公務実習レポート 都留市役所

公務実習報告
9月26日から30日までの5日間、インターンシップとして都留市役所にお世話に
なった。実習報告ということだが、報告のためだけではなくこれからの自分のためにも、
この5日間で感じたこと学んだことを、なるべく細かく書き残していきたいと思う。
まず、1日目の午前中に政策形成課長さんと、税務課の方に、お話をうかがった。その
中で平成17年度主要施策についてであるが、
「住民自治」は、達成目標として国からも下
りてきている。これからいうことは、市長さんはじめ、市役所の職員の方たちにはもう当
然のこととして伝わっているのかもしれないが、今回受け取った資料の中で、地域将来像
に関して言えば、全国どこででも同じような文句が謳われている。しかし、実際、日本全
国すべての地域が同じ気候風土、同じ、土地柄・や人間性ではないはずである。そんな中
で、その土地にあった政策を進めていくかは、その土地にあるものに注目するということ
が第一であると思う。都留あれば、都留に眠っているもの見直し、それを土台に産業や、
観光に生かしていくことが必要なのではないか。その点で言えば、都留市にある自然や八
朔祭、様々な歴史文化財などは都留固有の大事な資源であり、それを生かそうとしている
市の行動計画はすばらしいものだと思った。同時に、「地域」とは、最終的にはそこに住む
人のものであるから、地域資源を外に発信していくだけでなく、中にいる人々にどれだけ
浸透させていくかも重要なのではないか。そのためには生涯学習という面からのアプロー
チも必要であるだろうし、学校教育や民間企業へのアプローチができれば理想であると思
う。また、地域づくりに関していつも問題になるのが、
「市民の声をどう生かすか」という
ことである。このことに関しては、市民の声がない、生かそうと思っても何をどう、どこ
まで生かせばいいのかわからない、限度がないということが考えられるので、自分自身、
意見を述べるのが非常に難しいのだが、たとえば数ある市のイベントの中で、市民から何
かの要望が出たとき、それがどんなに小さな声でも、また、それをできるかできないかは
別としても、まずはその声に反応することが大事なのではないか。そうすれば、何か言い
たくても言えなかった人も努力するだろうし、そうやって少しずつ拾っていくことで、そ
の声をどう政策に生かせばいいかが明確になっていくのではないと考えた。
公務1日目午後、生涯学習課長さんに、都留市内の生涯学習に関する施設を案内しても
らった。月曜日ということで、だいたいの所が休みだったが、説明を聞いているだけでも
いろいろな発見や感動があった。それぞれについて考えたことをまとめておきたいと思う。
【宝の山ふれあいの里】
ネイチャーセンターで、宝鉱山時代の写真を見せてもらい、お話を伺った。そこには、
鉱夫家族が住む社宅だけではなく、診療所、映画館やお風呂などの娯楽施設までもあり、
大きなひとつの街が存在していた。たとえ、鉱夫たちの生活の拠点がそこにあるとはいえ、
あの時代、あんな山の中にこんなにも大きなコミュニティーが存在しているとは思いもよ
らず、驚きというか、違和感があった。しかしその後のお話の中で、その鉱山を東京の大
きな財閥が管理していたということを聞いて、かなり納得もした。
宝の山ふれあいの里には文大の、しかも社学の先輩がいらっしゃると聞いて、会えるの
が少し楽しみであったが、いらっしゃらなくて残念だった。
【尾形郷土資料館(小形山)
】
いたって普通の神社の境内を左に行くと周囲の風景とはすこしミスマッチな洋館らしき
建物があった。おしゃれでもともと校舎であったとは思えなかった。
「擬洋風」というよう
に、洋風に見立てて作った、れっきとした和風建築だそう。学制が発行されて間もないと
きに作られたそうで、山梨県でもかなり(1番?)古い小学校ということで、政治、教育
の中心である東京圏とのつながりがあったことも伺えた。できれば資料館内を見たかった
と思う。また何かの機会に訪れたい場所だ。
【桃林軒】
あの有名な松尾芭蕉が、江戸の大火のとき、自分の家が被災したことで一時期移り住ん
だ地がこのあたり。そのときにこの谷村の美しい風景に親しみ、全国行脚(奥の細道)を
志したとか。都留には、芭蕉の多くの句碑が残っている。私は俳句に関しては特に興味を
持ってはいないが、自分の故郷に近い秋田県象潟市が、奥の細道最北の地であり、小学生
時代にその学習をしたり、実際に行ったりしていたので、少しなじみがあってうれしかっ
た。それにしても、この山梨から秋田まで、身一つで旅をするなど、現代ではなかなか考
えられないだろう。本当にタフだと思った。
都留を一通り巡ってもらった後は、市役所に帰って、生涯学習課の方に、生涯学習の現
状や公務員これからなどについてお話を伺った。まず、市役所お仕事について、伺った。
