問題 1 平成 18 年 労働基準法の総則においては、労働関係の当事者は、労働条 件の向上を図るように努めなければならない旨の規定が置か れている。 問題 2 平成 21 年 使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実 にその義務を履行しなければならないが、使用者よりも経済 的に弱い立場にある労働者についてはこのような義務を定め た規定はない。 問題 3 平成 19 年 均等待遇を定めた労働基準法第 3 条では、労働者の国籍、信 条、性別又は社会的身分を理由として賃金、労働時間その他 の労働条件について差別的取扱いをすることは禁止されてい る。 問題 4 平成 21 年 労働基準法第 3 条が禁止する労働条件についての差別的取扱 いには、雇入れにおける差別も含まれるとするのが最高裁判 所の判例である。 問題 5 平成 14 年 均等待遇を定めた労働基準法第 3 条では、労働者の国籍、信 条又は社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働 条件について差別的取扱いをすることは禁止されているが、 性別を理由とする労働条件についての差別的取扱いは禁止さ れていない。 問題 6 平成 21 年 労働基準法第 4 条が禁止する女性であることを理由とする賃 金についての差別的取扱いには、女性を男性より有利に取扱 う場合は含まれない。 4 × 誤り。法 3 条が禁止する労働条件についての差別的取扱いには、 「雇入れにおける差別は含まれない」とするのが、最高裁判所の 解 答 5 ○ 判例である(法 3 条、最大判 : 三菱樹脂事件:昭和 48 年 12 月 12 日) 。 ※判例は「法 3 条の規定は、雇入れ後における労働条件につ いての制限であって、雇入れそのものを制約する規定ではない」 とし、 「例えば、企業者が特定の思想、信条を有する者をその故 をもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とする ことはできない」としている。 正しい。法第 3 条。 ※法第 3 条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由 とする差別的取扱いをすることを禁止しているものであり、 性別を理由とする労働条件についての差別的取扱いは、これ に含まれない。 解 答 6 × 誤り。「差別的取扱いをする」とは、不利に取扱う場合のみ ならず有利に取扱う場合も含まれる(法 4 条、平成 9 年基発 648 号)。 ※例えば、結婚のため退職する女性労働者に対し、男性労 働者に比べ 2 倍の退職手当を支給することは法第 4 条に違反 し、違法である。 解 答 1 ○ 解 答 正しい。法 1 条 2 項。 ※「この法律で定める労働条件の基準は最低のものである から、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件 を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るよ うに努めなければならない。」と規定している。なお、ここ でいう「労働関係の当事者」とは、使用者及び労働者のほか に、使用者団体や労働組合を含むものである。 解 答 2 × 誤り。法 2 条 2 項は「労働者及び使用者は、労働協約、就業 規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しな ければならない」と定めており、「労働者及び使用者」の双 方に義務を課している(法 2 条 2 項)。 解 答 3 × 誤り。均等待遇を定めた法第 3 条では、「性別」に関する差 別的取扱いは禁止されていない(法 3 条)。 ※なお、性別を理由とした差別的取扱いは、「賃金」に限 定して、法第 4 条において禁止している。また、性別を理由 とした差別については、男女雇用機会均等法に全般的な禁止 規定が置かれている。
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