TOKYO RADIO NEWS HEADLINE NEWS LETTER 東京ラヂオ ニュースヘッドライン ニュースレター Vol.19 25.10.2015 東京ラヂオデジタル放送局 株式会社きのしたてるのぶ事務所 道一以貫之 「道一以貫之」(みちいつをもってこれをつらぬく)とは、一貫して変わらず道を進む事、という意味。日本で初め ての角膜コンタクトレンズを開発したメニコン創業者、田中恭一氏の座右の銘である。順調な成長を見せるメニコンは、 2015年6月に東証一部に上場、長期計画「Vision2020」の達成をコミットしている。 注目すべきは、現社長である田中英成氏のアイディアで生まれた定額制コンタクト「メルスプラン」だ。メニコンの 高品質なコンタクトレンズを常にベストコンディションで使い続けるユーザーの眼の健康を最優先した全く新しいサー ビスシステムである。 コンタクトレンズは、誤解を恐れずに言えば少々不具合があっても我慢して使ってしまいがちなユーザーも多い。例え ば、1日使い捨てコンタクトレンズを2日続けて使えば、実質半額で購入した事になる。コンタクトレンズは高度管理 医療機器であり、眼科医の指示を受け装用時間、期間、取り扱い方法を正しく守らなければならないことは言うまでも ないことなのだが、資金的に余裕がない若者の中には、理解はしていても行動が伴わないのかもしれない。 創業60年、上場を機に更なる成長へ 90年代以降、使い捨てコンタクトレンズ(2Week・1Day)が業界を席巻、コンタクトレンズ国内市場約1,950億円 のうち、約1,750億円を占めている。同社はハードコンタクトレンズでは国内シェア60%と圧倒的であるが、使い捨 てコンタクトレンズでは、ジョンソンアンドジョンソン(J&J)がシェア4割と圧倒的な地位を確保、10%強の同社 は水を空けられている。 同社の売上の6割以上を稼ぎだす「メルスプラン」の加盟施設は全国1,667施設。約8,000施設あると言われている コンタクトレンズ販売施設の流通基盤を押さえている一方で、これ以上の加盟店数増加は見込みにくい。 しかし、上場がキッカケとなりシェアは向上していくとみる。2011年3月に生産開始となった1日使い捨てコンタク トレンズ「Magic」はシェア奪取のカギを握る商品。他にも、動物医療、環境バイオ、ライフサイエンス事業など 新規事業を展開していく計画だ。矢野経済研究所の調べによれば、コンタクトレンズ国内市場は2019年に2,000億 円を超え、装用人口も1200万人を超えてくると予想される。 2013年3月期の売上高579億円から、直近2015年3月期には631億円と順調な伸びを見せており、今後の業績伸長 にも十分な期待が持てる。 独創とは一途な意思のなせる業である 創業者である田中恭一氏は昭和25年に勃発した朝鮮戦争時に、日本に駐留していた米兵たちに対し、「名古屋で 唯一の軍専属」であった玉水屋で眼鏡の補修や新しいデザインの眼鏡販売を行っていた。 そんな折、ある将校夫人が玉水屋を訪れ、品のいい眼鏡をいくつもほしがる中、突然「I have a pair of contact lenses.(私、コンタクトレンズを持っているのよ)」と話したという。コンタクトレンズを持っているという人物 に初めて会った恭一氏は、突然雷に打たれたかのように好奇心を刺激され「May I see them?(見せていただけま せんか)」と尋ねたところ「They are my treasure!(ダメよ、私の宝物なんだから)」そして、 「They cost over $300.(10万円もするんだから)」(当時の大卒公務員の初任給が約5千円) 決して見せてもらえなかったコンタクトレンズは、どんなカタチをし、どんなふうに眼に入れるのか、まるでわか らなかった。でも、どうしても手に入らないのであれば、自分で創ればいいのだ!と考えたという。田中恭一氏 「独創とは一途な意思のなせる業である」の名言にこそ、業界のリーディングカンパニーであるメニコンの変わら ぬ企業力が隠されている メニコン 取材レポート Designed by KIYOSHI MATSUDA (7780) (文 木下晃伸 きのした・てるのぶ) ■ メ ニ コ ン 社 長 、田 中 英 成 氏 と 木下 晃伸 きのした・てるのぶ シリアル・アントレプレナー(連続起業家)。 中央三井信託銀行(現 三井住友信託銀行)、三菱 UFJ 投信等を経て独立。株式会社 きのしたてるのぶ事務所設立、代表に就任。シリアル・アントレプレナー(連続起 業家)として活動、東京ラヂオデジタル放送局代表 、一般社団法人日本金融資産運 用設計士協会代表理事、ジーニアスプライベートスクール理事長など、アイディア を次々と具現化、ビジネスを展開中。著書に「パクリジナルの技術」シリーズなど 多数。東京ラヂオ「ニュースヘッドライン」メインパーソナリティ。軽井沢在住。 新しい音声メディアのカタチをあなたに。検索は、 東京ラヂオ TOKYO RADIO
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