「田植え前準備のポイント」(PDFファイル)

平成 27 年 4 月 17 日発行
おいしい
情報
づくり
米
No.3
●南魚沼市 ●NOSAI魚沼 ●JA魚沼みなみ
トップブランド存続 へ生産者結集
JA魚沼みなみ生産者大会において、
「南魚沼地域の病害虫の実態と防除について」と題した
基調講演や「平成27年産米の生産重点対策」等の確認を行いました。また、大会の最後に
は稲作振興協議会会長より下記の力強い挨拶がなされ、生産者の意識統一を図りました。
会長挨拶
「米価が下がり所得も減少するなど農業を取り巻く環境は厳しく、米の産地間競争も激化
する中、『高品質・良食味米』を生産することは大前提である。そのために必要なコストま
で削ってはいけない。『南魚沼産コシヒカリ』の名に恥じないよう生産者と JA、関係機関
が一丸となり、高品質米の生産に取り組んでいきましょう。
」
JA魚沼みなみ生産者大会(3月29日)
◎ 育苗管理
◦育苗期は温度管理が重要なポイントになります。生育ステージに合わせた温度管理の徹底
により、育苗障害や病害の発生を防ぎ、健苗を育成しましょう。
◦これからの時期は天候が変わりやすくなります。急激な温度変化には十分注意しましょう。
【育苗管理の概要】
急に太陽が出てきた時等は要注意
です。ハウス内は急激に温度が上
がり、苗がヤケやすい状況になり
ます。十分に注意しましょう。
は種∼出芽揃
ハウス温度
30℃以下
肩換気が
基本、条
件により
裾換気
出芽揃∼1.5葉
籾の位置で
25℃∼32℃
昼間 夜間
葉の近くで
20℃∼25℃
ムレ苗に注意 !!
10℃以上
ムレ苗とは…1.5 葉期頃、8℃以下の低温にあうと発生しやすい。褐色やあめ色に変わり、
育苗箱に局部的に円形・ドーナツ状で発生する。
∼耕種的防除∼
・急激な温度変化をさける。
・うすまきを励行する。
・徒長苗をつくらない。
・緑化期中、育苗箱下に水を停滞させない。
例年、5月の連休頃に
ヤケ苗やムレ苗等の発生が多く
見られます。うすまきや温度管理の
徹底等、病害防止に努め、健苗を
育成しましょう。
∼薬剤防除∼
薬剤名
処理方法
処理時期
タチガレエース M 粉剤
1 箱当り 6 g床土に混和
播種前
タチガレエース M 液剤
1 箱当り 500 ~ 1000 倍希釈液を
500ml 土壌灌注
播種時又は発芽後
※耕種的防除を中心に、不安な場合は事前に薬剤防除を行いましょう。
◎ 土づくり
近年、新潟県内や魚沼地域の一部でごま葉枯病が多発生しています。現在南魚沼地域での発生
は少ないですが、十分な注意が必要です。ごま葉枯病は、ケイ酸や鉄を多く含む圃場では発生し
にくいため、土づくり肥料を施用することが予防につながります。
ごま葉枯病
◦老朽化水田や秋落ち田で発生しやすい。
◦主に葉身に輪紋上の病斑が出る。
【主なケイ酸を含む肥料】※は鉄入り
品名
ようりんケイカル23号
魚沼ロマンアイアンスター ※
ケイ酸加里プレミア34 ※
ソイルキーパー Fe ※
スーパーシリカプレミアム
ソイルキーパー
標準施肥量(10a)
100~200㎏
60㎏
40~60㎏
100㎏
60~100㎏
40㎏
●地力の低い圃場には堆肥や有機物を施用しましょう
◦鶏ふんや堆肥などの有機物を継続して施用すると、地力向上が図られて、栽培後期の窒素
発現量が増加し、稲体活力維持や登熟向上が期待できます。
◎ 本田準備
● 耕起のポイント
1.乾かした状態で作業を
◦乾土効果(地力窒素の発現が
多くなる)を発揮します。
◦湿った状態では耕深が不均一
で浅くなりやすくなります。
2.耕深 15㎝を
目標に
耕うんして
いない部分
◦作土が浅いと肥効の
持続力が短く、根張
りも浅くなり、根の
機能が弱まります。
耕うん
した部分
15 ㎝
● 代かきのポイント
1.作業後の高低差を±3 ~ 4㎝以内に
◦田面が平らでないと活着の遅延や欠株の発生、
除草剤の効果低下と薬害の発生等が起こる可
能性が高まります。
3.粗代→本代、本代は丁寧に
2.移植2~3日前の作業がベスト
◦代かきと移植の間隔が空くほど雑草の発
生が多くなります。また、代かきの直後
に移植を行うと、苗の埋没や浮き苗に
よる欠株発生の可能性が高まります。
◦本代の前に粗くかくことで、代かきの効果(田面を平らにする・水漏れを防ぐ等)を高めます。
◦本代をゆっくり丁寧に行うことで、ワラが浮くのを防ぎます。
注意
本田での作業後は、道路等に泥を落とさないように注意してください。
泥を落としてしまった場合は、速やかに片づけましょう。
※泥を片づけるには、除雪用のプラスチックスコップがおすすめです!