市役所は大変たがとても楽しい。特に専門職でない限り、だいたい3年サイクルで部署の
移動がある。もちろん希望調査をした上ではあるが。そして、市役所の仕事の大変なとこ
ろは、部署が変わると仕事がガラッと変わり、新しい部署ではまた1から仕事を覚えなけ
ればならないということだ。そのかわり、かなり勉強になる。だから、若いうちはむしろ
どんどん部署を変わったほうがよいそうだ。部署の中でも、生涯学習課はかかわるフィー
ルドが広く、かなり苦労も多いがやりがいを感じるとおっしゃっていた。公務というより
は、民間志向的だそうだ。
公務員の仕事はそのような感じだが、それも指定管理者制度などによって、これから、
あと5∼6年ほどするとまったく変わってくる可能性があるらしい。たとえば、市が管理
している施設を民間が運営しているかもしれない。市の仕事を多くの民間がやるようにな
る。だから、市の役員として公務員ではいったとしても、いつの間にか民間の社員になっ
ていたということも十分ありえる。公務員の位置づけはこれからどうなっていくのか。民
間の職員と公務員の違いはどこに現れるのか。今後に注目したいと思った。
また、団塊の世代が退職の年齢を迎え、就職活動にも影響が出てきているという話題に
もなった。私は、その団塊の世代の人々が、その後の人生をどう生きていくのかに非常に
興味を持っていたので、
「生涯学習」ということも絡めて、お話を下さった方に、自分があ
と数∼十数年後にやめたらどうするか質問していた。しかし、返ってきた答えは「考えて
いない」
「想像つかない」という答えだった。生涯学習ということで、市民の方の相談に乗
ったりはするが、自分の事になるとドキドキしてしまうそうだ。意外といえば意外、でも
よく考えてみれば当たり前なのかもしれないと思った。日常の中で、自分の将来について
考えることはそんなに多くない。そういうことを考えたり、ビジョンがあったりしても、
実際5年後10年後にどうなっているかは想像がつかないものだ。話からはかなりずれて
しまった気がしたが、ここまで考えさせてもらって、いいお話が聞けたと思った。
2日目から4日目まで、都留市立図書館で働かせてもらった。図書館ということで、本
の貸し出しやレファレンスをするのかと思っていたが、たまたま蔵書整理の時期にあたっ
たため、4日間とも蔵書チェックと書庫整理に当たった。まさに単純作業である。図書館
業務の裏側を見た気がした。正直きつかった。これを職員さんが毎日こなしていると思う
と本当に頭が下がった。しかし、確かにきついのだが、この、1年に1回の仕事をきちん
とやることで、日常の業務がどんなに楽になるか。しかも、自分も利用する側から考える
と、整理されているほうが本も見つけやすいし、とても使いやすい。そう思うと、多少の
つらさも和らいだ。これは図書館の蔵書整理に限ったことではない。そのような大変な仕
事をするからこそ、普段やっている仕事がスムーズになる。してくれる人がいるから、社
会がうまく回っている。自分が将来仕事をする上で、忘れたくない事だと感じた。
5日目、午前中は都留ミュージアムでの業務だったが、自己紹介と毎朝の仕事をした後、
館内を一通り案内してもらうと、もう時間は半分過ぎていた。八朔祭の展示や、古代から
の都留の歴史を説明してもらった。八朔祭歴史も説明してもらったが、屋台の飾りの事は
ずっと興味があったことだったので、かなり突っ込んだところまで質問してしまった。装
飾の材料がどこから来たのか、復元したときの職人さんがどんな技術をもっていたのか、
復元プロジェクトはどのように進んだのか、保存はどのようにしているのか、などなど、
思わず「へぇ」と言ってしまうほど感動してしまった。また、ミュージアム全体の説明の
なかで、話をしてくださった方が、
「例えばある街へ旅行に行って、その街の特性や雰囲気
を知りたいとき、その資料がある場所というのがミュージアムの本来の役目のひとつ。だ
から、都留ミュージアムも、古物をおいたりする博物館ではあるけれど、もっと都留の紹
介ができるような展示品をなるべく置くようにしている。
」とおっしゃっていた。博物館と
いうのは、少し間違えば、本当にマニアックな人たちだけが見学に来て、ほかの大多数の
人たちは何をやっているのかわからないハコモノになりがちだが、そういうことに気を使
えていることが素晴らしいと感じた。また、ただ展示物を見に行くだけではなく、学芸員
の方に説明してもらうことで、もっとたくさんの発見が得られることもわかったし、
「ミュ
ージアムの本来の役目」というところも、新たな視点だった。
実習を終えて感じたのは、たったの5日間だったが、沢山の事を感じ、かなり濃い時間
を過ごさせてもらったということだ。今回の実習は、市役所の仕事を通じた都留の魅力発
見の良い機会だったと思う。もちろん、公務に関わらせてもらったことで仕事に対する考
え方も変わった。本当に有意義な時間だったと思う。