイ・イールド社債(同2.74%)およびS&P500トータル・
111億ドルとなった。ローン担保証券(CLO)新規発行額は
リターン指数で代表される株式(同8.44%)をいずれもアン
ネットベースで75億ドルだった。バンクローンの二大購入
ダーパフォームした。
者(CLOとミューチュアルファンド)によるローンの純需要
の63億ドル(-12億ドル+75億ドル)を純供給の111億ドルと
中国経済が安定しつつあることを示す指標や米連邦準備
制度理事会(FRB)による利上げの先送り、第3四半期(7-9
月期)の企業収益が懸念されていたより良好だったことや
比較するとよくわかるように、需給不均衡は、バンクローン
が相対的にアンダーパフォームし絶対値ベースのリターンも
マイナスとなっていることを説明する大きな要因である。
© Western Asset Management Company 2015. 当資料の著作権は、
ウエスタン・アセット・マネジメント株式会社およびその関連会社(以下「ウエ
スタン・アセット」
という)に帰属するものであり、
ウエスタン・アセットの顧客、その投資コンサルタント及びその他の当社が意図した受取人のみを対
象として作成されたものです。第三者への提供はお断りいたします。当資料の内容は、秘密情報及び専有情報としてお取り扱い下さい。無断で当資料
のコピーを作成することや転載することを禁じます。
米国バンクローン
前述の通り、発表によると、10月のバンクローンのミューチ
をアウトパフォームしたため、ハイ・イールド社債の保
ュアル・ファンドは12億ドルの資金流出となり、年初から10
有は相対パフォーマンスにプラス寄与した。
月までの資金流出額は合計121億ドルとなった。資金流出
•
は5カ月連続となり、これにより過去19カ月のうち17カ月で
銘柄選択は相対パフォーマンスにマイナス寄与した。
マイナス寄与した銘柄にはエネルギーセクターでアン
資金が流出したこととなり、その間の流出額合計は430億ド
ダーパフォームした銘柄(石油・ガス開発会社クイッ
ルに上る。S&Pレバレッジド・コメンタリー&データ(S&P/
クシルバー、鉱業会社マレー・エネルギー、石油・ガス
LCD)によると、額面加重平均のローンデフォルト率(12カ
開発会社サムソン)が含まれるが、それらによるマイナ
月移動平均)は9月末の1.27%から10月末は1.32%に若干
ス効果が、アウトパフォームした銘柄(携帯電話大手
上昇した。発行体加重デフォルト率は0.88%で月を終え
スプリント、教育ローン管理会社ナビエント、石油・ガ
た。長期(1999年∼2015年)の額面加重デフォルト率は12
ス生産会社テイネエネルギー)によるプラス効果を上
カ月移動平均で3.18%となり、発行体加重デフォルト率は
回ったことによる。
2.82%となった。米国経済の緩やかな拡大が続き、企業は
全般的に資金調達が可能であることから、デフォルト率は
市場見通しおよび戦略
引き続き過去のレンジの下限で推移している。
このところ市場のボラティリティは高く、中国経済の先行き
不安も強まっているが、当社はグローバルな景気回復は(
パフォーマンス・レビュー
足取りが重いながらも)続くとする見方を据え置いている。
10月の米国バンクローン・コンポジットのリターンは-0.30%
世界のインフレ圧力は極めて弱いままであり、上昇の兆し
となり、ベンチマークであるS&P/LSTAパフォーミング・ロー
をほとんど見せないなか、世界的な金融緩和政策が今後
ン・インデックス(同-0.06%)をアンダーパフォームした。
も景気を下支えすると予想する。コモディティ価格の下落
当月の相対リターンの主な要因は、以下の通り。
は、バンクローンとコモディティ銘柄を保有している債券
•
格付け配分による相対パフォーマンスへの影響は中立
にマイナス寄与してきたが、中期的には消費者の実質所得
だった。オーバーウエイトしていた格付け低位のCCC格
と企業収益を押し上げ、世界経済の成長を後押ししよう。
はアウトパフォーム(リターンは0.17%)したものの、よ
当社の予想では米国の成長率を2∼2.5%と予想する。米国
り大幅にアンダーウエイトしていた格付け高位のBB格
の労働市場の状況は改善しているが足元のインフレ率は低
もアウトパフォーム(同0.05%)し、効果が相殺された
く、いずれもFRBの二重責務である「完全雇用と物価安定」
ことによる。
と合致する。FRBは金融政策正常化の着手を望みつつも、
•
セクター配分はマイナス寄与した。アンダーパフォー
景気回復の頓挫や市場の混乱は望んでいないと思われる。
ムしたエネルギーおよび公益セクターのオーバーウエ
このため、利上げはごくゆっくりとしたペースで漸次的にな
イトと、アウトパフォームした通信セクターのアンダー
ると予想され、インフレ率が低水準にとどまる限りは長期
ウエイトによるマイナス効果が、アウトパフォームした
債利回りの持続的上昇は考えにくい。
消費非循環セクターのオーバーウエイトによるプラス
当社は世界経済の成長予想を踏まえて、現在のバンクロー
効果を上回ったことによる。
ンのバリュエーションには投資妙味があるとみている。こう
•
ハイ・イールド社債への投資が許容されるポートフォリ
した見方は第3四半期(7-9月期)の企業業績でさらに裏
オについては、当月ハイ・イールド社債がバンクローン
付けられた。全般的に、当社のポートフォリオ保有銘柄の
