認知症予防教室参加後のフォローアップについて 作野 社会福祉法人こうほうえん 亘 介護老人福祉施設なんぶ幸朋苑 【目的】 当施設では鳥取県米子市の 2 次予防事業の委託を受け、平成 24 年度から平成 26 年度 現在までの 3 年間、認知症予防教室を実施している。日本認知症予防学会にて事業の報 告を行ってきた。今回、報告の中で課題として挙げてきた教室終了後のフォローについ て明らかにする。 【方法】 本教室開始から 3 年間で 67 名の利用があった。3 年間継続利用があった 2 名の利用 者の経過、地域包括支援センター(以下、包括)の関わりについて考察する。 【結果】 包括が定期的に自宅訪問し、生活状況の確認、教室の様子や評価結果など家族へ報告を 行っていた。 A 氏:70 歳代女性。自宅独居週 1 回程度長女の訪問あり。家事や受診や買い物など外出 も一人で行っている。平成 24 年 9 月軽度の物忘れが疑われ、包括へ相談。専門医療機 関への受診を紹介するも受診せず。平成 24 年 10-12 月、平成 25 年 3-6 月、平成 26 年 10-12 月教室に参加。長女定期的な訪問が行えなくなり、物忘れの進行について包 括へ相談あり。専門医療機関を受診、老年期認知症と診断。平成 27 年 5 月要支援 1 の 判定。介護予防認知症対応型通所介護利用開始。 B 氏:80 歳代男性。家族と同居。日中独居。家事行わず。外出は散歩程度。基本チェッ クリスト認知症項目に該当。家事行わず。外出は散歩程度。基本チェックリスト認知症 基本項目に該当。平成 24 年 10-12 月、平成 25 年 4-6 月、平成 26 年 10-12 月教室参 加。利用当初、介護保険申請に拒否されていたが、家族状況の変化もあり、平成 26 年 5 月に申請し、要支援 2 の判定。介護予防通所リハビリテーション利用開始。 【考察】 本教室の参加により、認知症を予防を行うだけでなく、教室での結果、状態変化をも とに専門医療機関への受診、認知症診断へ繋がっていった。包括の継続な関わりにて、 介護保険申請、介護保険サービスの申請につながっていった。今後、介護予防サービス を利用し、継続的な介護予防を行っていけるのではないかと思う。 【論理的配慮】 発表にあたり本人及びその家族の承諾を得た。個人情報、秘密保持については配慮を 行った。
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