にぼしのかいぼう - 静岡科学館る・く・る

にぼしのかいぼう
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科学あそびミュウ
守屋司子
いっ ぱん てき
み そ 汁 の だ し を と る た め に 一 般 的 な に ぼ し( イ ワ シ )を か い ぼ う し て み る こ と で 、
かん けい
さぐ
魚の体のつくりを学ぶとともに、自分たちの体との関係を探ってみます。
●準備するもの
に
ぼ
・カタクチイワシの煮干し:8~10㎝くらいのもの。体姿がなるべくまっすぐで
腹が割れていないもの。
かいぼうだい し
か せつしゃ
・煮干しの解剖台紙(仮説社にて購入可)
・作業用の紙
(A4コピー紙)
・ピンセット
せ っ ちゃく ざ い
・木工用接 着 剤
・接着剤用つまようじ
・ファスナー付きポリ袋
●体験の手順
ぞう き
《以下の順で、様々な臓器を取り出してみましょう》
とう ぶ
どうたい
・にぼしの頭部を胴体から取りはずします。
せ い ちゅう せ ん
つめ
・取り外した頭を正 中 線に爪をあてて開くように頭を2つに割ります。
す い しょう た い
・白い目玉(水 晶 体)があるので、それを台紙にはりつけます。
うすちゃいろ
のう
・よく見ると薄茶色の脳があります。見つけたらそれも台紙にはりましょう。
じ せき
・1~2㎜ほど白いだ円形のものは耳石です。台紙にはりましょう。
は
・白いくしの歯のような作りで、えらと反対向きに口の先に向かって並んでいるもの
があります。さいはです。
・えらぶたの内側にある赤茶色のくしのようなひだがブラシのように4枚重なってい
るものがあります。えらです。台紙にはりましょう
しんぞう
とっ き
き かん
・魚の心臓は、えらのすぐ近くにあり、黒く突起のある三角形の器官です。
かいぼう
せ びら
《次に胴体を解剖しましょう。背中を割るようにゆっくりと 背開きにしましょう》
・胃:他の黒い内臓の下に隠れていて全く見えないこともあるが、薄茶色の丸みをお
びたものがあります。
い
こうもん
・腸:胃の出口から肛門までの部分をいいます。
ゆうもん
・肝臓:胃や幽門におおいかぶさってひとかたまりになっている黒いかたまりです。
らんそう
せいそう
かたまり
・卵巣・精巣:卵巣は小さなたらこのような丸みをおび赤みのあり細長い一対の 塊
いっつい
です。精巣は薄茶色でこれも一対です。
せ ぼね
けっかん
せきずい
きんにく
・背骨、血管、脊髄、筋肉、浮き袋などを取り出し台紙にはりつけたら完成です。
●かいせつ
生のものではないけれどにぼし(イワシ)のかいぼうをして、魚の体の構造やそれ
き かん
い
ち
と く ちょう
ぞれの器官の位置や特 徴 を学ぶことができます。
しょく も つ れ ん さ
ちょう て ん
食 物 連 鎖 の ピ ラ ミ ッ ド の 頂 点 と し て 、私 達 ヒ ト は 生 き も の を「 食 」し て 生 き て い ま
す。サカナとヒト、かいぼうをしてみると似たところがたくさんあります。背骨があ
せきついどうぶつ
ほにゅうるい
ぎょるい
る 脊 椎 動 物 な の で す 。私 た ち 哺 乳 類 は 、魚 類
りょう せ い る い
両 生類
は ちゅう る い
爬虫類
しん か
哺乳類と進化
ちょう る い
してきたのです。
鳥類
外から見ただけでは、動物がこうした特徴を持っているかどうかはわかりにくい。
つまり、解剖による研究はそれを調べる科学の方法の一つなのだ。
(『 煮 干 し の 解 剖 教 室 』 よ り 引 用 )
●気をつけよう
それぞれの部位を、つまようじで接着剤をつけて台紙にはり付けますが、つまよう
さ
じで手を刺したりしないよう気をつけましょう。
●くわしくしらべてみよう
参考文献
『 煮 干 し の 解 剖 教 室 』 小 林 眞 理 子 /文
泉田
謙 /写 真
こ ば や し ち ひ ろ /絵
仮説社
『 い わ し む れ で い き る さ か な 』 か が く の と も 大 片 忠 明 /さ く 福 音 館 書 店
『 進 化 の は な し 地 球 の 生 命 は ど こ か ら き た か 』 ス テ ィ ー ブ ・ ジ ェ ン キ ン ズ /作
佐 藤 見 果 夢 /訳
評論社