[問題 9-1 ] 電流ベクトルを成分表示すると、 −→ I = (0, 5 cos 30 , 5 sin

[問題 9-1 ] 電流ベクトルを成分表示すると、
)
(
√
−
→
5 3 5
◦
◦
I = (0, 5 cos 30 , 5 sin 30 ) = 0,
,
2 2
→
−
磁束密度ベクトルを成分表示すると、 B = (2, 0, 0)。 電流線に働く力
−
→
−
→ −
→
は (9.11) 式より、 F = L( I × B ) で与えられる。
電流ベクトルと磁束密度ベクトルのベクトル積を成分ごとに計算すると
√
(
)
5 3
5
~
~
I × B = Iy Bz − Iz By =
×0− ×0=0
2
2
x
(
)
5
~
I~ × B
= Iz Bx − Ix Bz = × 2 − 0 × 0 = 5
2
y
√
(
)
√
5
3
~ = Ix By − Iy Bx = 0 × 0 −
× 2 = −5 3
I~ × B
2
z
−
→
従って、この直線導線 L=1.5 m に働く力 F は
√
√
F~ = (0, 5, −5 3) × 1.5 = (0, 7.5, −7.5 3)N
力の方向は zy 平面上で z 軸のマイナス方向に y 軸から 60◦ の方向であ
る。大きさは、
F = IBL = 5 × 2 × 1.5 = 15 N
[問題 9-2 ]
−
→
(1) 質量 m、電荷 q の粒子の磁束密度 B 中での運動方程式は
m
d~v
~
= q(~v × B)
dt
(1)
である。この式の両辺に ~v をスカラー積すると、
m~v ·
(
)
d~v
~ =0
= q~v · ~v × B
dt
(2)
すなわち、
~v ·
d~v
=0
dt
(3)
ところで、
d~v
1 dv 2
=
(4)
dt
2 dt
(3) 式と (4) 式より、この運動において速度の大きさ v は変化
しないことが分かる。従って、荷電粒子が一様な磁場空間に飛び
込む前の速度を v0 とすると、荷電粒子に磁場の影響によりローレ
~v ·
ンツ力が作用し始めても荷電粒子の速度は変わらない(ベクトル
の方向は変化するが)。即ち、粒子の運動は、速度ベクトル空間で
半径 v0 の円となる。これを実空間(位置ベクトル空間)に直して
1
示せば図のようになり、運動軌跡は円軌道となる。これは 4 章で
学んだ等速円運動である。等速円運動における向心力 f~ は式 (4.7)
で与えられる。式中のマイナス符号はこの力が常に回転中心に向
かっていることを表している。従って向心力の大きさは
f = mrω 2 = m
v02
r
(ここで、(4.2) 式の関係を用いた)
(4)
ところで、今の場合、ローレンツ力 qv0 B がこの向
心力の原因であるので
m
v02
= qv0 B
r
(5)
これを回転半径 r について解くと、
r=
mv0
p
=
qB
qB
(6)
これが、サイクロトロン半径である。
(2) 運動エネルギー Ek は陽子の質量を mp とすると、
図 一様磁場中で荷電粒子の速度ベク
運動量 p を用いて
トルは半径 v の円軌道で回転。この
1
p2
mp v 2 =
結果、位置ベクトルも円軌道となる。
2
2mp
√
これを p について解くと p = 2mp Ek となる。Ek =1 MeV=106 eV=1.6022×
10−19 × 106 J =1.6022 × 10−13 J。この値と陽子の質量 mp =
Ek =
1.673 × 10−27 kg を代入して
√
p = 2 × 1.673 × 10−27 × 1.6022 × 10−13 = 1.849 × 10−20 Ns
(3) 素電荷 e = 1.6022 × 10−19 C,、1eV=1.6022 × 10−19 J の数値を代
入すると、
r=
p
1.849 × 10−20
=
= 0.145 m
eB
1.6022 × 10−19
[問題 9-3 ]
(1) 無限の長さの直線電流により発生する磁界
