00000 毎朝入力する「学習記録」で, 生徒の状況をリアルタイムに確認 公立 福岡県立大川樟風高等学校 共学 学科: 文理科(特進),普通科(総合コース),住環境システム科 規模: 1学年140名,2学年102名,3学年98名(2014年度) 主な進路状況: 国公立大2名,私立大20名(2014年度入試) 取り組み ● 学習記録を用いて,生徒の状況をリアルタイムに確認 ●「学力向上」にこだわった,ICTを用いた指導実践 学習記録をベースにした,ICT活用 で生徒にあった手厚い指導 ──── タブレット,LAN環境を教えてください。 ──── Classiの導入の目的はどのようなものですか。 蒲原先生 タブレットはipadです。無線LANが使用可能 蒲原先生 本校で,ICT活用の最大の目的は,「生徒の な教室が3教室あります。また,体育館,職 学力向上」です。そのためにICTをつかって, 員室でも使用可能です。ディスプレイ式の電 「わかる授業」「効率的な演習」ができればと 子黒板は1台,特別教室にあります。電子 思っています。ICTを導入することで,当然 黒板のない教室は,従来のプロジェクタを 授業も変わりますので,それに伴った教員 使って授業を行っているという状況です。 のスキルアップも期待しています。 ──── なぜClassiを導入したのですか? ──── 導入するにあたり,どのような組織作りを行っ 蒲原先生 以前,学習時間調査というものを紙ベース たのか教えてください。 で行っていたのですが,「集計」「整理」がな かなか大変で,データをとったはいいが, 付けています。メンバーは,ICTスキルの高 データの活用を十分に行うことができていま い職員をはじめ,各教科の先生をバランス せんでした。今回,Classiを導入することで, よく配置しています。それらの職員が軸にな 効率的に「収集」「集計」「整理」を行い,生徒 り,全体へ波及させているような状況です。 の学習時間等の把握などに役立てていきた 物品等の予算につきましては,PTAなどから いと思っています。また,Webテストを授業中 予算を組んでいただいています。 や課題などを用いて,効率的な演習を行うこ 1 蒲原先生 「教育の情報化推進部」を校務分掌に位置 とも考えています。 ──── 導入にあたり,反対する声はなかったのでしょ ──── 一年間モニターを行ってみて,いかがでしたで うか? しょうか? 蒲原先生 プラスの声は,実技系の教科を中心にありま 蒲原先生 学習時間の記録と進研模試の成績との比 した。実技の指導において動画を利用するこ 較を行ったのですが,相関をみることができ とが,とても効果的でした。マイナスではない て良いという教員が多かったです。学習時 ですが,どうやって,導入したらよいか,授業 間は多いけれども,成績は伸びていないと に活かせばよいかなど,戸惑いの声があっ いう生徒もおり,学習の方法について指導し たのは事実です。また,単純に操作の面も不 ていくのは大切だという共通認識を得ること 安があったようです。ただ,学校としても使う ができ,非常に効果が高かったと思います。 こと強制するスタンスではなかったので,特 に反対意見はありませんでした。 ──── Classiを導入するにあたって,今後期待して ──── 教員同士のコミュニケーションは変化しました いることを教えてください。 蒲原先生 やはり,学習時間を記録させ,学習時間を か? 意識し時間を増加させることで,よりよい学 蒲原先生 確実に教員同士のコミュニケーションは増え 習習慣を形成させることが目的です。また, たと思います。たとえば,国語でこういう授業 量だけでなく教科のバランスも考えています。 をやったという話を聞けば,数学,社会など 学習時間に成績の向上が伴っているかなど でも手法は活かせますので,そういう面でも をみて,時間に伴っていなければ,学習方 話す機会は増えました。 法から指導する必要があります。これらの面 また,定期的に,職員研修を行っており, から,学力向上が狙えればと考えています。 そこでアプリケーションの紹介・共有などを Webテスト,アンケートなども使って,校務の 行っています。年に数回,教員向けにICT通 省力化もできればと考えています。双方向 信というものを発行して,ICT機器や授業法 型のやり取りの中から,生徒一人ひとりに の提案などを行っています。あとは,普段か あった指導ができればと考えています。 ら教科内や教員間で話をして,ICTスキルの 向上を心がけています。 ▲ 生徒面談でのClassi活用風景 2 ▲ お話を伺った 南里 加壽子 先生 (国語) 生徒の学習課題を顕在化し,一人ひとりにあった指導を ■ 生徒が毎朝入力する「学習記録」をもとに先生が面談を行うなど,主に生徒向け機能を活用して 成 果 います。生徒の状況をリアルタイムかつ詳細に把握した状態で話し合えるため,より充実した指導 が可能になりました。 ■ 学習時間の記録と進研模試の成績との比較を行ったのですが,相関をみることができて良いとい う教員が多かったです。学習時間は多いけれども,成績は伸びていないという生徒もおり,学習の 方法について指導していくのは大切だという共通認識を得ることができ,非常に効果が高かったと 思います。 ■ 生徒に学習時間を記録させ,時間を意識させることで, よりよい学習習慣を形成させることが目的。学習の量, 今 後 向 バランスのデータをみて,指導に生かすことができればと 考えています。 ■ Webテスト,アンケートを使って,校務の省力化もできれ ばと考えています。双方向型のやり取りの中から,生徒一 人ひとりにあった指導ができればと考えています。 お話を伺った 蒲原 航太郎 先生 (数学) 3
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