脱・都会! 地方に移住した若者たち 東京→島根県大田市 三浦 類さんの場合 Part2 総務企画部 広報・情報システム室 TEL 082-224-5618 このコーナーでは、東京や大阪などの都会から、地方に移住し、充実した生活を送って おられる方をご紹介します。 連載第2回は、東京都から島根県大田市大森町に移住し、(株)石見銀山生活文化研究所、 (以下「生活文化研究所」 )の広報課に務める 三浦 類さんにお話を伺いました。 三浦さんは、名古屋市に生まれ、子供のころは、 米国や南アフリカに住んだこともあり、大学は 東京の外国語大学にてスペイン語を専攻と、一 見国際派。そして新聞記者を目指していたので すが、一転、この大森町に移住。生活文化研究 所の広報を担当されています。 Part1 では、移住までの経緯と生活文化研究所 をご紹介しましたが、Part2 では、フリーペー パー「三浦編集長」とその将来、また三浦さん の地域づくりに対しての思いをご紹介します。 Part1 を読んでいない方はこちらをご覧くださ い。 フリーペーパー「三浦編集長」 --「三浦編集長」は、生活文化研究所が発行しているフリーペーパーです。発行は年に4回、大 きさはタブロイド判で4頁。群言堂(生活文化研究所)の店頭などで無料配布されており、発行 部数は約 1 万部、大森町に住む方々や自然に囲まれた暮らしのことを 中心に地域情報を発信しています。 題名のとおり三浦さんが編集長ですが、この新聞、執筆から写真撮影 そして編集など、文字通り三浦さん一人でされているのです。 旬レポ中国地域 2015 年 8 月号 1 --群言堂にでしか手に入らない? 基本的にはそうです。店頭以外に置いて頂いているところも一部ありますが、そう多くはないです。 --題名はどなたが? 当社の松場大吉会長です。この新聞を発行しようと言い始めたのも会長です。それまで当社は、情 報発信と言うことを全然してこなかったんです。 そこで、大森町のことを、経営者の口からでなく、大森に実際暮らし、そしてその暮らしを楽しんでいる スタッフが発信するというコンセプトで、新聞を発行し始めました。最近広報課に一人スタッフが増えた ので、プレスリリースなどの仕事は二人で分担しているのですが、この新聞は、引き続き私一人で制 作しています。表紙の写真には、三脚とセルフタイマーをつかって、必ず僕自身が映り込むようにして いますので見てみてください。 現時点では、号外を併せ 7 回発行しました。1号から5号までは、会社の宣伝的要素が全くありま せん。号外だけは、5 月に出版した当社の書籍について宣伝するために制作しました。制作に関わっ た方のインタビューなどを入れ、書籍の魅力を語るという内容になっています。 クリックすると HP の「三浦編集長」に ジャンプします 表紙写真に三浦さんが おられるのがわかりま すか? 会社が作る広報誌なのに、会社の宣伝をしない。そういうところが当社らしいと思います。会社の本 拠地であり、さらに会長の松場大吉の地元でもあるこの町をすごく大切にしているんです。この町での 暮らしこそが、私たちにとっては一番大事なことなのです。そして、この町での暮らしについて発信する ことは、最終的には当社に対する理解につながるのではないかと考えています。 --町内だけだと、ネタがなくなりませんか? 旬レポ中国地域 2015 年 8 月号 2 ネタはいくらでもあります。自然は季節によって、またその年によってたくさんの表情を見せてくれますし、 大森で知り合った方や、職場の同僚、自分自身のことなどを書いていけばすぐに誌面が埋まります。 例えば、2 号で特集している鈴木は、職場の同僚です。福島県の南会津出身で、山や自然、植物 や虫などの生き物が大好きです。それが、彼の仕事にそのまま生きていて、大森町周辺の山で拾った 植物や木の実などを使って染めた生地の制作や、山の中でみた風景、生き物や植物などをモチーフ にしたテキスタイルのデザインなど、地域を見つめる視点で考えながら行う、そんな仕事で大活躍して います。記事のネタは心配していないですね。心配があるとすれば僕の筆の進み具合だけです。 「三浦編集長」のこれから --今後の予定は? この新聞も号を重ねていけば、総集編ではないですが、編集しなおして、いずれまとまった形でなにか 作れるかなと考えています。すでに会長の頭の中には本を出すという考えがあるらしく、10号、20 号と作っていくことになれば、そういったこともありえますね。 僕自身は、やっぱり書くことが好きですし、例えば、これを読んで大森町に遊びに来られた方もおられ ますが、この新聞によって、お客様に大森町のことを知ってもらったり、興味を持ってもらったり、「ああ、 いい町だなあ」と少しでも思ってもらえる ようなものを発信し続けたいと思います ね。 今のところ、どんな本にするかはわからな いですし、そこまでこれを書き続けられる かという自分自身のハードルもあります。 とにかく継続あるのみだと思うので、1号、 1号出す毎に進化していければいいと 思っています。 店頭に並んでいる「三浦編集長」 地域づくりへの思い --大森町の人口は今いくら? 今、人口は409人ぐらいだったかと。でも去年7人子供が生まれまして、今年もまだまだ生まれる 予定でベビーラッシュです。幼稚園は本当につぶれる寸前で、補助金も無くなって、町の人たちで運 営していたのですが、今年から保育園に変わって補助金が再びもらえるようになって、何とか存続でき ました。入園してくる子供たちが生まれたので、町の人たちは、とても喜んでいます。やはり子供がいた ほうが地域にとっていいですね。子供の声が無くなったら、地域ってどんどん衰退してゆくだろうなと思い ます。子供がいるというのは。町の人にとって希望です。 --どうすればそのようになるでしょうか? 旬レポ中国地域 2015 年 8 月号 3 僕もはっきりした意見があるわけではないのですが、自分の子供たちが戻ってきたいと思えるような、そ んな地域づくりをして行くべきだと思います。恐らくこれから消滅する地域も出てくるかもしれませんが、 地域をただ残す、ということではなく、いい状態 で次の世代へ引き継いでいけるような場所で あれば、その地域は残っていくのでは。 町の人自身が暮らしを楽しんでいないと成り 立たない。小さい拠点でもいいので、そういった 地域づくりをするいろんな例が、すこしでも増え てくるといいですね。そして、暮らしを楽しんでい る大人を見て、子供も良い町だと思う、そんな 方向に持って行ければと思います。 大森の町並みの中にある群言堂本店 「三浦編集長」を資料としていただいたのですが、大森町の空気感にあふれていて、素 晴らしいものです。皆様も是非とも表紙の写真から三浦さんを探してみてください。 次回は、三浦さんが語る大森町の魅力、さらに I・U ターンで移住する方へのアドバイ スなど、続きは9月号でご紹介します。お楽しみに。 経済産業省 中国経済産業局 広報誌 旬レポ中国地域 2015 年 8 月号 Copyright 2015 Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry. 4
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