水 稲 病 害 予報内容 病害虫名 発生時期 いもち病 (穂いもち) 並 発生量 ・ 感染量 並 紋枯病 - 多 予 報 の 根 拠 (1)県全体の出穂期は平年より1日早い見込み(平成 27 年度農作物 技術情報第5号 水稲) (2)7月下旬の葉いもちの発生圃場率は、平年より低かった。 (-) (3)8月の気温はほぼ平年並、降水量は平年並か多い予報。(+) (1)7月下旬の紋枯病の発生圃場率は、平年より高かった。 (+) (2)8月の気温はほぼ平年並、降水量は平年並か多い予報。(+) ごま葉枯病 少 (1)7月下旬の巡回調査では、発生は確認されなかった。(- -) (穂枯れ) 記号の説明 (++):重要な多発要因、(+):多発要因、(±):並発要因、(-):少発要因、(- -):重要な少発要因 防除対策 1 防除のポイント ○いもち病(穂いもち)は、葉いもちの発生状況と気象経過に注意し、基本防除を徹底するとともに、必要に 応じて追加防除を実施しましょう。 ○紋枯病は圃場を良く観察し、要防除水準に達している場合は、防除を実施しましょう。 【いもち病(穂いもち) 】 (1)上位葉(止葉、次葉、第3葉)に発生する葉いもちは、穂いもちの伝染源となるので、葉いもちの発生 が見られるところでは、直ちに茎葉散布を行う。 (2)穂いもちの予防粒剤を施用したところでも、葉いもちの発生が確認された場合は、茎葉散布を実施する。 (3)穂いもち防除を茎葉散布で行う場合は「出穂直前」 、 「穂揃期」の2回を基本とする。 (4)穂いもち予防粒剤や茎葉散布による防除を行った場合でも、穂いもちの多発生が予想される場合は、以 下の防除を行う。 ア 出穂後降雨が続いたり、低温等で出穂期間が長引く場合は、出穂直前から、穂揃1週間後まで、7~10 日間隔で茎葉散布による防除を実施する。 イ 上位葉での葉いもち多発時には、確認次第直ちに防除開始とし、穂揃1週間後まで、7~10 日間隔で茎 葉散布による防除を実施する。 (参考)薬剤選択の目安 ・出穂直前~穂揃期: 「予防効果の優れた剤」または「予防・治療効果をあわせ持つ剤」を選択する。 ※ただし、葉いもちの発生が多い場合や直前に降雨があった場合は「予防・治療効果をあわせ持つ剤」を選択 ・穂揃期1週間後: 「予防・治療効果をあわせ持つ剤」を選択する。 ※剤の選択にあたっては「平成 27 年度 岩手県農作物病害虫・雑草防除指針」等を参照。 【紋枯病】 (1)要防除水準は、穂ばらみ末期の発病株率が早生種で 15%、晩生種で 20%以上である。 (2)要防除水準に達している場合は、出穂7日前~出穂直前に茎葉散布を実施する。その際、薬剤は株元に十 分散布する。 【ごま葉枯病(穂枯れ) 】 (1)葉での発生が多い圃場では出穂直前および穂揃期の茎葉散布で穂いもちとの同時防除を行う。 水 稲 害 虫 予報内容 病害虫名 発生時期 斑点米 カメムシ類 (カスミカメ ムシ類) 加害時期 並 発生量 ・ 感染量 多 予 報 の 根 拠 (1)県全体の出穂期は平年より1日早い見込み(平成 27 年度農作 物技術情報第5号 水稲) (2)7月下旬の水田畦畔すくい取り調査では、カスミカメムシ類の 発生圃場率はやや高かった。(+) (3)有効積算温度によるアカスジカスミカメの第2世代ふ化盛期は 平年より早く7月 29 日頃と予測される※。(+) (4)8月の気温はほぼ平年並、降水量は平年並か多い予報。(±) フタオビ 第3世代 並 (1)予察灯における第2世代の発生時期は早かった。 コヤガ 早 (2)7月下旬の本田すくい取り調査では、程度の高い発生は平年並 (第3世代) だった。 (±) (3)8月の気温はほぼ平年並の予報。 (±) セジロ 並 (1)7月下旬の本田すくい取り調査では、発生圃場率は平年並。(±) ウンカ (2)8月の気温はほぼ平年並の予報。(±) ツマグロ 少 (1)7月下旬の本田すくい取り調査では、発生は確認されていな ヨコバイ い。(-) (2)8月の気温はほぼ平年並の予報。(±) 記号の説明 (++):重要な多発要因、(+):多発要因、(±):並発要因、(-):少発要因、(- -):重要な少発要因 ※アカスジカスミカメ第2世代ふ化盛期の早い(北上で8月5日以前)高温年は第2世代成虫の発生が早まり、7月や8月上旬の発 生が少なくても8月下旬以降は本田における発生密度が増加する可能性が高い(平成22年度岩手県農業研究センター試験研究成果)。 防除対策 1 防除のポイント ○斑点米カメムシ類は水稲の生育に合わせ、穂揃1週間後の薬剤防除を徹底しましょう。 (平成 27 年7月 30 日発行の注意報第3号参照) 【斑点米カメムシ類】 (1)薬剤防除の適期は、水稲の穂揃1週間後である。ただし、以下のような場合は、斑点米の発生が多くなる ので穂揃1週間後および穂揃2週間後の2回防除を実施する。 (穂揃1週間後にアルバリン剤、スタークル 剤を使用し追加散布を行う場合、2回目は穂揃3週間後に実施する。 ) ア 水田付近に出穂開花中のイネ科植物(特にイタリアンライグラス)を含んだ牧草地、雑草地等があり、 カスミカメムシ類の発生密度が高い場合。 イ 本田内にノビエ、イヌホタルイ、シズイなどが多発している場合。 ウ 割れ籾が多い品種(あきたこまち等)の場合。 (2)畦畔際のみの薬剤散布では効果が劣るので、薬剤は水田全面に散布する。また、水田周辺に牧草地などの カスミカメムシ類の発生源がある場合や、例年斑点米の発生が多い場合は、畦畔を含めて薬剤による防除を 行う。 (3)カスミカメムシ類は、移動性が高いので地域一斉に防除すると効果が高い。地域の穂揃期の幅が7日以内 の場合、半数の圃場が穂揃期に達した時期の約7日後に一斉防除を実施する。 (4)水稲出穂期以降に畦畔の草刈りを行う場合は、穂揃い1週間後の薬剤散布後おおむね1週間以内(残効期 間内)に行う。前述の期間外に畦畔草刈りを行う場合は、すくい取り調査で畦畔に斑点米カメムシ類がいな いことを確認すること。 (5)地域内で出穂の早い品種がある場合は、その圃場に被害が集中することがあるので注意する。 【フタオビコヤガ】 (1)一般には防除は不要である。 【セジロウンカ、ツマグロヨコバイ】 (1) 一般には防除は不要である。 2 防除上の留意事項 (1)養蜂活動が行われている地域で殺虫剤を散布する場合は、養蜂家と協議の上、散布時期を事前に通知する など、ミツバチへの危害防止対策を徹底する。 (2)薬剤散布の際は、農薬使用基準を遵守し、周辺への飛散防止に努める。
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