相続した土地への二重課税問題、訴訟に

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税務
相続した土地への二重課税問題、訴訟に
長崎保険年金事件の最高裁判決の射程、土地にまで及ぶか否か
相続時までの土地の値上がり益に、
相続税と所得税が課税されること
が二重課税に当たるか否かが争わ
れていた事案が訴訟に発展。
本誌取材により判明している。
訴訟において納税者側は、最高裁判決は
相続人が取得する財産が何であっても、解
釈の指針となる旨を指摘。納税者が相続に
よって土地を取得したことは、所得税法 9
最高裁が、年金の方法により支払を受け
条 1 項 16 号が非課税と規定している「相続
る保険金を巡り、年金受給権(定期金に関
により取得するもの」に該当するため、相
する権利)に相続税が課税され、さらに毎
続時の土地の経済的価値(相続税評価額)
回受け取る年金に所得税が課税されること
は、その後の土地譲渡の際に所得税の課税
が二重課税に当たるとの判断を示したこと
対象には含まれない旨を主張している。対
は記憶に新しい(最高裁第三小法廷平成
する国側は、最高裁判決は「定期金に関す
22 年 7 月 6 日判決)
。この判決は、相続税と
る権利」について判示したものであり、政
所得税の課税関係の問題に一石を投じたも
府税制調査会で公表された「最高裁判決研
のということができるだろう。
究会」の報告書(平成 22 年 10 月 22 日)に
ところで、この最高裁判決を受けて、相
おいても、同判決の直接の射程が「定期金
続時までの土地の値上がり益について、土
に関する権利」に限定されると指摘されて
地の相続時に相続税が課税され、さらに土
いることも踏まえれば、その射程は土地な
地の譲渡の際に所得税が課税されること
どほかの相続財産にまでは及ばないとの主
も、二重課税に当たるのではないかとの指
張だ。判決の内容次第では、実務に大きな
摘が多くの実務家からなされていたが、ま
影響を及ぼすことが考えられるだけに、そ
さにこれを争点とした裁決事例(本誌 457
の行方に注目が集まる。
号 9 頁参照)が訴訟に発展していることが
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(写真左)
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No.477 2012.12.3