学 校 経 営 方 針

平成2 7 年度
学 校 経 営 方 針
文京区立指ヶ谷小学校
校 長
1
岩 井
克 昭
学校経営の基本理念
「教育の要は,人をして,その大なるを知らしめること」という言葉がある。人はそれぞ
れによさをもっている。そのよさを見付け,子供自身に気付かせ,自信をもって行動するこ
とができるように指導をすることが大切である。子供たちが自らの力を肯定的に受け止め,
それをさらに伸ばすための意欲を高め,行動に結び付けることが,教育の使命であると考え
ている。
21世紀は,新しい知識・情報・技術が,政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域
での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す,いわゆる「知識基盤社会」の時代であると言
われている。このことは,アイディアや知識,人材をめぐる国際競争を加速させる一方で,
異なる文化や文明との共存や国際協力の必要性を増大させている。このような状況において,
確かな学力,豊かな心,健やかな体の調和を重視する「生きる力」を育むことがますます重
要になってきている。
学習指導要領には,「生きる力」を育むことが中心的理念として謳われている。即ち,自
ら課題を見付け,自ら考え,よりよく課題を解決する力などの「知」,協力する心や他を思
いやる心,感動する心,規範意識などの「徳」,さらに,健やかな体の「体」,「知・徳・
体」のバランスを重視した教育を推進することが大切である。
「生きる力」を育むための「知」の要素では,基礎・基本の定着を図り,確かな学力を身
に付けさせることが求められている。そのためには,知識理解を図るとともに,体験的な活
動や問題解決的な学習を通して学び方を身に付け,思考力・判断力・表現力の育成を図るこ
とが重要である。また,「徳」の要素では,道徳の時間を充実させるとともに,教育活動全
体を通して心の教育を進め,教師自ら率先垂範を示しつつ,豊かな心をもった子供の育成を
図る必要がある。「体」の要素では,運動の楽しさや喜びを味わわせるとともに,健康に対
する意識を高めることが大切である。
このような「生きる力」の育成の前提条件になるのが,冒頭に述べた言葉である。目の前
に困難な課題が生まれた時,それを解決するために知恵や勇気をはたらかせ,行動に結び付
けるための原動力になるものである。
学校教育の根幹は授業である。授業を通して,子供たちは多くの知識を得たり,学び方を
身に付けたりしていく。また,人との関わり方を学習し,成長していく。子供たちが,未来
社会を主体的に生きる人間として成長をするためには,子供たちにとって「分かる授業」を
展開し,「学ぶ楽しさを感じることができる学習活動」を数多く体験させる必要がある。
その達成の鍵を握るのは教師である。子供たちにとって“魅力ある学校”をつくるために,
教師自身が自己を振り返り,自己の課題を認識し,その改善に努めるとともに,自らのよさ
をさらに伸ばす努力をしていく。また,計画的な研修を通して資質の向上を図り,子供たち
や家庭・地域の期待に応える学校をつくりたいと考える。
-1-
2
本校の教育目標
よい社会を形成する人間をめざして心豊かで輝く個性をもつ子供を育てる。
3
○
考える子(本年度の重点)
○
実行する子
○
じょうぶな子
○
思いやりのある子
学校経営の方針
(1)確かな学力の定着を目指した日常の授業の充実
①
教育は教師の意欲と創意工夫にかかっている。より良い授業を目指し,授業改善を
図る。そのために,「言語活動の充実」の視点をもって,国語科及び専科の専門教科
を通して,年間7回の研究授業を実施する。また,様々な研修の機会を活用し,教師
相互に学び合い高め合い,授業改善に結び付ける。
②
研究は授業実践を通して,児童の変容を確かめるものである。研究を通して学んだ
ことを日々の授業に生かし,児童にとって「分かる授業」や「学ぶ喜びを感じること
ができる授業」の日常化に努める。
③
算数少人数指導やT・T,副担任(AHT)や特別支援教育指導員,学習ボランテ
ィアなどを活用し,個に応じた指導を進める。また,文の京学ぶ力レベルアップ推進
校として,朝学習における漢字・計算・読書や漢字・算数検定等を通して,基礎学力
の定着に努める。
④
日々の指導の指導実践の証拠である週の指導計画は専門職の教師に不可欠である。
週の指導計画を記載してこそ,意図的・計画的な授業が成り立つ。また,いつ,どこ
で,どのような授業が行われたのか,貴重な資料となる週の指導計画の正確な記載に
努める。
(2)豊かな人間性をもった児童の育成
①
「あいさつ」は,人と人との交流の出発点である。明るく元気に「あいさつ」をす
ることができる児童を育てる。そのために,師弟同行の精神をもって,教師が積極的
