第 4章 三角関数

赤阪正純 (http://inupri.web.fc2.com)
4STEP の考え方 (数学 b)
第 4 章 三角関数
4 三角関数のグラフ
264
y = 2 sin #2µ +
いずれも基本形のグラフです.基本形のグラ
つまり,y = 2 sin 2µ のグラフを,µ 軸方向
フは,周期,振幅,y 軸との交点,µ 軸との
に¡
ん.それがれきれば,まあ,何となく分かる
でしょう.
¼
,y 軸方向に 1 だけ平行移動したグ
6
ラフです.
交点,など完璧に暗記しておかねばなりませ
265
¼
¼
;+1 = 2 sin 2 #µ + ;+1
3
6
268
偶関数とは左右対称なグラフ,奇関数とは原
点対称なグラフです.しかし実際は見た目で
三角関数のグラフは
判断するのではなく,計算で判断します.
1 上下伸び縮み ¡! y = a sin µ
つまり,
2 左右伸び縮み ¡! y = sin kµ
f(x) のグラフが左右対称
3 平行移動 ¡! y ¡ q = sin (µ ¡ p)
()x のときと ¡ x のときの値が等しい が基本です.それぞれの場合に,周期や振幅
()f(x) = f(¡x)
がどのように変化するのかしっかりとグラフ
f(x) のグラフが原点対称
をイメージして考えてください.
()x のときと ¡ x のときの値が符号違い 今回の場合,
()f(¡x) = ¡f(x)
1 上下伸び縮み ¡! (1)(2)
2 左右伸び縮み ¡! (7)(8)(9)
となります.
となっています.
形がそのまんまやったら偶関数 (左右対称),
要するに x の代わりに ¡x を代入して,式の
3 平行移動 ¡! (3)(4)(5)(6)
符号が変化するだけなら奇関数 (原点対称)
266 265 では,上下伸び縮み,左右伸び縮み,平
になるのです.
行移動,が単独で関わっていましたが今回は
2 つミックスされています.
267
269
今はグラフを学習しているので,グラフを
(1) は上下の伸び縮みと平行移動
利 用 し て 最 大 最 小 を 考 え よ ,と い う こ と
(2) は左右の伸び縮みと平行移動
な の で し ょ う が ,単 位 円 ル ー レ ッ ト で 十
(3) は上下の伸び縮みと左右伸び縮み
分です.(1)(2) は 0 5 µ < 2¼ のとき,
です.
¡1 5 sin µ 5 1,¡1 5 cos µ 5 1 であるこ
とから簡単にわかります.
いずれも,上下伸び縮み,左右伸び縮み,平
行移動が混在しています.特に今回は µ 軸
方向の平行移動が入っています.
(1) は
¼
¼
y = cos #3µ ¡ ; = cos 3 #µ ¡ ;
2
6
とします.すると,y = cos 3µ の µ の代わ
¼
を代入した形になっているので,
6
このグラフは y = cos 3µ のグラフを,µ 軸
¼
だけ平行移動したグラフです.
方向に
6
(2)(3) も同様に
りに µ ¡
µ
¼
1
2¼
;
y = tan # ¡ ; = tan #µ ¡
2
3
2
3
µ
つまり,y = tan
のグラフを,µ 軸方向
2
2¼
に
だけ平行移動したグラフです.
3
(2) も単位円ルーレットをイメージして,
4
0 5 µ 5 ¼ のとき,sin µ の範囲がどうな
3
のかを考えよう.
(3) は tan µ のグラフをイメージしたほうが
分かりやすいかもしれません.tan µ のぐグ
ラフは単調増加だからです.なお,範囲の中
にヤバイ値 (
¼
がらみ) が含まれていない
2
ことを確認しよう.
270 y = 2 sin (aµ ¡ b) = 2 sin a #µ ¡ ab ; と
変形すると,このグラフは y = 2 sin aµ の
b
平行移動したもので
a
あることがわかります.y = 2 sin aµ のグ
グラフを µ 軸方向に
ラフの周期や振幅はわかりますよね.