電磁気学(復習)静電誘導

3 学年
応用物理I「静電気力」 日付
1.1 電気
冬の日にセーターを脱ぐときに起きる火花や,下敷きをこすって頭に当てると
髪の毛が逆立つといった現象は,物体が電気をもったために生じる.物体の持つ電
気を(
)といい,電荷の量を(
単位は(
)という.電気量の
)が用いられる.物体が電荷を帯びることを
帯電,電荷を持った物体を帯電体という.
ガラス棒や絹,アクリル棒やナイロンなどをこすり合わせて調べると,電
荷に正と負の性質があることがわかる.同符号の電荷間には(
が働き,異符号の電荷間には(
)
)が働く.また,正負の電
荷の量は,代数的な数のように計算できる.
現在では,物体を構成している原子の構造が明らかになっている.原子は,
(
)と,その周りに分布する
(
)からできている.原子核は,
(
)と(
)からな
っている.中性子と陽子の質量はほぼ等しく,電子の質量の約 1840 倍である.また,電子と陽子の電荷
量の大きさは正確に等しい.上に述べた物体をこすり合わせたときの帯電現象は,軽い電子の物体間の移
動によって生じる.
物体を正に帯電しやすい順番に並べた物を(
)という.たとえば,アクリルとナイロ
ンをこすった場合,アクリルは正に,ナイロンは負に帯電する.
電荷の総量に関して,以下の法則が成り立つ.
「外部からの電荷の出入りのない系を考えたとき,その系内の電荷の量の代数和は一定に保たれる」
これを(
)という.
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
1
1.2 クーロンの法則
1785 年,クーロンは図のような装置で2つの点電荷の間に作用する力の性質を実験
的に調べた.その結果,次の法則が成立することを発見した.
「2 個の点電荷の間に働く力は,両者を結ぶ(
大きさは(
)に働き,その
)し,それらの間の
(
これをクーロンの法則という.また,この力をクーロン力または(
)する.」
)
という.
2 つの点電荷の電荷量をそれぞれおよびとし,それらの間の距離をとすると,その間に働く力の
大きさは,以下のように表せる.
後に出てくる電磁気学の法則を簡単なものにするために,単位半径の球の表面積4を前に出しておく.
クーロン力の大きさを万有引力の大きさと比較する.万有引力の大きさは以下の式で表せる.
2 個の電子の間に働くクーロン力と万有引力を,電子の質量 9.1 1031 [kg],その電荷量 1.6 10 [C]を用いて計算すると,
となる.
例題 1- 1 水素原子は 1 個の陽子と,そのまわりにある 1 個の電子から構成されている.この陽子と電子
の間に作用する万有引力とクーロン力の大きさを比較せよ.
2
1.3 ベクトル形式のクーロンの法則
クーロン力は,その方向も含まれるベクトル量である.電荷がに作用するクーロン力をベクトルを
用いて表すと,
となる.
( , , )と
ここで,
( , , ) はそれぞれ図の原点 O
O
から測った点電荷との位置ベクトルである.また,
は,点電荷との間の距離を表す.
(
)は,からの方向を向く
単位長さのベクトルである.
1.4 クーロン力の独立性
個の点電荷 ,! ," ,・・・# がそれぞれ ,! ," ,・・・# の位置にあるとき,これらの点電荷
がに与える力は,それぞれの点電荷がに与える力のベクトル和で表される.式で書くと以下のように
なる.
これは経験にもとづく結果であって,自明のことではない.これを(
)
という.
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例題 1 - 2
1 辺の長さが 10 cm の正三角形の各頂点に2.0 10% C の正の点電荷をおいた.
各点電荷に作用する力の大きさは何[N]か求めよ.
例題 1 - 3
長さの等しい 2 本の軽い糸の先に,それぞれ質量の小球をつけて,
天井
1 点からつり下げ,それぞれの小球に電荷量1 と! の同符号の電荷を与
えた.このとき,2 つの小球は,距離離れて静止した.2 本の糸の間
の角度2&を求めよ.
4
例題 1 - 4
同じ大きさの電荷量をもつ正の電荷を距離2'だけ離しておき,
それらを結ぶ直線の垂直二等分線上に正電荷をおく.このとき
電荷に作用する力が最大になる位置はどこか.
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