123《ぷるるん るん》 - 神奈川県立平塚中等教育学校|HOME

平塚中等教育学校
vol.123
校長室の窓から 2015年(平成27年)8月31日
あさ おきて/かお あらうの だれですか/だれでも ないけど/みんな あらう/ちゃっぷちゃっぷ ごぼごぼ/ぷるるん
るん/きのうも あらったのに/きょうも ぷるるん/あさ おきて/かお あらうの なぜですか/なぜでも ないけど/
みんな あらう/ちゃっぷちゃっぷ ごぼごぼ/ぷるるん るん/あしたも あらうのに/きょうも ぷるるん
(まど・みちお 作「ぷるるん るん」
、阪田 寛夫著『まどさんのうた』
(童話屋)より)
(
)
平塚中等は、8月27日に夏休みが明けた。休みが
取れて1週間も仕事を空けた大人は、よほどネジを
巻かないと再起動には時間が掛かる。大人でもそう
なのだから、子供の気持ちはよく分かる。長い休み
が続くと、自分の元のペースに戻すのがなかなか大
変だ。そんな時に、心や体が不安定になったりする
こともある。
本校では心や健康の悩みなどの相談に、ライフグ
ループという相談窓口がある。日常の頼りの綱は、
担任、教科担当や部活顧問など身近な先生方だろう
が、各学年には生活指導担当の先生がいて、その先
生方でライフグループを構成している。教育相談コ
ーディネータという、先生方を連携する役割をもっ
た先生もいる。さらに、今年度から、ライフグルー
プのメンバーと、学校心理士という資格をもった先
生方、保健室の先生、学校スクールカウンセラー(週
2日常駐)などと一緒に、困っている生徒たちをバッ
クアップする仕組みとして“支援チーム”をつくっ
て学校が動いている。困ったこと、困っていること
は気軽に相談して欲しい。もちろん、校長室も大歓
迎だ。校長室ドアの“Please feel free to enter.
”は、そのためだ。
さて、困っている児童・生徒を何とか救おうとい
う声は、いろんな所から聞こえてくる。
鎌倉市図書館ホームページの8月26日付のツ
イッターが話題だが、27日のものを一つ紹介。
つらいきもちをかかえているあなたへ
図書館はあなたの居場所になりたいと思っていま
す。心のすみっこに「としょかん」をおいてね。
図書館にはいろいろな本があるよ。疲れた心によ
りそうような本が見つかるかも。■
また、8月28日の朝日新聞朝刊では、「学校つら
ければ休んで」。NPO法人「全国不登校新聞社」
(東
京都北区)が、8月18日に公開した緊急メッセージ
を紹介している。一部を抜粋する。
明日、学校に行きたくないと思っているあなたへ、
一つだけお願いがあります。「学校に行けない自分
はもう死ぬしかない」と、自分で自分を追い詰めな
いでください。身も心もボロボロになるまで頑張り
続けたあなたに必要なことは「休むこと」です。
誰かと比べる必要はありません。あなた自身がつ
らいと感じたら、無理して学校に行こうとせずに、
まずは休んでください。学校から逃げることは恥ず
かしいことではありません。生きるために逃げるん
です。(中略)私たちはあなたに、生きていてほし
神奈川県立平塚中等教育学校
TEL 0463 (34) 0320
FAX 0463 (34) 3866
いと願っています。
学校に行くのがつらければ、まずは休んでくださ
い。(原文は、NPO法人「全国不登校新聞社」
http://futoko.publishers.fm/article/9112/を参照)■
本校の話に戻るが、夏休み明けに向けて、困って
いる生徒たち とどう向
き合うかをテーマに、8
月26日に職員研修を行
った。林間メンタルクリ
ニックの河野貴子氏(精
神科医師)をお招きして
の研修だった。研修テー
マは、「思春期特有の精神疾患等について理解を深
めることで、生徒の人権侵害等の事故防止につなげ
る」。話題は、思春期という激動期、自立への戦い
の始まり、反抗には理由がある、性と自己への目覚
め、不登校。特に「不登校」について付言すると、
不登校が始まった時に重要なのは、過剰に反応しな
いこと。休む場合にもいろいろな理由がある。(体
調が悪い、疲れが溜まっていて気力が落ちる、学校
で嫌なことがあり引きずっている、家庭内の問題が
不安を高め気力の低下を招いている、など)。
【初期対応で大切なこと】叱らずに話を聴く。言葉
にして話すだけで気持ちが変わることがある。不登
校だけでなく、その背景にある問題にも注目する。
本人の状況を把握した上で事情に応じて休ませる対
応が必要か、無理をしてでも生かせる対応をするか
判断をする。【不登校を引き起こす問題】①家庭の
問題(虐待やネグレクト、放任)、②対人関係のト
ラブル、いじめ、③ゲーム、ネット依存、④学業不
振、学習意欲の低下、⑤怠学、不良校友、⑥環境不
適応、などに注意を払いたい。
生徒を育てるためには“職員間のコミュニケー
ションを深める”ことが大切と、8月27日には、日
本カウンセリング学会認定カウンセラーの安藤由紀
氏をお招きし、職員研修「アサーティブネス・ワー
クショップ」を開催し、生徒との会話、家族とのコ
ミュニケーションの大切さをアクティブに学んだ。
平塚中等 校長 鈴木 靖
〒254-0074 平塚市大原1番13号
URL http://www.hiratsuka-chuto-ss.pen-kanagawa.ed.jp/