微分方程式 中間テスト 1 枚目 学籍番号 氏名 点数 平均点 60.87 点 最高点 106 点 次の微分方程式を解きなさい (初期条件がないものは一般解を, あるものは特殊解を求めよ.). (50 点(注 1) ) dy 1 dy (1) = (2) = e2y cos x, y(0) = 1 2 dx y(x − 1) dx dy y dy (3) x = y + x tan , y(1) = π2 (4) (1 + x2 ) dx = y + tan−1 x dx x dy 1 1 解答例 (1) y dx = 12 x−1 − x+1 と変形して両辺を x で積分すれば, 1 2 1 x − 1 + C0 (C0 は任意の定数) y = log 2 2 x + 1 + C (C は任意の定数(注 2) ). となる. 2C0 = C とおけば, y2 = log x−1 x+1 dy (2) e−2y dx = cos x と変形して両辺を x で積分すると, 1 − e−2y = sin x + C 2 (C は任意の定数) となる. よって, −2y = log(−2 sin x + C), すなわち, y = − 12 log(−2 sin x + C) を一般解として得る (−2C0 = C 1 −2 とおいた.). 初期条件より , 1 = y(0) = − 2 log C. これを解くと log C = −2 より C = e となる. よって, y = − 12 log −2 sin x + e12 . dy dy dv (3) dx = yx + tan yx とおけば同次形に変形されたことになる. yx = v とおけば, y = xv であるから, dx = v + x dx . dv dv これを に代入すると, v + x dx = v + tan v となる. これをさらに変数分離形 x dx = tan v に変形する. 両辺を x で 積分すると, Z Z 1 1 dv = dx = log |x| + C0 (C0 は任意の定数). tan v x となる. Z Z Z 1 cos v (sin v)0 dv = dv = dv = log | sin v| tan v sin v sin v であるので, sin v = C0 . log x v = yx を代入して, log 1x sin yx = C0 となる. ±eC0 = C とおけば, 1x sin yx = ±eC0 = C. よって, sin yx = Cx, すなわち, y = sin−1 (Cx) である. したがって, 一般解 y = x sin−1 (Cx) が得られる. 初期条件 π2 = y(1) = π2 より, C = 1 となる x ので, y = x sin−1 x. dy 1 tan−1 x (4) dx − 1+x 2 y = 1+x2 と変形しておく. この式を ! R 1 R 1 R 1 R 1 1 1 − dx 0 − dx 0 − dx − dx 0 2 2 2 1+x2 (e 1+x y) = e 1+x y + e 1+x − y = e (y − y) 2 1+x 1 + x2 R 1 R 1 R 1 −1 x の右辺に代入すると, (e− 1+x2 dx y)0 = e− 1+x2 dx tan となる . dx = tan−1 x + C1 (C1 は任意の定数) であるので, 2 1+x 1+x2 −1 −1 −1 x (etan x y)0 = e− tan x tan . 両辺を x で積分すると, 1+x2 ( ) Z Z 1 − tan−1 x − tan−1 x 0 −1 − tan−1 x −1 − tan−1 x e y = − (e ) tan xdx = − e tan x − e dx 1 + x2 −1 −1 −1 = − e− tan x tan−1 x + e− tan x − C = −e− tan x (tan−1 x + 1) + C (C は任意の定数) となる. 以上により, 一般解は, y = − tan−1 x − 1 + Cetan (注 1) (注 2) −1 (1), (2) は 10 点, (3), (4) は 15 点. C0 は任意の定数なので C = 2C0 も任意の定数と考えてよい. x となる (C は任意の定数). 2 次の問いに答えよ. (1) 微分方程式 (sin x + sin y)dx + (ey + x cos y)dy = 0 を解きなさい.(10 点) (2) 微分方程式 (x3 y + xy3 + 2xy)dx + (x2 + 3y2 )dy = 0 の積分因子を 1 つ求めよ(注 3) .