はテキストの (9.6) 式で与えられる。電線 b
は電線 a から 50cm 離れた位置にあるので、
r = 0.50m, I = 2A を代入すればよいので
H=
2
2
I
=
= = 0.6366A/m
2πr
2π × 0.5
π
(2) この磁場中で I = 5A の電線 b の受ける力は、長さ 1 m あたり、
F = IBL = 5 × µ0
2
2
× 1 = 4 × 10−6 N
π
−
→ −
→
(3) 上記の力の方向は I × H の方向で、2本の電線には引力がはた
らくことになる。
[問題 9-4 ] コイルの断面積を S とすると、コイル1巻を貫く磁束線は
∆t = 0.04s 間に ∆φ = S × (0.5 − 0.2) 変化するので、 ファラデーの電
磁誘導の法則より発生電圧は ∆φ/∆t。これは 1 巻分なのでこれに巻数
をかけたものがコイルに発生する電圧 V である。
V =
∆φ
0.3S
0.3π × 0.022
×N =
× 100 =
× 100 = 9.42mV
∆t
0.04
0.04
[問題 9-5 ]
(1) 磁場中での直線電流の受ける力は (9.11) 式で与えられる。RS
部分と PQ 部分で違うのは電流ベクトルの方向だけである。図 1
−
→
のように座標軸をとると、 B = (0.5, 0, 0)T。RS 部分の電流ベク
−
→
−
→
−
→
トルは I = (0, 0, 40)A。 I と B のベクトル積を計算すると、
(−
(−
→ −
→)
→ −
→)
I ×B
= Iy Bz −Iz By = 0
I ×B
= Iz Bx −Ix Bz = 20
x
y
(−
→ −
→)
I × B = Ix By − Iy Bx = 0
z
−
→
−
→
従って、RS 部分 (長さ 0.2 m) に働く力 F は F RS = (0, 4, 0)N
−
→
PQ 部分の電流ベクトルは I = (0, 0, −40)A。Iz の符号を変えれば
−
→
よいので、力のベクトルもその符号を変えて、F P Q = (0, −4, 0)N。
−
→
−
→
−
→
→
(2) 力のモーメント N は N = −
r × F で与えられる。力のベク
トルは前問で求まっている。回転中心から力の作用点までの位置
→
ベクトル (図 (b) の −
r ) を求める必要がある。SR 部分に関して
√
−
→
◦
は、 r = (0.05 cos 45 , 0.05 sin 45◦ , 0) = (0.05, 0.05, 0)/ 2 である
ので、
Nx = ry Fz − rz Fy = 0
Ny = rz Fx − rx Fz = 0
0.05
Nz = rx Fy − ry Fx = √ × 4 = 0.141Nm
2
−
→
すなわち、 N = (0, 0, 0.141) Nm。同様に PQ 部分に関しては
√
−
→
r = (−0.05 cos 45◦ , −0.05 sin 45◦ , 0) = (−0.05, −0.05, 0)/ 2
であるので
Nx = ry Fz − rz Fy = 0
3
Ny = rz Fx − rx Fz = 0
0.05
Nz = rx Fy − ry Fx = √ × 4 = 0.141 Nm
2
結局、コイルの中心線 (図 (a) の線分 VW) のまわりに RS,PQ 部
分は同じ力のモーメントを与えるので、この長方形コイルの受け
る力のモーメントの大きさは 0.283 Nm となる。
(3) コイルの面と磁束線の方向が角度 θ = ωt の時 (図 (b))、鎖交磁束
線数 φ = SB sin ωt である。この φ の時間微分が発生電圧である
ので、
dφ
= SBω cos ωt
dt
ところで角速度はいま、2π × 5 = 10π[rad/s]。また S = ab =
0.2 × 0.1 = 0.02m2 。ゆえに発生する交流電圧の式は、
V =
V = 0.02 × 10π × 0.5 cos 10πt = 0.314 cos 10πt[V]
4