◎ いもち病防除…箱施用剤を必ず実施
● いもち病防除の考え方
コシヒカリ BL:育苗箱施用剤による葉いもち1回防除
※こしいぶき、もち米、酒米は育苗箱施用剤による防除、併せて本田防除
【主な箱施用剤】
品名
使用量
Dr. オリゼフェルテラ粒剤
50g/1 箱当り
Dr. オリゼプリンス粒剤 6
50g/1 箱当り
使用時期
緑化期~
移植当日
使用方法
適用病害虫名
いもち病・初期害虫・
イネアオムシ(フタオビコヤガ)等
苗箱に
均一に散布 いもち病・初期害虫・
ウンカ類・イナゴ類等
◦葉が濡れていない状態で均一に散布しましょう。
◦茎葉に散布した薬剤がのっている場合には払い落と
しましょう。
◦床土が乾いている場合は、薬剤散布後に軽く散水し
てから田植えをしましょう。
注意
毎年、農薬の誤散布が発生してい
ます。ラベルの記載事項に留意
して散布しましょう。
◎ 除草剤
品名
10a 当り使用量
ユニハーブフロアブル
500ml
草笛フロアブル
300ml
キルクサ 1 キロ粒剤
マーシェットジャンボ
1㎏
500g
使用時期
・代かき後~移植 7 日前
・移植時
・移植直後~ノビエ 1 葉期
(但し、移植後 30 日まで)
※キルクサは移植後 15 日まで
・代かき後~移植 7 日前
・移植後 1 ~ 5 日(ノビエ 1 葉期)
◦散布時は水深 3 ~ 5㎝程湛水し、水口と水尻を必ず止めましょう。
◦原則、散布後 7 日間は入排水を行わないでください。
※水持ちが悪く散布 2 ~ 3 日で田面が露出する場合は、水尻を確実に止めてゆっくり入水します。
その際、あふれさせないように注意してください。
田植え前に使用する際は、移植7日前までを厳守してください。
農薬使用に関する注意点
◦登録のある農薬を使用しましょう。
◦使用回数・使用量・濃度・使用時期等の確認を行い、確実に守って散布しましょう。
◦防除服・マスク・ゴーグル等を着用し、身の安全を一番に作業しましょう。
※農薬の不適正使用については、「ついうっかり」では済まなくなって
います。(出荷禁止や自主回収等の措置)必ずラベルの使用基準を
確認し、厳守しましょう。
◎基 肥
肥料名
有機 30 魚沼ロマン側条専用粒状
有機 30 魚沼ロマン 500 号
有機 30 魚沼ロマンペースト S043
有機 30 魚沼ロマン元肥一発
魚沼ロマン有機専用
魚沼ロマン有機一発 285
アグリフラッシュ
成分量(%)
N
P
K
12
15
12
15
10
10
10
4
3
慣行栽培米
基準施用量
30 ~ 40㎏
20 ~ 30㎏
30 ~ 40㎏
3.6 ~ 4.8㎏
3.0 ~ 4.5㎏
3.0 ~ 4.0㎏
15
10
12
8
14
8
7
10
5
30 ~ 40㎏
30 ~ 38㎏
45 ~ 50㎏
4.5 ~ 6.0㎏
3.0 ~ 3.8㎏
5.4 ~ 6.0㎏
14
14
14
20 ~ 30㎏
2.8 ~ 4.2㎏
窒素含有量
※ JA 特別栽培米については、栽培指針を確認の上、基肥使用上限を超えないようにお願いします。
施肥体系(例)∼魚沼米憲章(3割減)に基づいて∼
1. 魚沼ロマンシリーズ
基肥:有機30魚沼ロマン
(側条・500号・ペースト)
穂肥:有機30魚沼ロマン穂肥
有機由来窒素を 30%以上含む魚沼ロマン
シリーズを使用。魚沼地域に適した成分割
合で配合した化学成分3割減施肥体系。
2. 低コスト施肥体系(例)
基肥:アグリフラッシュ
穂肥:魚沼ロマン有機穂肥
低コスト肥料を使用した施肥体系。基肥に
化成 100%のアグリフラッシュ
(低コスト)
を使用し、穂肥に有機由来窒素 40%の魚
沼ロマン有機穂肥を使用。
機械の使用、安全第一‼
∼機械作業の注意点∼
ロータリ等の点検や清掃を行う際は、必ずエンジンを止めてから行いましょう。
○トラクタ作業
正しい服装で作業しましょう
◦安全キャブ・安全フレーム付きのトラクタを使用しましょう。
◦前進で進入・後進で退出を心がけましょう。
◦作業以外の走行時は、
左右ブレーキの連結金具をかけましょう。
○田植え作業
◦内輪差が大きいため、カーブ等、十分減速しましょう。
◦急な傾斜はバックで上がりましょう。
ヘルメット着用
手ぬぐいは中に
シャツの裾をしまう、
袖口を留める
安全長靴
※必ず機械の点検を行ってから作業しましょう。
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