ウエスタン・アセット
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2015年10月
米国バンクローン
決算は予想通りかそれを上回る結果となり、売上高、利
当社は、戦略的観点から、ローン・ポートフォリオ内の格付
益率、利益はエネルギー企業を除いて増加した。クレジッ
け配分に関しては引き続きやや積極的なスタンスを取り、
ト・ファンダメンタルズはバリュエーションの改善を下支え
セクター配分はある程度ディフェンシブなスタンスを維持
するとみている。とはいえ、低調なテクニカル要因と高水
する。さらに最近は、ハイ・イールド社債の投資がガイドラ
準のボラティリティが強力な逆風となっている。FRBが12
インで許容されているローン・ポートフォリオでは、保有す
月に利上げを開始するとの観測の高まりや、10月半ば以
るハイ・イールド社債のエクスポージャーを状況に応じて削
降の急速な金利上昇に照らしあわせると、バンクローン
減してきた。この売却金の再投資によりポートフォリオ全体
のミューチュアル・ファンドで資金流出が続いているのは
の格付けは高まっている。ポートフォリオで最大のオーバー
やや意外である。ローン商品は変動金利という特性によ
ウエイトとしているのは消費非循環セクターであり、中でも
り、債券のリスク性商品と違い金利上昇リスクからある程
ヘルスケアを大幅にオーバーウエイトしている。また、エネ
度守られているからだ。CLOの発行額が減少した結果、ロ
ルギーセクターへのオーバーウエイトを維持しており、探
ーン商品に対する需要は減退した。発行減少の原因の一
査・生産(E&P)分野において、原油安の長期化を乗り切
部として挙げられるのがCLOマネージャーの減少やCLO
れる財務面の柔軟性を持った企業を選好している。一方、
の劣後トランシェの買い手不足である。そしてこの2つの
石炭および金属・鉱業、小売関連セクターへのエクスポー
要因の背景には、2016年12月に完全施行予定の(証券化
ジャーを減らした。これはリスクを軽減したいとの当社の意
取引の)リスクリテンション規制の影響をめぐる不透明感
向であるとともに、基本的な見方と大きく関連している。
もある。CLOの発行、ひいてはCLOからのローン需要は当
面、低水準に留まるとみるのが妥当だが、当社は同時に、
金利が上昇するにつれ、バンクローン・ファンドからの資
金流出ペースは弱まり、恐らく流入超に転じるとの見方も
また妥当であると考えている。流出が止まれば、バンクロ
ーンのテクニカル要因は中立になる。そうなれば、平均的
発行体の底堅いファンダメンタルズが市場の方向性を左
ウエスタン・アセットにつ いての 詳 細 は当 社 ウエブ サイトw w w .
右することも予想できる。
ウエスタン・アセット
westernasset.co.jpをご覧ください。
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2015年10月
パフォーマンス・ディスクロージャー
2014年12月31日現在
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概要:ウエスタン・アセットの米国バンクローンは、長期的なバリュー重視の投資哲学に基づく、チームによるアクティブ運用の投資アプローチを採
用する戦略です。分散された戦略と債券市場の非投資適格格付けセクターを活用してポートフォリオを構築し、リスクを最小限に抑えながら付加価
値を追求します。 バンクローンから構成される分散のきいたポートフォリオを構築します。
運用目標:リスクをベンチマーク水準に維持しつつ、市場サイクルを通じて、年率で50∼75ベーシス・ポイント以上の対ベンチマーク超過収益獲得を目指
します。
ベンチマーク:S&P/LSTAパフォーミング・ローン・インデックス 2005年4月1日以前のベンチマークはバンク・オブ・アメリカ レバレッジド・ローン・
インデックスを使用。
基本通貨:米ドル ¦ コンポジット最低運用資産規模:1,000万ドル
料率: 1億ドル以下の部分:年率0.45%(税抜き)、1億ドル超の部分:年率0.30%(税抜き)。
上記は、一社で最低運用金額以上の個別契約を締結される投資家向けの標準的な報酬体系です。
検証期間: 当コンポジットは2003年10月1日から2014年12月31日の期間で検証済みです。
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定義を見直して口座を加えた結果時価が10%以上増加しました。
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the firm’s policies and procedures are designed to calculate and present performance in compliance with the GIPS standards. The verification and performance
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ウエスタン・アセット
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