労災療養中の不当解雇容認の最高裁判決は許されない! 最高裁第二小法廷は、専修大学が業務上の頚頚腕障害による療養のため休業中であるH さんに対し行った解雇について、違法・無効とした高裁判決を破棄し、打切補償を支払った 解雇が有効となりえるとして東京高裁に差し戻す判決おこないました。 判決は、労働基準法が明文で禁止する解雇を容認し、使用者らが自ら災害補償責任を果た していない場合にまで打切り補償を支払った解雇が認められる場合を大幅に拡大するもの です。法令を順守すべき司法の立場を放棄し、歴史を逆行させる不当判決です。 この事件は、専修大学が、Hさんが、過重な業務で頚肩腕症候群を発症し、休業を余儀な くされたことが発端です。 専修大学は、一貫して労災申請を妨害し、退職強要や解雇通告など不当な仕打ちを繰り返 してきました。主治医や産業医が認めたリハビリ勤務を拒否し、労基署の指導・是正勧告を 無視し、解雇を強行。さらに、解雇を正当化するため「地位不存在確認訴訟」を起こしまし た。 Hさんは、長期にわたって休業を強いられ、安心して療養に専念できたことはありません。 常に雇用の不安を抱え、裁判を係争しなければならないという過大なストレスを負わされ 続けています。 最高裁判決は、業務上の傷病が原因であるにもかかわらず、休業が3年を超えた場合には 金銭の支払いと引き換えに解雇することを認めるとするもので、労災職業病により長期に わたり療養・休業中の労働者を容易に解雇する道を拓くことになります。 Hさんへの解雇を許さず、差し戻し審での勝利への支援が必要です。
© Copyright 2024 ExpyDoc