(参観のキーワード:生き方に学ぶ 口だけで文字を書く体験) ― 学習すること(ねらい) ― ◎星野さんの気持ちを感じ取ることで,自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり 遂げようとする心情を育てます。 ― ねらいとする道徳的価値は ― 勤勉・努力 忍耐 生命尊重 人は,自分に対する課題や目標の達成に向けて,日々自分なりに 努力しながら生活している。そのためには自主性を発揮し,物事に 対して最後まで粘り強くやり遂げることが求められる。しかし実際 は, 「やらなければいけないこと」で精一杯で,さらなる課題や困 難に立ち向かっていったりせずに,避けようとすることがよくあ る。そこで,この時期の子どもたちに,どんな困難にぶつかっても, 自分での力で立ち向かい,最後まであきらめずにがんばっていこう とする,前向きな心を育てることが大切であると考えられる。 ― この授業で使う資料について ― (出典: 「かぎりなくやさしい花々」 星野富弘 偕成社) 本資料は, けがを負って下半身が動かなくなってしまった星野富弘さんが, 絶望的な気持ちになりながらも, 大病を患った高久君との出会いにより,少しずつ努力しながら絵を描いていくという話です。本資料の星野さ んのような状態を経験することはほとんどありません。それゆえ,主人公の気持ちを感じ取らせ,自分でやろ うと決めたことを最後までやり通すことのよさや大切さに気づかせるのに適した資料だと考えます。 -―学習活動と主な発問― 1. 「星野富弘さん」の概略をつかむ。 ○星野富弘さんはどのように文字や絵を描いたでしょうか。 ・口でペンをくわえて書いたことを知る。 ○星野富弘さんは,どんな障害だったのでしょう。 ・障害の原因となった事故の様子を知る。 ◎星野富弘さんは,どんな気持ちだったでしょうか。 ・からだが動かない様子を想像する。 2.星野富弘さんと同じ方法で実際に文字を書く。 ・手ではなく口で描くことの大変さを知る。 ◎毎日字を書く練習を続けた時の星野さんは,どんな気持ちだったでしょうか。 3.学習したことを振り返り。自分を見つめ直す ○どんな困難にぶつかっても,自分での力で立ち向かうことができるでしょうか。 ・最後まであきらめずにがんばっていこうとする。 ― 子どもたちのこんな姿を期待します ― 中学年では,まだ自己中心的に活動することが多く,苦手なことや苦しいことを避け,今 よりもよくなろうと我慢をしたり努力をしたりすることが少ないように感じます。そこで, どんな困難に出会っても,自分なりに少しずつ努力していくことでよりよい自分になること のすばらしさに気づき,それを乗り越えていこうとする心をもつ姿を期待します。
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