現状と課題レポート① 様式 4 テーマ「銀天街L字地区の現状分析と課題整理」 【現状分析】 2.賑わい再生に向けた取組み 1.地区内の現況 □全国的に中心市街地の空洞化が深刻化する中で、松山市も例外ではなく、松山市の中心市街地にお □銀天街L字地区は、松山中央商店街の大街道と銀天街を結ぶ約 3.1ha のエリアで、 「松山市 ける小売業の年間商品販売額は、バブル崩壊後長引く景気低迷や郊外型ショッピングモール開設な 中心部都市再生ビジョンおよび中心地区市街地総合再生基本計画」 (以下上位計画)では、 どの影響により、平成 9 年の約 3,313 億円をピークに平成 19 年には約 2,555 億円に減少しており (各 L字周辺地区として、一番町交差点周辺、松山市駅周辺とともに市街地整備の拠点空間の 年商業統計調査による) 、中心市街地の活性化が課題となっています。 一つに数えられています。 □こうした中心市街地の地盤沈下を背景に、L字地区では 1990 年代に大規模再開発構想が策定されま □市内有数の商業立地でありながら、地区内の土地利用や建物の状況は次のような問題点を 抱えています。 したが、県外の大手スーパーが出店を取下げたことで頓挫した経緯があります。 □それに屈することなく、地元の商店街振興組合では賑わい再生の取組みを継続しており、平成 25 年 ・商業施設、業務施設等と住宅が混在している 度に「松山銀天街L字地区賑わい再生プロジェクト」を実施し、本年 5 月には賑わい再生に向けた ・戦災復興後に建てられた建物の老朽化が進んでいる 地権者の意識醸成や計画策定の推進を図るため「松山銀天街L字地区再開発協議会」が設立されま ・路地に入ると木造建物が多く、防災面で脆弱である ・駐車場など低未利用地が多く、指定容積率に見合う高度利用が行われていない した。 □さらに松山市においては、今年度、L字地区の基本計画策定の準備が進んでいます。 ・広場、緑が少なく、潤いや憩いの公共的空間が不足している ・銀天街のアーケードはやや暗い感じがする □以上により、現在のL字地区は、一度は頓挫した再開発の機運が再浮上し、その胎動期の状態にあ ・銀天街商店街は空き店舗が点在しており、立地を十分に活かしきれていない ると理解しています。 ・中之川通り沿いは界隈性に乏しい ・銀天街商店街以外の道路は人と車の動線が混在しており、歩行者の安全性に欠けてい 【課題整理】 る ・一部でマンション建設が先行しており、再整備に支障をきたす恐れがある 1.計画的な街づくりへの取組み □地区内の現況で掲げた問題点を解決していくためには、街全体(L字地区)で計画的な街づくりを 進める必要があります。 □そのための意見交換や調整の場、及び計画の推進母体としては「松山銀天街L字地区再開発全体協 議会」の活用が可能であり、協議会における議論を通じてABC各街区の役割分担を決めていく方 法が望ましいと思われます。 ▲暗いアーケード ▲低未利用地 ▲建ち並ぶマンション 2.各論の合意形成への着手 □これらの問題を総合的に解決するには再開発手法が適当であり、上位計画においても、 「再 開発整備を中心とした・・・・・」と謳われています。 □上述の経緯から、L字地区においては賑わい再生に向けた合意形成の下地は既にできあがっている ものと考えられます。 □そこで、次のステップとしては、上位計画の整備方針を踏まえ、かつ市で策定する街全体(L字地 ≪上位計画におけるL字周辺地区の整備方針 ≫ ■ 再開発整備を中心とした老朽建物の更新により、魅力ある商業核と、中心地区へ の来訪者を受け止めるフリンジ駐車場、広場等の公共公益的機能を一体的に創 出する。 ■ 商業機能、公共公益的機能の導入に加え、都心居住機能(住宅系)の導入も併せ て進める。 区)の基本計画との整合を図りながら、街区ごとに整備を進めるのが常道であり、そのためには各 街区において各論の合意形成に着手できる環境づくりが課題と考えます。 □具体的には組織づくり(ブロック別協議会など)と計画立案が必要であり、今回の調査業務はC街 区における各論の合意形成に向けた作業の一環として受け止めています。
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