第2学年 数学科学習指導案 日 時:6月30日(月)3校時 場 所:2年2組教室 指導者:山野井伸行 1 2 教材 数の輪をつくろう - 方程式 - 教材のとらえ方 (1 ) 生 徒 は 、 計 算 や 方 程 式 な ど 基 本 的 な 計 算 処 理 は 比 較 的 得 意 で あ り 、 意 欲 的 に 授 業 に 取 り 組 ん で いる。 生徒は、第1学年で1次式の基本的な計算と1元1次方程式について学習している。 また前単元では、多項式の加法や減法、単項式の乗法・除法など、2次以上の文字式の 計算や、方程式の学習につながる等式の変形について学習している。 本学級の生徒は、積極的に発表するなど授業に意欲的に取り組み、活気のある雰囲気 で授業ができる。計算や方程式などの基本的な計算処理は比較的得意とする生徒は多い が、苦手とする生徒の割合も高く学力差が大きい。また利用に関わる問題は、型にはま った問題については比較的解けるが、初めて経験する問題やより発展的な数学的な考え 方を問う問題については、意欲的に考えようとするが、苦手である。 (2 ) 連 立 方 程 式 の 処 理 は 、 よ り 活 用 範 囲 の 広 い 多 元 連 立 方 程 式 へ 発 展 す る 基 礎 と な る 内 容 で あ る 。 本単元では、2元1次方程式の解と連立方程式の解の意味を十分理解させ、加減法か 代入法のいずれで解いても、文字の1つを消去し1年の1元1次方程式にするという基 本を確認する。また連立方程式の利用については、1つの文字を用いるよりは2つの文 字を用いた方が立式しやすいという、そのよさが実感できるような題材を取り上げるよ うにする。そこで本教材は、一通りの学習を終えたところで、比較的立式しやすい課題 を与え、見方・考え方を変えることでさまざまな式ができ、これまでの学習を利用して よ り 高 度 な 方 程 式 の 解 決 に つ な げ 、方 程 式 の よ さ や お も し ろ さ が 実 感 で き る 教 材 で あ る 。 (3 ) 連 立 方 程 式 が 解 け る だ け で な く 、課 題 の 解 決 へ の 立 式 の よ さ や 解 く こ と の 楽 し さ を 実 感 さ せ る 。 方程式の指導においては、1年の1元1次方程式が基本であるが、方程式を解くこと に重点を置くのでなく、同じ問題でも1元1次方程式より連立方程式が立式しやすく、 場合によってはさらに連立3元1次方程式がよい場合など、いろいろな体験を通して方 程式のよさや解くことのおもしろさを感じさせたい。さらに本授業においては、あらた な考え方をお互いに教えあい学びあう喜びも感じさせたい。 3 指導目標 (1)2元1次方程式、連立方程式、及びその解の用語の意味を理解する。 (2)連立方程式の解き方は、一方の文字を消去して、既知の1元1次方程式に変えて 解く考え方であることを理解する。 (3)式の形に応じて加減法や代入法を使い、効率よく解くことができる。 (4)連立方程式のよさを知り、具体的な問題を解決するために連立方程式を用いよう とする態度と、その技能を養う。 4 教育課程研究指定事業における研究主題とのかかわり (研究主題:直感と理論をつなぐ数学教育の工夫) 数の輪を扱うことで、比較的簡単な数字の場合、多くの生徒が答えにたどりつくであ ろう。さらに数を大きくすると直感ではなかなか答えにたどりつかず、すぐに答えを示 すことでなぜだろうと疑問を深め、本課題に対する意欲を高め、理論につなげていきた い。そこで答えが明らかであり、より簡単な数字を扱うことで、いろいろな考え方が理 論的に導きやすいような授業展開を仕組んでいく。 5 指導計画 (計15時間) (1) 連立方程式とその解 (2) 連立方程式の解き方 (3) 数の輪(発展学習) (4) 連立方程式の利用 (5) 練習問題 ・・・・・・・・・1時間 ・・・・・・・・・6時間 ・・・・・・・・・2時間(本時1/2) ・・・・・・・・・4時間 ・・・・・・・・・2時間 6 本時の学習指導 (1)主 眼 ○課題を解決する活動を通して、方程式で解くことのよさを感じること ができる。 ○お互いの考え方を知り、学びあうことができる。 (2)指導過程 学習内容及び学習活動 ①本時の課題を知る。 【本時のめあて】 生徒の反応 教師の手だて ・ ど こ と ど こ を た し て い ・ プロジェクタ-を 用 い て 課 題 を 具 体 くらなのか、関心をもっ 的 か つ 視覚 的 に確 認さ せる 。 て聞くだろう。 ・初めは○の中の数はふせ、興 味をより深くもたせる。 数の輪をつくろう。 ② い ろ い ろ な 数 を あ て は め ・すぐに答えを見つけ歓 ・ 答 え が出 に くけ れば 、一 つに て求める。 声をあげる生徒や、見つ 1から順に数をあてはめて考え けきれない生徒もいるだ させる。 ろう。 ③例題を出題し考える。 (2問) ・驚きや疑問をもつだろ ・ 2 0 まで の 整数 を○ に入 れさ う。 せ 、 解 い て み せ る 。( 和 が 偶 数 ) 【発問】すぐに解けたのはなぜだろう。解き方をいろいろ考えてみよう。 ④ い ろ い ろ な 求 め 方 を 考 え (予想される反応) る。 ・一次方程式を使う。 ・連立方程式を使う。 ・文字を3つ使って考え る 。 (連立3元1次方程式) ・近い2数をたし、遠い 数をひいて2でわる。 ・ ( 7+9+6) ÷ 2 =11 を 使 って考える。 など ・連立方程式を立てて考えられ ないか、なげかける。 ・使う文字の数をいろいろ変え て 、方 程 式 を 立 て て 考 え さ せ る 。 ・文字で置かないところはどう すればよいか考えさせる。 ⑤班で考え方を発表する。 ・これまでに習ってきた 方程式が使えることに気 づくだろう。 ・文字を3つ使うと式が 立てやすいことに気づく だろうが、解けない班も あるだろう。 ・互いに教え合わせ、自分の考 えを深めさせる。 ・3元の場合の立式のしやすさ に 気 づ か せ 、そ れ を 解 く た め に 、 最初に連立方程式を解いたとき のことを思い出させる。 ⑥ 発 表 を 聞 き 、 考 え を 深 め ・新たな考え方や、つま る。 づきを見つけるだろう。 ・多くの生徒は納得して くれるであろう。 ・指名し解き方を板書させ、説 明させる。 ・3元の場合の立式のしやすさ や 、 始 め の 驚 き (素 早 く 解 い て み せ た )を パワ-ポイントで 確 認 さ せ る 。 ⑦本時を振り返る。 ・自己評価をする。 ・文字の数を工夫することで式 がたてやすくなることや、方程 式を解くときの基本が1元1次 方程式にあることを確認させる。
© Copyright 2024 ExpyDoc