(10 点) 解答例 (1) P(x, y) = sin x + sin y, Q(x, y) = ey + x cos y とおくと, Py (x, y) = cos y, Q x (x, y) = cos y であるから, Rx Ry 与えられた微分方程式は完全である. よって, u(x, y) = a P(x, y)dx + b Q(a, y)dy とおくと, u(x, y) = C (C は任意 の定数) が一般会となる. a, b はなんでもいいので, a = b = 0 として一般解を求めると, Z x Z y y y=y C = u(x, y) = (sin x + sin y)dx + ey dy = [− cos x + x sin y] x=x x=0 + [e ]y=0 0 0 = − cos x + x sin y − (−1) + e − e = − cos x + x sin y + ey y 0 を得る (C は任意の定数). (2) P(x, y) = x3 y + xy3 + 2xy, Q(x, y) = x2 + 3y2 とおくと, Py (x, y) = x3 + 3xy2 + 2x, Q x (x, y) = 2x であるから, 与 えられた微分方程式は完全ではない. Py (x, y) − Q x (x, y) x3 + 3xy2 =x = 2 Q(x, y) x + 3y2 R であるから, x のみの関数である. よって, 積分因子は λ = e xdx x2 = e 2 である(注 4) . 1 2 時間のある人は,一般解も求めよ. 正解していれば加点します. →ちなみに答えは e 2 x y(x2 + y2 ) = C (C は任意の定数) となりま す. 部分点は付けませんでしたが,正解している人には 10 点加えておきました. (注 3) R x2 「λ = e xdx = e 2 +C (C は任意の定数), なのではないですか?」と思われる方もおられるかもしれませんが, 積分因子は完全でな い微分方程式を完全にするものなので, その役割を果たすものはひとつ求めればよく, C = 0 のものだけ考えておけば十分,と解釈す るとよいでしょう. (注 4) 微分方程式 中間テスト(2015 年) 2 枚目 学籍番号 氏名 dy 3 (1) ベルヌーイ型の微分方程式 dx + P(x)y = Q(x)yn は z = y1−n とおくことで の形に変形できることを確かめなさい.(10 点) dy (2) 初期条件 y(0)100 = 12 のもとで dx + x99 y = x99 y101 を解きなさい. (10 点) 解答例 (1) z = 1 yn−1 dz dx + (1 − n)P(x)z = (1 − n)Q(x) = y1−n であるから, z0 = (1 − n)y−n y0 . 従って, dz (1 − n) 0 1 1−n 1−n + (1 − n)P(x)z = y + (1 − n)P(x) n−1 = n (y0 + P(x)y) = n Q(x)yn = (1 − n)Q(x). n dx y y y y (2) (1) より, z = 1 y100 とおくことで, z0 − 100x99 z = −100x99 に変形できる. (e−x z)0 = e−x (−100x99 )z + e−x z0 = (z0 − 100x99 z)e−x 100 100 100 100 = −100x99 e−x 100 であるから,両辺を x で積分すると, e よって, z = 1 + Ce x . z = y100 = 1x100 . 100 1+e 1 y100 −x100 Z であるので, y100 = x99 e−x dx = e−x 100 z = −100 1 z = 1 100 . 1+Ce x 100 + C. 初期条件 y(0)100 = 1 1+C = 1 2 より C = 1. よって, 4 (1) p = y000 とおいて, 4 階微分方程式 y0000 − 2y000 = 0 を解きなさい (10 点). 解答例 p = y000 とおけば y0000 − 2y000 = 0 は ddxp = 2p と変形される. これをさらに 1p · ddxp = 2 と変数分離形に変 形する. 両辺を x で積分すると, log |p| = 2x + C0 (C0 は任意の定数) となる. よって, p = ±e2x+C0 = C1 e2x である (ここで, C1 = ±e2C0 とおいた). すなわち, y000 = C1 e2x である. これを x で 3 回積分すると, 順に y00 = C21 e2x + C2 , y0 = C41 e2x + C2 x + C3 , y = C81 e2x + C22 x2 + C3 x + C4 (C1 , C2 , C3 , C4 は任意の定数) となる. 定数を取り直してシンプ ルに表すと, 一般解は y = C1 e2x + C2 x2 + C3 x + C4 (C1 , C2 , C3 , C4 は任意の定数) と表せる.
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