食 物 2 Da −12 〔(社) 日 本 家 政 学 会 食 塩 がた きこ み 飯 の 特 性 にあ たえ る 影響 ○ 新井 映 子* , 手 崎 彰 子‥ , 池 崎喜 美 恵¨ ,田 辺 創一¨ , 渡辺 道 子¨ (゛ 島 根 大,¨ 東 京 学芸 大) 目 的 食 塩 や 食塩 を 含 むし よう ゆを 加 え て炊 飯 する 「 たき 込 み 飯」 は 、 中 ・ 高 等 学 校の 調 理 実 習 教 材に 取 り あ げら れ て いる 。 教科 書に は 、 食 塩 は浸 漫時 の 米 の 吸 水を 阻 害 する た め 、 加熱 直前 に 添 加 す る よう 記 載さ れ てい る 。米 は 浸 漬よ り も 加 熱 過 程 で より 多 く を 吸 水 する ため 、 食 塩 が 吸 水 を 阻 害 する の であ れ ば 、 加 熱 過 程 での 影 響 をも 解 明 する 必 要 があ る 。 本 研 究は 、 食 塩 存在 下 で の 炊 飯 が 、 たき こ み 飯の 特 性 にあ たえ る 影響 お よ び そ の 作 用 機序 を 明ら かに す る と と も に 、 た きこ み 飯 の 調 理指 導 法 に つい て 考察 するこ と を目 的 と し た。 方 法 コ シ ヒ カ リ を 試 料米 と し た。 洗 米 後 の 米 に 所 定 量 の加 水を 行 い 、 調味 液 ( 食 塩、 し よう ゆ、 日 本 酒) を 浸 漬 時 ま た は 加熱 直 前 に添 加し て 、電 気 炊 飯器 で 炊 飯し た 。 たき こ み 飯 のテ ク ス チ ャ ー を テ クス チ ユロ メ ータ ーに よ る3 粒 法、 米 飯糊 化 度 をBAP 法、 組織 を 走 査型 電 子 顕 微 鏡 像 、 食 味を 官 能 検査 に よ っ て 評 価し た。 結果 たき こ み 飯 の 硬さ は 、 調 味液 の 添 加 時 期 に 関 わら ず 、 白 飯 より も 増加 し↑ 已。 たき こ み 飯の 組 織 に は 、 白 飯と は 異 なる 連続 相 が 観察さ れ た。ト リ プ シ ン 存 在 下 で 食 塩と 浸 漫 す る と 、ト リ プ シ ン 無 添 加の 白 飯よ りも 硬 さ が 減 少し た。 以 上 の 結 果よ り 、 食 塩 を 添 加し て 炊 飯す ると 、 塩 溶 性 タン パ ク質 が 可 溶 化 し て米 飯内 部に ゲ ル 状 組 織を 形 成し 、 加熱 過 程 で の 水の 浸 透 お よび 拡 散を 阻 害 す る た め 、 米 飯が 硬く な る と 結 論し た 。 加 水量 を 増や し て 沸 騰 継続 時 間を 延 長さ せる と 、 糊 化 度 が 向 上し て たき こ み 飯 は 軟 化 する た め、 実 習に あ た っ て は 、 調 味液 の添 加時 期 より も 、 加 水量 と の関 係 を 理 解さ せる よ う な 指 導 が 必 要 である と 考 察し た。 6 月 1 日( 日) 2Dp −1 第 D 会場 13 : 00 ∼15 : 00 オポムコイ ド除去卵白を 用いた卵料理 の再構築とその秤価 ○ 加 藤保 子( 川 崎医 療福 祉 大 ) 目 的 : 食ア レ ルギ ー 患 者の 治 療 方法 の一つ とし て除 去 食治 療 か行 わ れ る. 特 に 鶏卵 ア レル ゲ ンタ ンパ ク 質の う ち, オ ボ ムコ イ ド(OM)は 極め て 熱安 定 性の 高い 構 造を 持つの 代表 的な ア レ ル ゲ ンで あ り, 100 ℃ で20 分 加熱 し た ゆで 卵 にお い て も その 抗原 性 は:十 分 残 存.T る . ま た , か き た ま 汁 を 作 る とOM の 大 部 分 は の溶 液 部分 に 残 存 す る こ と を 報 告 し て き た1). 卵ア レ ル ギ ー患 者の 除去 食 治療 に 際 して , 卵料 理 は 完全 に 除去 し な くて は なら な い . しか し, 卵 の 栄 養 は 優れ たもの で あ り , 卵 料理 と して 食 べ られ る こと か 望 まし い .そ こ で ,卵 白か らOM を 除 去し た 卵 白を 調製 し ,こ の卵 白 のOM 残 存性 を 患 者血 清 を用 い て 調べ た.こ の 卵 白を 用 い た 卵 料理 を 再構 築 し, その 物性 , 嗜好 性 を 検討 し たの で 報 告す る . 方 法 : 溶液 中 に 均質 化 した 卵 白 を加え て加 熱 し て凝 固 卵白 を 得 た, 凝 固 部分 か ら塩 溶 性タ ン パ ク質 を 抽出し, OM 消失の 確 認 をrab b it抗OM血 清を 用 い たSDS-PAGE 及 びimmunoblotting法 と, 患 者 血 清とperoxidase 標 識抗 ヒ トIgEを 用い た 競 争阻 害EUSA 法 で測 定 し た. OM 除 去卵 白 を 裏ご し して 卵 黄 と混 ぜ て, 卵 焼 き, 布 丁, 卵 豆 腐, 卵 ボ ーロ を 調製 し, そ れ ら の物 性 , 色調 及 び24 名 のパ ネ ラ ーに よ る官 能 検 査を 行 った . 結 果 :OM除 去条 件 は 卵 白を 沸騰 水 中 で15 分 加熱 す る こと と した . 卵 白凝 固 物中 のOM は rabbit抗OM 血 清お よ び 鶏卵 アレ ルギ ー 患者 血 清を 用い た競 争 阻害EUSA 法 でほ ぼ 完 全に 除 去 さ れて い ること を 確認 し た. OM 除 去卵 白 を 用い た 卵料 理 は 物性 や 色調 で 対 象と 異 なっ た も の の, 官 能 検査 で は卵 豆 腐 の評 価 か少 し 悪か っ た ものの , 他の 料 理は 普 通 ある い はそ れ 以 上 の 評価を 得 ,十 分 に食 べ ら れ る卵 料理 を 構築 し た. 1) 加藤: 第48回日本家政学会要旨集pl21. 156
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