に児童に声をかける。また,適宜「あいさつ運動」を実施し,「あいさつ」の声を引
き出し,習慣化を図る。
②
道徳の時間の充実を図り,道徳の時間を通して児童の豊かな心を養う。そのための
前提として,道徳の年間授業時数を確保する。また,道徳の時間と各教科や学校行事
等との関連を図り,全教育活動を通して,道徳的実践力を高める。
③
音楽や図画工作をはじめとする教科の学習を通して,美しさを感じ取る感性を養
う。また,「けやきの森フェスタ」などの表現活動を大切にし,豊かな表現力や感性,
協力する心を育てる。
-2-
④
健康や体力は生活を営むための土台であり,スポーツは身体だけではなく,心も鍛
える。日頃から健康の保持・増進や体力向上を図るとともに,運動やスポーツに親し
む場や機会を工夫する。
⑤
一人一人の児童に寄り添い,児童理解に努め,個に応じた指導を進める。また,ス
クールカウンセラーの活動の活性化を図り,児童の心の理解に努める。さらに,特別
な支援が必要な児童に対し,特別支援教育指導員を活用し,個に応じたきめ細かな指
導を進める。
(3)児童の規範意識の育成
①
生活指導全体計画や年間生活指導目標をもとに,生活指導の充実を図る。特に,集
団生活の規律やルールを身に付けるために,学校全体の共通理解を進め,同一の指導
方針により指導の徹底を図る。そのために,生活指導夕会等を活用し,情報交換と共
通理解を図り,共通実践を進める。
②
いじめ,不登校の早期発見及び早期対応に努める。また,児童の問題行動等につい
ての保護者への連絡を確実に行い,理解と協力のもとに指導を進める。また,いじめ
防止対策校内委員会を中心に,実態の把握と対応策の検討を進める。
③
全校朝会や児童集会における,整列の仕方や話の聞き方に注意を払い,集団におけ
る規範意識を高める。
④
児童は教師の背中を見て育つ。「言葉より行動」をモットーに子どもの指導にあた
る。
(4)開かれた学校を目指した,家庭・地域社会との連携
①
「子供の姿」を通して家庭や地域の信頼を得る。日頃の充実した教育実践こそが信
頼の基盤であることを自覚し,教育活動を展開する。
②
学校運営連絡協議会を年3回実施するとともに,学校運営連絡協議会委員や保護者
対象の学校関係者評価を行い,保護者や地域の考えや期待を受け止め,開かれた学校
づくりを推進する。そのために,学校関係者評価の集計結果を公表する。
また,学校関係者評価委員会において,内部評価,学校関係者評価,児童アンケー
ト等の評価結果について検討を進め,教育活動改善の参考にする。
③
PTA活動や地域の様々な行事,「学校支援地域本部」等の活動への教職員の参加
を促し,保護者や地域との連携を一層深める。
④
保護者の声に真摯に耳を傾け,自らの指導を振り返るよい機会と捉え,日々の指導
の充実に努める。
(5)組織体としての学校
①
主幹教諭や主任教諭が主任としての高い意識をもち,自らの役割を自覚し,校長,
副校長への報告・連絡・相談を密に行うとともに,リーダーシップを発揮し,学校と
して組織的な教育を推進する。
②
教職員相互の協力・協働を推進し,教育情報の整理や児童の実態の把握を適切に行
い,指導を効果的に進める。そのために,分掌の役割と責任を自覚し,実践を進める。
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(6)服務規律の厳正
学校職員は,全体の奉仕者として自己の使命を自覚し,その職責の遂行に努めなければ
ならない。しかし,東京都全体としては,個人情報の紛失,交通事故,体罰,わいせつ行
為,会計事故等の服務事故が後を絶たない。都民の信頼を失うような事例が報告されてい
る。
教員は,教師であるとともに公務員であり,一人の常識ある社会人でもある。都民や地
域社会からの信用を失墜することがないように,肝に銘じておきたい。
4
目指す 学校像 “魅力ある 学校”
(1)児童が毎日喜んで登校する学校
①
授業がよく分かり,進歩・向上が自覚できる。
②
自分の力が発揮できる。
③
仲のよい友達がいる。
(2)保護者が安心して子供を任せられる学校
①
安全を最優先し,良好な教育環境である。
②
教職員が情熱をもち,熱心に指導をしてくれる。
③
子供のよさや可能性を伸ばしてくれる。
(3)教職員が自分の力を十分に発揮できる学校
①
教育活動が活発で,児童の成長が実感できる。
②
自分の仕事を責任もって行い,組織としてまとまっている。
③
研究実践を通して,資質の向上を図っている。
(4)地域の人が,誇りに感じる学校
①
児童が,明るく気持ちのよい挨拶をすることができる。
②
教育理念が明確で,教育活動が充実している。
③
地域も教育活動に協力でき,施設も開放している。
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