14.起業と経済活性化

中小企業論第13回
平成27年7月3日
14.起業と経済活性化
1.世界における起業活動と経済
起業活動は経済活性化に大きく貢献すると考えられている。
起業活動率は、日本のほか、ベルギー、ロシア、フランスなど先進国での数値が低い。
逆にアフリカや南米の国々で起業活動率が高く、バヌアツにいたっては 52.2%と最も低い。
このように起業活動率は、各国の経済の発展水準、つまり所得水準によって異なってい
ると考えられる。
2.日本における起業活動の実態
▶開廃業率の推移から見る起業活動の実態
日本における起業動向をあらわすものとして、開業率が一般的に用いられる。開業率と
は、
『中小企業白書』によれば、ある特定の期間において、新規に解説された企業を年平均
にならした数の、当該期間においてすでに存在していた企業に対する割合である。
▶GEM データからみた起業実態
GEM によれば、日本の起業活動率(国民一般の成人に占める「早期の起業家」の割合)
は、2010 年で 3.3%である。これは生計確立型の起業活動率(起業の理由として「起業
以外に選択肢が無く必要に迫られて」と回答した活動率)1.2%に、事業機会型の起業活動
率(起業の理由として「事業の器械を追求するため」と回答した活動率)2.1%を足し合わ
せた割合である。また、誕生期の起業家の割合は 1.5%、新会社の所有者の割合が 1.8%と
なっている。
▶起業の経済効果
起業した年が比較的若い企業は、そうでない起業よりも起業後に売上高を大きく伸ばし
ている。また起業は、存続企業よりも雇用を大きく創出している。
このように近年起業した企業は、売上高を年々増加させ、雇用も着実に創出していると
いう特徴を有している。
3.日本における起業活動の担い手
▶日本における起業家の数
日本における起業家の数の推移をみたものが、図 13-8 である。
この図によると、1979 年以降の市井委では、若干の増減はありが、約 25~30 万人の
推移をたどっており、2007 年には約 25 万人となっており、02 年の約 29 万人と比べて、
約 4 万人の減少となっている。1990 年代以降、起業家輩出のための支援施策が積極的に
とらえられたものの、日本における起業家の輩出数は、この 30 年の間にそれほど大きな増
減はない。
この点に関する問題は、起業家の輩出数が伸びないということにある。
なお、起業をするための準備段階にある者を起業準備者と呼ぶ。
▶日本における起業家ならびに起業希望者の特性
次に、起業家ならびに起業希望者の個人属性についてみていく。
起業家は、性別をみると男性のほうが多く、1979 年から近年まで約 60%の割合で推移
してきたが、2007 年には約 68%と増大している(逆に女性の起業家は 2007 年にはそ
れまでと比べて比率としては減少しているということになる)。起業希望者でみると、起業
家の性別よりも一層男性の割合が多い。しかしながら、1987~97 年にかけて女性の起業
希望者の比率は減少したかに見えたが、それ以降、再び 30%を超えており、この数年は増
加傾向にあるとみも見て取れる。
日本、また世界各国においては、持続的な経済発展をまたそれぞれの国・地域の市民が
持続可能な生活を今後しっかりと成し遂げていくことができることが求められている。こ
のためには、唯一の解ではないであろうが、その 1 つの提案としては、女性を中心とした
起業活動を増大させていくためのエンジンを駆動させたり、またその障壁を撤廃したりす
ることなどが検討されるべきである。