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数学が苦手です
数学が苦手、または分からなくて困っているという声をよく耳にします。
確かに経済学は数学を多用します。ですから数学が分からないと理解し問題を解くのは大
変かもしれません。さてそう言う人のための勉強法、対策法を考えてみました。
人によって数学が苦手と言ってもそのレベルは様々なので一概には言えませんが・・・
1.まずグラフの読み方をマスターしましょう。
グラフは基本的に横軸のものが変化すると縦軸のものが変化するという関係です。要
するにxが変わるとyが変わるという関係ですね。いいですか?グラフの意味が分か
らないとき、一番はじめに見るのは横軸が何で縦軸が何であるかということです。そ
れが分かればグラフの言いたいことは見えてきます。横軸のものが変化すると縦軸が
示すものに影響を与えるわけです。
2.計算問題よりも、理論の文章問題を先にやりましょう。
計算を多用する問題が解けずに悩んでいる方が沢山います。もちろん計算問題は頻出
ですし解けるに越したことはないです。しかし、もし数学が苦手だというのならばど
うでしょうか?
先に理論の文章問題をマスターした方が余裕ができるとは思いませ
んか?試験まで限られた時間しかないのです。得意な方、あるいはまだできそうな方
を先にやってしまいましょう。まだできそうな方を固めてそれから数学を多用する問
題をひとつひとつやればいいんですよ。限りある時間で勝負するときは、まずできそ
うな方を先にこなす、それが鉄則です。それに、そうして文章の方から理論をしっか
り理解することによってさらに応用力が高まります。
3.計算問題をマスターするのにはどうしたらいいか。
理論はできても、計算ができないという方も多くいます。数学がある程度できてもそ
う言う方はいます。こういう方にありがちなのがパターンをいくつか覚えてあとは同
じパターンの問題を見つけて当てはめていこうとするものです。同じモデルなら基本
的に1つか2つしか解法は無いわけです。大抵はひとつ分かっていれば解けますから
ね。
これは簡単なようでいくつか落とし穴があります。
その一つが、最初のパターンの理解ができていないのにパターン化した解き方のや
りかたをしようとするところにあります。確かにひとつのパターンを覚えて同じパタ
ーンの問題を解くというのは合理的です、全く同じパターンの問題ならばこれで解け
ます。でもちょっといじられたらどうですか?手順をちょっと変えなくてはならない
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問題だったら?
設定をちょっと変えられると急に解けなくなるのはここ原因があり
ます。最初のパターンの理解がきちっとできてる人はそうはなりません。「あそこはこ
う解いたけど、こっちはここが違うから同じじゃできないかなあ?」とか気がつくも
のなんです。気がついても、そこですぐに解けるとは限りません。試行錯誤する事も
あります。でも、理解ができてどこが違うか分かっている人は、どこを変えればいい
のか割と速く気がつきます。ところが最初の解法が暗記でしかない人は、新たなパタ
ーンの問題が出てきたような気がしてさらにそれも丸覚えようとします。これを繰り
返すと、そのうちに覚えることがいっぱいで何がなんだか分からなくなりモデルに対
するイメージも薄くなってきてしまいます。最後は何がなんだか分からないというこ
とになります。
これに対処するためには先ほども言ったように、ひとつの解法をしっかり理解する
ことにあります。自分が立てた、あるいは与えられた式のひとつひとつが何を意味す
るのか確認しながら解法を確かめてください。自分が求めたいのは何なのか、そのた
めには何が分かればよいのかということをいつも確認してください。
4.セクション毎にしっかり詰めること。
これも、後半になってくると多いことなのですがあっちこっちのセクションの問題、
特に計算問題を大量に質問にもってくる方がいます。もちろんそれは構わないことな
のですが、問題なのはその全てが基本的な問題であるというところにあります。ある
程度できる方で難易度の高い問題をあっちこっちのセクションからもってくるような
場合はここでの指摘にはあたりません。
さてそうした基本的な問題を、あっちこっちのセクションからもってくることのど
こが問題なのでしょうか?
基本的な問題のひとつができていない人が、一度にあっ
ちこっちの内容に取りかかっているということが問題なんですね。経済学は色々なト
ピックを扱いますが、それほど多くの考え方があるわけではありません。ひとつのセ
クションでしっかり分かっていれば、他の所が類推できたりイメージしやすくなった
りする事が多くなります。でも、そうでないとあっちこっち当たることになります。
例えば家計の行動は制約式と無差別曲線でほとんどが説明できるモデルです。企業行
動は完全競争も不完全競争も利潤関数を導くことが基本的な解決になっている場合が
多い。苦手な人が多いクールノーやシュタッケルベルグもそうです。完全競争の利潤
最大化問題が解けない人がクールノーやシュタッケルベルグを先に理解できるとは思
いません。でも、基本的な利潤最大化問題が出きるのであればイメージはわきやすく
なります。
経済学の勉強法としてはテキスト9の方をまずしっかり理解すること、しかもミク
ロであれば市場、家計、企業のひとつひとつのセクションをしっかり理解してくださ
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い。何度も言いますがいろんなところで同じような考え方をしますから、一度しっか
り分かってしまうと応用力がつきますので対応できる範囲も広がるんです。試験に行
ったときは1人ですから自己解決能力をしっかり身につけることが大切なんです。最
初はなかなか進まなくて焦るかもしれませんが、最初ができていると後半の伸びが違
います。
5.できるまでやってみる
最初からできないとあきらめてしまったり、途中で考えるのをやめてしまう方も多
くいます。でも、この程度のことは必ずできるようになります。あえて「この程度の
こと」といいます。人によって能力やバックグラウンドは様々ですから、進度は違い
ますがやれば必ずできる程度のものです。ただ、そうはいっても人は行き詰まると、
挑戦する気力がなくなったり、投げ出したくなったりします。でもいいですか?必ず
できます。できるまでやってみましょう。「できるまでやる」、「できるまでやるんだか
らできないわけはない」という気持ちはもっていてください。気持ちの問題なのです
が、「ダメかもしれない」と思うと急に頭に入らなくなりますよ。考える気力も集中力
もなくなります。敗北感を持つともう勝てません。経済学が急に難しく感じるように
なる原因の一つがここにもあります。できるまでやってみましょう。