MH 1-2-4 就労を希望する精神疾患患者に対し,適切な移行先につなげるための関わり Approach for psychiatric patients who wish to work in order to transfer to an appropriate place ○細田勝世 (OT) 1),金川善衛 (OT) 2),中野郁子 (OT) 2) 1) 医療法人清風会茨木病院デイケアセンター, 2)医療法人清風会就労支援センターオンワーク Key words: Mental health,Work-related practices 障害の理解が乏しく現状に適していない就労を希望する精神疾患患者に対し,精神科デイケアでの就 労準備プログラムを用いた関わりを報告する.事例:男性.20歳代.統合失調症.営業職に就労する が仕事についていけず発症.デイケア開始時から反応速度の低下や会話内容の貧困さが認められた が,一般就労で営業職を希望.方法と結果:「仕事に就く上で何に困るか共に確認しましょう」と就 労準備プログラムへの参加を提案.プログラムは営業や単純作業などの実習による就労準備性の評価 を目的とし,2か所で行われる.まず①デイケアで1日2時間,週3日,2か月間,次に②同法人内の就 労移行支援事業所で1日6時間,6日間行う.その間自己評価・スタッフ評価を定期的に実施.評価を すり合わせ障害の理解を促した結果,障害者就労を自ら選択した. 考察:精神疾患の特徴として,現 実検討能力の低さから障害の理解に乏しく適切な将来像を持ちづらいことが挙げられる.しかしスタッ フの示唆は時に対象者の防衛的な反応を引き起こし,侵襲的な関わりになりかねない.そのためデイ ケアでの作業体験で試す関わりは,気持ちを否定せずに協働的な関係を築くことができ,その関係を もとに評価をすり合わせることで,障害の理解を促し適切な移行先の選択につながったと考える.結 論:障害の理解を促し適切な移行先につなげるために,協働的な関係をもとに実体験を通した関わり が効果的であった.
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